岩田 麻佑 KDDI(株) |
[背景]子供によるWeb閲覧・Web検索の広がりとその難しさ
[問題]子供の興味をひき分かりやすい形式での情報の提示
[貢献]子供向けWebブラウザや検索結果のリランク手法の提案
[問題]子供の興味をひき分かりやすい形式での情報の提示
[貢献]子供向けWebブラウザや検索結果のリランク手法の提案
インターネット環境の普及により,小学生を始めとする子供がWeb上の情報を閲覧することが一般的となっている.さらに,情報を閲覧するだけでなく,Web検索を用いて,Web上の必要な情報を自ら探す子供も増えている.しかし,難解な文章を苦手とし,画像を好むというような子供の特徴を考慮したWebシステムはほとんど存在しないため,現状では子供がWebを十分快適に利用できる環境が整っているとはいえない.具体的には,多数のWebページが一般向けに作成されており,Web上には,子供にとって理解が難しく,面白みに欠ける情報が大多数を占めている.そのような中で,自分の必要とする情報を探す必要があるが,子供は,検索要求を表す検索クエリを入力したり,検索結果のランキングから必要な情報を選択することを苦手とする.
そこで本研究では,学校の宿題などでWebを利用すると考えられる6才から12才の小学生を中心とした子供を対象とし,子供にとって興味をひき,分かりやすい形式でWeb上の情報を取得できるように,子供によるWeb閲覧・Web検索の支援を行う機構について議論した.具体的には以下の3つの研究課題について取り組んだ.
1つ目の研究課題では,Webページの表示形式を改善することで,Web閲覧の支援を行うため,子供の能力や嗜好を考慮し,子供にとって興味をひき,分かりやすいWebページ提示を実現する子供向けWebブラウザを提案した.提案ブラウザでは,Webページのコンテンツを泡メタファを用いて表示することで,コンテンツの情報を泡の色やサイズなどに反映し,視覚的な情報として伝える.さらに,コンテンツの詳細内容は絵本形式に変換して提示する.これにより,子供が一般向けWebページを興味を持って,分かりやすく閲覧することが可能となる.
2つ目の研究課題では,Web検索結果を改善することで,Web検索の支援を行うため,検索エンジンの検索結果を子供向けにリランクする手法を提案した.提案手法では,ページ中の画像量や文章量などのWebページの構成に関する指標,子供向け表現や難解表現の出現数などのWebページの文章に関する指標に基づいてWebページの子供向け度合いをスコア化し,リランクを行う.これにより,子供向けのWebページほど検索結果の上位にランクされるため,子供はランキング下位まで探す手間なしに,読みたい,分かりやすいWebページを得ることができる.
3つ目の研究課題では,Web検索方法を改善することで,Web検索の支援を行うため,検索クエリに関する子供にとって重要なサブトピックの調査を行い,子供向けサブトピックランキング手法を提案した.サブトピックとは,検索クエリを具体化するキーワードで,クエリ“沖縄”では“歴史”,“食物”などがサブトピックとして考えられる.子供向けサブトピックの特定に必要な要素を明らかにするため,Wikipediaや検索エンジンなどの複数のソースから抽出したサブトピックを子供にスコア付けしてもらい,調査を行った.そして,調査結果に基づき,取得ソースの種類やサブトピックの難易度を元に,サブトピックを子供向け度合いの降順に並べるサブトピックランキング手法について検討した.これにより,子供にとって調べたい,分かりやすいサブトピックを容易に得ることができる.
以上のように,本研究では,子供の興味をひき,子供にとって分かりやすい形式で情報を得ることのできるWeb閲覧・Web検索の実現に取り組んだ.
そこで本研究では,学校の宿題などでWebを利用すると考えられる6才から12才の小学生を中心とした子供を対象とし,子供にとって興味をひき,分かりやすい形式でWeb上の情報を取得できるように,子供によるWeb閲覧・Web検索の支援を行う機構について議論した.具体的には以下の3つの研究課題について取り組んだ.
1つ目の研究課題では,Webページの表示形式を改善することで,Web閲覧の支援を行うため,子供の能力や嗜好を考慮し,子供にとって興味をひき,分かりやすいWebページ提示を実現する子供向けWebブラウザを提案した.提案ブラウザでは,Webページのコンテンツを泡メタファを用いて表示することで,コンテンツの情報を泡の色やサイズなどに反映し,視覚的な情報として伝える.さらに,コンテンツの詳細内容は絵本形式に変換して提示する.これにより,子供が一般向けWebページを興味を持って,分かりやすく閲覧することが可能となる.
2つ目の研究課題では,Web検索結果を改善することで,Web検索の支援を行うため,検索エンジンの検索結果を子供向けにリランクする手法を提案した.提案手法では,ページ中の画像量や文章量などのWebページの構成に関する指標,子供向け表現や難解表現の出現数などのWebページの文章に関する指標に基づいてWebページの子供向け度合いをスコア化し,リランクを行う.これにより,子供向けのWebページほど検索結果の上位にランクされるため,子供はランキング下位まで探す手間なしに,読みたい,分かりやすいWebページを得ることができる.
3つ目の研究課題では,Web検索方法を改善することで,Web検索の支援を行うため,検索クエリに関する子供にとって重要なサブトピックの調査を行い,子供向けサブトピックランキング手法を提案した.サブトピックとは,検索クエリを具体化するキーワードで,クエリ“沖縄”では“歴史”,“食物”などがサブトピックとして考えられる.子供向けサブトピックの特定に必要な要素を明らかにするため,Wikipediaや検索エンジンなどの複数のソースから抽出したサブトピックを子供にスコア付けしてもらい,調査を行った.そして,調査結果に基づき,取得ソースの種類やサブトピックの難易度を元に,サブトピックを子供向け度合いの降順に並べるサブトピックランキング手法について検討した.これにより,子供にとって調べたい,分かりやすいサブトピックを容易に得ることができる.
以上のように,本研究では,子供の興味をひき,子供にとって分かりやすい形式で情報を得ることのできるWeb閲覧・Web検索の実現に取り組んだ.

子供向けWebブラウザとWeb検索結果の子供向けリランク手法
(2013年5月31日受付)