【セッション概要】現代社会では、デジタル化や都市化の進展とともに、人々の暮らしが便利になる一方で、孤立や分断といった新たな課題も顕在化しています。こうした中で注目されているのが、心身の健康だけでなく、社会的つながりや自己実現を含めた「ウェルビーイング(well-being)」の概念です。 本シンポジウムでは、健康情報などのパーソナルデータの活用によって、人々の生活や感情、行動を高精度に推定・把握し、心のケアや社会的孤立の解消をいかに支援できるかに焦点を当て、「人と人のつながり」を核に据えた未来社会の在り方を多角的に議論します。データ活用、テクノロジー、医療、福祉などの第一線の研究者を招き、対話を通じて“つながりを育む仕組み”や“誰もが安心して暮らせる社会づくり”を模索します。ウェルビーイングとは何か、人間らしい社会とは何か。ともに考え、行動を始める場となることを目指します。
【略歴】京都橘大学工学部情報工学科・教授・情報学研究科長。大阪大学・特任教授・兼務。1984年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了。工学博士。1999年大阪大学教授、2002年同情報科学研究科教授。2021年京都橘大学工学部教授。モバイルコンピューティングやサイバー・フィジカル・システムに関する研究に従事。文部科学省「Society 5.0実現化研究拠点支援事業」研究開発課題責任者。情報処理学会元副会長。JST さきがけ「ICT基盤強化」研究総括。
【講演概要】本講演では、個人の健康・生活データ(PLR)を安全かつ公正に流通させるためのデータ取引市場 MYPLR® の実現に向けた取り組みを紹介する 。個人情報保護法に準拠したデータ流通フレームワーク、基盤システム開発に加え、撤回権付き包括同意手順の評価・改善やPIAの考え方を取り入れた「信頼できるデータ流通」枠組み検討を進めている 。高齢者見守りなどの社会実装プロジェクトとの連携実証を通じて、PLRデータの付加価値向上と社会実装事例の開拓を目指す 。
【略歴】黎明期のインターネットとオブジェクト指向に魅せられ、その応用としてのマルチメディア情報システムのアーキテクチャの研究に従事.研究の社会実装を通じてアーキテクチャを研究するというスタイルを取る.現在は,青森との2拠点生活で異なる地域課題の解決と人材育成に取り組む.
【講演概要】コロナ禍により働き方や生活スタイルが大変革し,また,ChatGPT の出現によりAIがコミュニケーション相手となるなど,我々の暮らす社会は大きく変わりつつある。特に、これらの変化は、人と人のつながりの希薄化を生み出しているのかもしれない。本講演では、「人と人のつながり」に焦点を当て、2018 年度に文部科学省から受託したSociety 5.0 実現化研究拠点支援事業「ライフデザイン・イノベーション研究拠点(iLDi)」で推進する3つのソルーションプロジェクトを紹介する。
【略歴】1985年大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程了。工学博士。2003年大阪大学産業科学研究所教授、2012年同研究所長、2015年から2019年まで大阪大学理事・副学長(研究、産学共創、リスク、図書館担当)を経て、2025年4月よりD3センターライフデザイン・イノベーション研究拠点本部長・特任教授。JST創発的研究支援事業、先端国際共同研究推進事業、経済安全保障重要技術育成プログラムのプログラムオフィサー、AMED臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業プログラムオフィサー。データ取引市場MYPLRを運用する(一社)データビリティコンソーシアム代表理事。
【講演概要】東海国立大学機構健康医療ライフデザイン統合研究教育拠点(C-REX)では、人の幸せ、社会の幸せ、そしてwell-beingを目指すデータ駆動型事業を展開している。ここでは信頼できる健康医療データ基盤を構築し、英語の「Life」にある3つの意味、「いのち」、「生活」、「人生」のそれぞれを対象にデザインした研究教育を統合的に行うことで、社会的課題を解決して人と社会に貢献してきた。本講演では、愛知県を中心に推進してきた、健常人に対しては健康と幸せの最大化を、患者、介護サービス利用者、障害者らに対しては当たり前のことが当たり前に行えるよう、ハンディーキャップの最小化をそれぞれ目指すwell-being向上に向けての取り組みを紹介する。
【略歴】1992年名古屋大学大学院医学研究科修了。社会保険中京病院、国立長寿医療研究センターを経て、1996年名古屋大学医学部脳神経外科助手、1999年同大学院医学系研究科遺伝子治療学助教授、2010年同医学部附属病院脳卒中医療管理センター長、2012年同医学部附属病院先端医療臨床研究支援センター長、2022年同医学部附属病院先端医療開発部部長、2025年3月退任。2025年4月より同大学院医学系研究科附属健康医療ライフデザイン統合研究教育センター特任教授。
【講演概要】情報技術が高度化し日常生活に浸透する中で、人と人とのコミュニケーションの在り方も変わりつつあります。とくにAIは、孤独感の緩和など人を支える一方で、過度な依存や関係性の希薄化を招く可能性もあります。本講演では、この二面性を踏まえ、AIや情報技術をどのように設計すれば人と人のつながりを橋渡しし、深められるのかを考えます。具体的には、メンタルヘルスケアにおけるケア者と患者のコミュニケーション支援の事例を通じて、その可能性と課題を議論します。
【略歴】2001年 京都大学情報学研究科数理工学修士課程修了.同年にNTT入社.コミュニケーション科学基礎研究所に配属.2006年 京都大学情報学研究科社会情報学専攻博士後期課程修了.博士(情報学).2024年12月末にNTTを退社し,現在,京都大学情報学研究科社会情報学専攻 教授.ウェルビーイングの向上,インクルーシブな社会の実現に向けた情報技術の研究開発に従事.
【講演概要】テクノロジーを通じた身体能力の拡張は、身体の制約を突破し、現在の社会における「障害」の当事者に新たな社会参画や活躍の可能性を提供する。本講演では、ムーンショット研究開発事業・目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(Project Cybernetic being)における研究活動を中心に、当事者との共創により生み出される新たな「身体」の可能性について紹介する。
【略歴】2005年東京大学工学部計数工学科卒業、2010年同大学院情報理工学系研究科博士課程修了、博士(情報理工学)。KMD Embodied Media Projectを主宰し、身体的経験を共有・創造・拡張する身体性メディアの研究開発と社会実装、Haptic Design Project を通じた触覚デザインの普及展開を推進。日本学術会議若手アカデミー幹事、テレイグジスタンス株式会社技術顧問、科学技術振興機構ムーンショット型研究開発事業・目標1「Project Cybernetic being」プロジェクトマネージャー。
【略歴】京都橘大学工学部情報工学科・教授・情報学研究科長。大阪大学・特任教授・兼務。1984年大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了。工学博士。1999年大阪大学教授、2002年同情報科学研究科教授。2021年京都橘大学工学部教授。モバイルコンピューティングやサイバー・フィジカル・システムに関する研究に従事。文部科学省「Society 5.0実現化研究拠点支援事業」研究開発課題責任者。情報処理学会元副会長。JST さきがけ「ICT基盤強化」研究総括。
【略歴】2006年慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。博士(工学)。同大助手、九州大学助教、奈良先端大准教授を経て、2019年より九州大学大学院システム情報科学研究院教授。人に寄り添う情報システムを実現するため IoTとAIによる行動認識技術、心理学などを含めた行動変容支援技術に関する研究に従事。