情報処理学会 第88回全国大会

5ZK-09
手話会話を伴う並列歩行中の視線行動の特徴― 視線計測による探索的事例分析 ―
○蕪木杏優,阪田真己子,飯尾尊優,出口修大(同志社大),白澤麻弓(筑波技術大)
手話での歩行会話は、相手の顔や手話、安全確認などの視覚的注意が必要である。先行研究では手話での歩行が不安定になること示されたが、その際の具体的な視線配分は不明であった(Jones,2023)。本研究では、ろう者と聴者による歩きながら手話で会話する際の視線行動を計測した。結果、ろう者は自身が「話し手」となる局面に、前方に視線を向け、安全確認を行う合理的方略を用いていた。対照的に聴者は、視線を外す際に相手の身体周辺を見る傾向が強かった。この「相手の方向を向きつつ視線を逸らす」聴者の行動は、視線回避(gaze aversion)という聴覚言語話者特有のコミュニケーション習慣が影響していると推察される。