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オープニング 13:20-13:30

浅井 光太郎様コーディネータ:浅井 光太郎(三菱電機株式会社、ISO/IEC JTC 1/SC 29 国際議長)
【略歴】1981年、東京大学工学部電気工学科卒業。同年、三菱電機(株)入社。以来、映像符号化・伝送技術の研究・応用開発、ITU-Tや ISO/IECの国際標準化活動に従事。1988年からMPEG標準化活動に参加。2006年からISO/IEC JTC 1/SC 29国際議長。同国内専門委員会委員。

セッション1 13:30-14:10

HEVCを超える次世代動画像符号化方式の標準化動向

最新の動画像符号化方式HEVCの規格化が2013年に完了してから3年が経過し、一連のHEVC拡張方式検討も完了しつつある。現在MPEGでは2020年の規格化完了をマイルストーンとして、次世代動画像符号化方式(Future Video Coding)を模索している。本講演では、ユースケースを含めた目標性能、現在提案されている要素技術、会合における検討状況について解説する。

河村 圭様講師:河村 圭(株式会社KDDI、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/VIDEO小委員会委員)
【略歴】2004年、早稲田大学理工学部電子・情報通信学科卒業。2005年、同大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。2010年、同大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。同年、KDDI(株)入社。現在、(株)KDDI総合研究所超臨場感通信グループ研究主査。2013年情報処理学会ヤングリサーチャー賞、2014年電子情報通信学会学術奨励賞。2016年日本ITU協会賞 国際活動奨励賞 功績賞分野 受賞。主に、動画像符号化方式と伝送方式の研究・開発および国際標準化に従事。SC 29/WG 11/Video小委員会委員、ARIB映像符号化方式作業班委員。博士(国際情報通信学)。

セッション2 14:10-14:50

MPEG-H 3D Audioの最新動向

MPEGでは、4Kや8K映像、またVR映像に対応するオーディオコーデックとしてMPEG-H 3D Audioの標準化を進めている。3D Audioは、空間上のあらゆる方向からの音の再生を可能にすることで、これまでにない臨場感を実現している。 従来の2chや5.1ch、最近の8K映像に対応する22.2chに加えて、スピーカの位置や数に依存しないオブジェクトオーディオや、音場の収録に適したHOA(High Order Ambisonics)などを3D Audioはサポートしている。本セミナーでは、3D Audioの技術内容、特にオブジェクトオーディオやHOAについて解説する。

知念 徹様講師:知念 徹(ソニー株式会社、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/AUDIO小委員会幹事)
【略歴】1991年、東京都立大学電気工学専攻修士課程修了。同年新日本製鉄(株)入社。以来、音声音響符号化技術に関する研究開発に従事。2003年、ソニー入社。近年は3次元音響符号化システムの研究開発とMPEG-H 3D Audio標準化活動に従事。ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/Audio小委員会 幹事(2012年11月~)。ARIB音声符号化方式作業班 委員(2007年7月~)。2014年、第62回電気科学技術奨励賞及び電気科学技術奨励会会長賞 各受賞。2016年、第24回日本音響学会技術開発賞及び経済産業省国際標準化貢献者表彰 各受賞。

山本 優樹様講師:山本 優樹(ソニー株式会社)
【略歴】2008年東京工業大学総合理工学研究科物理情報システム専攻博士前期課程修了。同年、ソニー(株)入社。以来、音声音響を対象とした機械学習、信号処理、符号化技術の研究開発に従事。2010年よりMPEG Audio標準化活動に参画し、MPEG-D USAC、MPEG-H 3D Audioの国際標準化に携わる。近年は3次元音響符号化システムの研究開発に従事。

セッション3 14:50-15:30

MPEG-7標準の最新動向と技術
~画像・映像検索のためのVideo Signature、CDVS、CDVA~


MPEG-7は、画像・映像コンテンツを検索するためのメタデータ体系を規定する規格であり、その中で様々な検索用途に合わせて画像・映像のビジュアル特徴量の標準化を行っている。本セミナーでは、MPEG-7で近年進めてきた標準化プロジェクトとして、映像の複製を識別するためのMPEG-7 Video Signature(2010年発行)、画像に映る実世界物体を検索するためのMPEG-7 CDVS(2015年発行)、そして大規模映像から物体・シーンを検索するためのMPEG-7 CDVA(標準化審議中)について、その動向および採用されているビジュアル特徴量技術を解説する。

岩元 浩太様講師:岩元 浩太(日本電気株式会社、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/SYSTEMS/MPEG-7 SG委員)
【略歴】2003年、早稲田大学大学院理工学研究科電子・情報通信学専攻修士課程修了。同年、日本電気株式会社(NEC)入社。現在、NECデータサイエンス研究所主任研究員。画像・映像認識、画像・映像検索技術の研究開発および事業化、また、ISO/IEC 15938(MPEG-7)のVideo SignatureとCDVS標準化のプロジェクトエディタとして国際標準化活動に従事。2012年、情報処理学会情報規格調査会より標準化貢献賞を受賞。ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/SYSTEMS/MPEG-7 SG委員。

セッション4 15:30-16:10

実用化を迎えたマルチメディア伝送技術MMTの最新動向と今後の展開

2016年8月1日、8Kの超高精細映像を提供する衛星放送の試験放送が世界に先駆けて開始され、リオオリンピックの感動を日本に伝えた。この新たな放送システムは、2014年にMPEGで標準化されたマルチメディア伝送技術の国際標準であるMMT(MPEG Media Transport)を用いて実現されている。MMTはIPベースの伝送技術であり、放送だけでなく通信でもコンテンツを同じ仕組みで伝送できる。そのため、放送と通信の連携やタブレット端末へのコンテンツ配信が容易に実現できるなど、さまざまなサービスの可能性が開ける。本セミナーでは、8Kの衛星放送として実用化を迎えたMMTの仕組みを述べるとともに、研究開発が進められている通信回線での伝送やさまざまなサービスへの展開について分かりやすく解説する。

青木 秀一様講師:青木 秀一(日本放送協会 放送技術研究所、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/SYSTEMS小委員会幹事)
【略歴】2003年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2013年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。2003年にNHK入局。以来、放送技術研究所にて、IP技術を用いる放送システムの研究開発、ITU-R、MPEGでの国際標準化に従事。現在、スーパーハイビジョン放送システムの研究開発と国内外の標準化を進めている。2010年、日本ITU協会より国際活動奨励賞、2015年、情報規格調査会より国際規格開発賞受賞。SC 29/WG 11/Systems小委員会幹事、ARIB多重化作業班委員。博士(情報理工学)。

休憩 16:10-16:20

セッション5 16:20-17:00

JPEG標準化の最新動向と新たな画像表現

静止画像符号化技術の国際標準化を担当するSC 29/WG 1(JPEG)は、従来のJPEG標準への高い互換性を保ちながら高ダイナミックレンジ画像の符号化に対応するJPEG XTの審議をほぼ完了し、2015年以降、新たな規格の標準化に着手している。本セミナーでは、JPEG XT符号化方式の概説に加えて、高解像度化する画像データを低遅延かつ軽負荷に符号化するためのJPEG XSと、新しい画像表現として近年注目を集めるライトフィールド、360度VR、ポイントクラウド、ホログラフィの各画像データを符号化対象とするJPEG PLENOの最新動向を解説する。

石川 孝明様講師:石川 孝明(早稲田大学、ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1小委員会主査、ISO/IEC JTC 1/SC 29専門委員会委員およびISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11/VIDEO小委員会委員)
【略歴】2005年、早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。2007年、同大学国際情報通信研究センター助手。2010年、同センター招聘研究員、現在に至る。画像符号化の研究と応用開発に従事。2014年よりISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1小委員会主査。SC 29/WG 11/Video小委員会委員。SC 29国内委員会委員。

セッション6 17:00-17:40

8Kフルスペックスーパーハイビジョン圧縮記録装置

8K映像は2Kに比べ、画像ピクセル値で16倍、フレームレートで4倍の情報量を持つ。効率的な8K番組制作を実現するには、8K映像を着脱可能な記録メディアに収録することが求められる。また、8K映像をリアルタイムに圧縮・復号するには、膨大な演算を行う信号処理が必要となる。そこで、比較的演算負荷の小さいJPEG符号化を用いて8K映像を圧縮し、着脱可能な記録メディアに記録する8K圧縮記録装置を試作した。試作した記録装置に関して、8K映像の入出力処理、圧縮・復号信号処理、記録・再生の高速化などについて解説する。

宮下 英一様講師:宮下 英一(日本放送協会 放送技術研究所)
【略歴】1987年、九州大学 総合理工学研究科 高エネルギー物質科学修了。同年、日本放送協会へ入社。宮崎放送局を経て、1990年から、放送技術研究所で、ディジタルVTR、垂直磁気記録の研究に従事し、2012年より8Kフルスペックスーパーハイビジョン記録装置の研究を担当。現在、放送技術研究所テレビ方式研究部の上級研究員。博士(工学)。

セッション7 17:40-18:20

MPEG-4 AVC符号化技術・伝送装置の開発とハイビジョン化への貢献

2000年代前半、従来のSD映像より圧倒的にリアルで高品位なHD映像をテレビ・ビデオなどで活用する要望が高まっていたが、HD機器や映像伝送のコストが問題となっていた。この課題を解決するため、高品質を保ったまま低電力で情報量を大幅に削減するMPEG-4 AVC/H.264映像符号化アルゴリズムと、これに基づく符号化LSI及び映像伝送装置を実用化した。これにより、HD映像の機器・伝送コストの大幅な削減が可能となり、世界規模でのHD映像の普及に貢献した。

中川 章様講師:中川 章(株式会社富士通研究所)
【略歴】1991東京大学工学系研究科修士課程修了。同年、(株)富士通研究所に入社。以来、主として動画像符号化に関するアルゴリズム、国際標準化、LSI/システムの研究開発に従事。2016年、デジタル映像の符号化技術とMPEG-4 AVC/H.264映像伝送装置の実用化によるHD映像普及への貢献で紫綬褒章受章。

閉会挨拶 18:20-18:25

高村 誠之様オーガナイザ:高村 誠之(日本電信電話株式会社、ISO/IEC JTC 1/SC 29専門委員会委員長)
【略歴】1993年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修士課程修了、1996年同博士課程修了、博士(工学)。同年NTT入社。2005年-2006年 スタンフォード大学客員研究員。現在、NTTメディアインテリジェンス研究所 主幹研究員(上席特別研究員)、Picture Coding Symposium国際運営委員、IEEE東京支部・Japan Council理事、画像工学研究専門委員会委員長、特許庁次世代動画像符号化技術動向調査委員、映像情報メディア学会代表代議員・和文論文運営委員会副委員長。2011年よりISO/IEC JTC 1/SC 29専門委員長。『H.265/HEVC教科書』(インプレス社)共編。