土田 修平 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 産総研特別研究員 |
[背景]人と移動ロボットを組み合わせたパフォーマンスの広がり
[問題]人と移動ロボットの関係性の未考慮
[貢献]パフォーマンスの作成・練習・提供に着目したシステムを提案・評価
舞台芸術における身体を用いたパフォーマンスでは,身体に加えて,音楽や照明を代表とする舞台装置を用いた演出効果と組み合わせて作成される.近年,ロボティクスの進展に伴い,これら舞台装置が発展し,人と移動する物体を組み合わせたパフォーマンスが行われるようになってきた.しかし,このような人と移動ロボットを組み合わせたパフォーマンスにおいて,移動ロボットとパフォーマや観客としての人との関係性を考慮したシステム構築がされていない.
本研究では,人と移動ロボットが共にパフォーマンスを行う,協調型パフォーマンスの確立を目指し,一般的なパフォーマンスの実施において重要な過程である,パフォーマンスの練習,パフォーマンスの作成,パフォーマンスの提供の3点に着目し,それぞれにおける移動ロボットとパフォーマや観客との関係を考慮したシステムを構築した.
1つ目に,スクリーンにパフォーマの映像を投影し,そのスクリーンをパフォーマのように移動させる練習手法を提案し.プロジェクタによってパフォーマが投影された人型大のスクリーンを移動ロボットや天井に取り付けたカーテンレールを用いてパフォーマのように移動させることで,パフォーマの代わりとして提示する.投影された映像を鏡越しに見ることで振り付けが確認でき,実際のパフォーマと一緒に踊っているような感覚が得られる.また,移動するスクリーンがパフォーマの位置を示すマーカの役割を果たし,適切な距離感を掴むことができる.これにより,実際にパフォーマがいなくても,適切な隊形練習を行うことができると考えられる.
2つ目に,プログラミング知識のない非専門家でも.簡単に移動ロボットを組み込んだ振付を作成できるシステムを提案した.提案システムは,移動ロボットの動作・明滅パターン作成用アプリケーションと移動ロボットの制御システムからなり,主にマウス操作中心に移動ロボットの経路を作成,またパフォーマと移動ロボットの動作を同時に確認できる.パフォーマ自身が自身の動作と移動ロボットの動作の対応を考慮しつつ,インタラクティブにパフォーマンスを作成できる.
3つ目に,光の視覚効果を用いて,物理的な動作を代替するシステムを提案した.提案システムでは.身体パフォーマンスにおいて広く用いられているボールと同じ形状である球体型移動ロボットを想定した.移動性能の高い車輪型の全方位移動ロボット上に球状LEDディスプレイを搭載し,球体特有の動きを観衆に錯覚させる機能をもつ移動ロボットを作製した.プロのパフォーマと球体LEDディスプレイを搭載した移動ロボットを用いたパフォーマンスを作成し,パフォーマ本人とパフォーマンス動画の視聴者からコメントを収集した.
本研究では,人と移動ロボットが共にパフォーマンスを行う,協調型パフォーマンスの確立を目指し,一般的なパフォーマンスの実施において重要な過程である,パフォーマンスの練習,パフォーマンスの作成,パフォーマンスの提供の3点に着目し,それぞれにおける移動ロボットとパフォーマや観客との関係を考慮したシステムを構築した.
1つ目に,スクリーンにパフォーマの映像を投影し,そのスクリーンをパフォーマのように移動させる練習手法を提案し.プロジェクタによってパフォーマが投影された人型大のスクリーンを移動ロボットや天井に取り付けたカーテンレールを用いてパフォーマのように移動させることで,パフォーマの代わりとして提示する.投影された映像を鏡越しに見ることで振り付けが確認でき,実際のパフォーマと一緒に踊っているような感覚が得られる.また,移動するスクリーンがパフォーマの位置を示すマーカの役割を果たし,適切な距離感を掴むことができる.これにより,実際にパフォーマがいなくても,適切な隊形練習を行うことができると考えられる.
2つ目に,プログラミング知識のない非専門家でも.簡単に移動ロボットを組み込んだ振付を作成できるシステムを提案した.提案システムは,移動ロボットの動作・明滅パターン作成用アプリケーションと移動ロボットの制御システムからなり,主にマウス操作中心に移動ロボットの経路を作成,またパフォーマと移動ロボットの動作を同時に確認できる.パフォーマ自身が自身の動作と移動ロボットの動作の対応を考慮しつつ,インタラクティブにパフォーマンスを作成できる.
3つ目に,光の視覚効果を用いて,物理的な動作を代替するシステムを提案した.提案システムでは.身体パフォーマンスにおいて広く用いられているボールと同じ形状である球体型移動ロボットを想定した.移動性能の高い車輪型の全方位移動ロボット上に球状LEDディスプレイを搭載し,球体特有の動きを観衆に錯覚させる機能をもつ移動ロボットを作製した.プロのパフォーマと球体LEDディスプレイを搭載した移動ロボットを用いたパフォーマンスを作成し,パフォーマ本人とパフォーマンス動画の視聴者からコメントを収集した.
(2017年5月30日受付)