5F-04
医療診断AIの導入に対する障壁と受容性 -薬剤耐性対策の観点から-
○伊東 啓(長崎大),和田崇之(大阪公立大),一ノ瀬元喜(静岡大),谷本 潤(九大),吉村 仁,山本太郎(長崎大),守田 智(静岡大)
薬剤耐性菌の出現と拡散は、公衆衛生上の深刻な課題である。その主要因の一つは抗菌薬の過剰使用であり、対策が急務となっている。本研究では、8つの国・地域の一般市民計約4万人を対象としたWeb調査を実施し、「世界的な耐性菌の拡大を防ぐために抗菌薬の処方を抑制する診断AI」と「患者個人のみを優先して抗菌薬を処方する診断AI」のいずれの普及を望むかを尋ねた。結果、各国・地域の過半数の回答者が後者を選び、特に若年層や女性でその傾向が有意に見られた。この結果は、AIの普及を阻むのは技術的限界だけではなく、人々の価値観や倫理観に根ざした障壁であることを明らかにしている。