(邦訳:ユーザアクティビティからの場所に関する知識発見)
庄 晨熠 国立研究開発法人産業技術総合研究所 研究員 |
[背景]地域におけるユーザ活動がLBSN(Location Based Social Netoworks)に記録され,社会課題を計算科学的なアプローチから解くことが可能に
[問題]ユーザ・地域のインタラクションからの地域に関する知の編纂
[貢献]観光の始め,地域社会の課題を計算社会科学のアプローチから解くためのフレームワークを確立
[問題]ユーザ・地域のインタラクションからの地域に関する知の編纂
[貢献]観光の始め,地域社会の課題を計算社会科学のアプローチから解くためのフレームワークを確立
ブログやSNSなどユーザ自らが情報発信を行って生成されるユーザ生成コンテンツは,ユーザアクティビティの記録であり,社会,経済,政治,医療,防災,生活など,多方面における重要な巨大情報資源となっている.これら大量のユーザアクティビティの記録から,地域の特徴や地域における人々の活動のパターンなどに関する知識をいかに効率良く分析し利活用するかは重要な課題である.本研究の目的は,ユーザ生成コンテンツなどユーザアクティビティのログから,地域に関する知識を発見するための仕組みを研究することであり,以下の成果がまとめられている.
1.ユーザ特徴分析:
地域で活動するユーザの特徴を分析する仕組みを提案している.ユーザの地域熟知度という新しい概念を提唱して,地域・スポットに関する知識の有無・多寡によるユーザ分類手法を提案している.具体的に,地域についてよく知っている住民と知識のあまりない観光客の振る舞いの違いに着目して,ユーザの地域熟知度を推定する3つのモデルとそれに基づく分類手法を提案している:フォロワーなどの友人関係に着目したソーシャルネットワークモデルと,地域への訪問回数・時間に基づく時間モデルおよび訪問場所に基づく空間モデル.SNSに公開されているジオタグ付け画像とそのメタデータを用いた評価実験では,提案手法はユーザを高精度に分類でき,地域に熟知度に応じてスポットを推薦可能であることを示した.
2.地域特徴分析:
地域の特徴を,訪問ユーザの分布を考慮した人気度とその地域の訪問価値の2つの軸から分析する新しいフレームワークを提案している.ユーザ分布を考慮した人気度は1.のユーザ特徴分析モデルを用いて分析するが,地域の訪問価値を,地域活動にて生成されたユーザ生成コンテンツの作者と閲覧者の行動から分析・評価する手法を提案している.また,この手法を応用して,まだ認知度は低いが訪れる価値の高い観光スポットを発見するシステムを開発している.フィールドワークをはじめ,実データを用いて提案手法の有用性と有効性を確認した.
3.ユーザの地域に対する関心度の分析:
異なる地域に対するユーザの関心を分析・学習するモデルを提案している.地域間におけるユーザの移動履歴を対象に,ユーザの移動パターンから地域間の依存関係を推定する手法を提案している.さらに,この手法を用いて地域に対するユーザの関心度を予測するモデルを構築して,北京市におけるタクシーとユーザチェックインの実データを利用して提案手法の有用性と有効性を確認した.
本研究では,ユーザ生成コンテンツに記録されているユーザアクティビティを分析して,地域に関する知識発見手法を提案し,観光や都市計画における応用などを通して提案手法の有用性と有効性を確認した.
1.ユーザ特徴分析:
地域で活動するユーザの特徴を分析する仕組みを提案している.ユーザの地域熟知度という新しい概念を提唱して,地域・スポットに関する知識の有無・多寡によるユーザ分類手法を提案している.具体的に,地域についてよく知っている住民と知識のあまりない観光客の振る舞いの違いに着目して,ユーザの地域熟知度を推定する3つのモデルとそれに基づく分類手法を提案している:フォロワーなどの友人関係に着目したソーシャルネットワークモデルと,地域への訪問回数・時間に基づく時間モデルおよび訪問場所に基づく空間モデル.SNSに公開されているジオタグ付け画像とそのメタデータを用いた評価実験では,提案手法はユーザを高精度に分類でき,地域に熟知度に応じてスポットを推薦可能であることを示した.
2.地域特徴分析:
地域の特徴を,訪問ユーザの分布を考慮した人気度とその地域の訪問価値の2つの軸から分析する新しいフレームワークを提案している.ユーザ分布を考慮した人気度は1.のユーザ特徴分析モデルを用いて分析するが,地域の訪問価値を,地域活動にて生成されたユーザ生成コンテンツの作者と閲覧者の行動から分析・評価する手法を提案している.また,この手法を応用して,まだ認知度は低いが訪れる価値の高い観光スポットを発見するシステムを開発している.フィールドワークをはじめ,実データを用いて提案手法の有用性と有効性を確認した.
3.ユーザの地域に対する関心度の分析:
異なる地域に対するユーザの関心を分析・学習するモデルを提案している.地域間におけるユーザの移動履歴を対象に,ユーザの移動パターンから地域間の依存関係を推定する手法を提案している.さらに,この手法を用いて地域に対するユーザの関心度を予測するモデルを構築して,北京市におけるタクシーとユーザチェックインの実データを利用して提案手法の有用性と有効性を確認した.
本研究では,ユーザ生成コンテンツに記録されているユーザアクティビティを分析して,地域に関する知識発見手法を提案し,観光や都市計画における応用などを通して提案手法の有用性と有効性を確認した.
(2018年5月1日受付)