情報処理学会 第88回全国大会

2P-06
Webコミックにおける横スクロールの可能性-縦スクロールとの対比-
○瀬川陽々香(兵庫県大)
本研究は、ウェブマンガにおけるスクロール形式と視線移動の関係性を、日本の文化的・歴史的背景から検討するものである。現在、スマートフォンや PC で閲覧されるウェブコンテンツの多くは横書き・縦スクロール形式を採用しており、ウェブマンガにおいても縦に連続して読む Webtoon形式が一般化している。しかし、日本語は縦書き文化を持ち、視線は右上から左下へと移動する構造を持つため、横スクロール形式との親和性が高い可能性がある。日本の漫画も縦書きを基本とし、右開き・右から左への視線移動に基づく構造となっている。さらに、絵と縦書き文字を組み合わせて右から左へ展開される絵巻物は、現代の横スクロール型マンガと形式的に類似している。これらの点から、日本の視線文化においては、横スクロール形式がより自然で没入しやすい閲覧体験をもたらす可能性がある。本研究では、これらの仮説をもとに、スクロール方向と読者の視線移動との親和性について、文化的視点からの考察を行う。