情報処理学会60年のあゆみ
第3編―情報技術の発展と展望
DICOMOシンポジウム

 

DICOMOの歴史

「マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO)シンポジウム」は「マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会」,「グループウェア(GW)研究会」(平成13年度から「グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会」に名称変更),「モバイルコンピューティング(MBL)研究会」(平成12年度から,「モバイルコンピューティングとワイヤレス通信研究会」,平成15年度から,「モバイルコンピューティングとユビキタス通信研究会」,平成27年度から「モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム研究会」に名称変更)の3研究会が,互いに情報を交換し,これら分野を更に発展させるために,平成9年に北海道ニセコにおいて開催されたDiCoMoワークショップが最初である.このときの参加者は145名であった.平成10年に名称をシンポジウムに変更し,実行委員会制度を発足させた.その後,参加する研究会が増加し,規模も拡大を続け,現在は「マルチメディア通信と分散処理(DPS)研究会」,「グループウェアとネットワークサービス(GN)研究会」,「モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL)研究会」,「コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会」,「高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS)研究会」,「ユビキタスコンピューティングシステム(UBI)研究会」,「インターネットと運用技術(IOT)研究会」,「セキュリティ心理学とトラスト(SPT)研究会」,「コンシューマ・デバイス&システム(CDS)研究会」,「デジタルコンテンツクリエーション(DCC)研究会」という10研究会が共催し,400名規模の参加者がいる合宿形式のシンポジウムである.

初開催以来,インターネットを中心とした通信技術から,マルチメディア通信,分散システム,グループウェア,モバイルコンピューティング,ITS,ユビキタス,セキュリティやデジタルコンテンツクリエーションに関する分野の研究について,学術的な研究論文だけでなく,事例報告,問題提起などの論文も対象として,活発な議論を行ってきた.

近年は8パラレルのセッションとなっているが,A会場では統一テーマを設定し,各研究会が特別公演を含む統一テーマセッションを構成するなど,セッション構成が工夫されている.

DICOMOの特徴として,全員が一堂に会して食事をとることが可能な会場で開催されることがあげられる.さらに合宿形式で開催することにより,発表後の食事の際はもちろん,その後の懇親会や大浴場,部屋に戻ってまで,さらには帰路においても,研究内容やその発展系に関する熱い議論が展開されるということが珍しくない.

また,デモセッションやナイトテクニカルセッションなど,多彩なイベントが用意され,それぞれに対する表彰が用意されていることも特徴である.

これらに限らず,様々な表彰が用意されていることがセッションの活性化に繋がっている.今後ともこれらの分野の研究の活性化を目指して活動が継続されるようにしたい.

(屋代智之)

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