2ZM-02
日本歌謡曲の歌詞における作詞スタイルの比較研究
○斎藤涼太,河瀬彰宏(同志社大)
本研究の目的は,日本歌謡曲における特定の作詞家のスタイルが,同時代の主流楽曲と比較してどのような普遍性と特殊性を持つかを明らかにすることである.本研究では,代表的ヒットメーカである秋元康氏を取り上げ,1981-2025年の作詞曲4,330曲とオリコン年鑑の上位曲4,091曲からテキストコーパスを構築した.語彙多様性,構文パターン,音韻的特徴,意味埋め込み空間の分布などの指標に基づき,両者の類似点・相違点を検討した.その結果,両者に弱い音韻傾向や共通した意味空間が見られる一方で,秋元作品は通時的に語彙多様性が高く,意味ベクトルの重心が主流曲からわずかに逸脱しており,共通基盤を保ちながら独自の表現を有していることを明らかにした.