【セッション概要】近年、アジャイル開発を採用する企業・団体が急増しているが、外注を行う・受ける際に契約をどのように締結するのかが悩みの一つとなっている。行政においてもアジャイルを推進するにあたりいくつかの障害が起こっている。「情報処理に関する法的問題」研究グループ(略称LIP)では、2015年の設立時からアジャイル開発に相応しい契約の在り方を検討し、2020年にはモデル契約を発表した。モデル契約の発表から約4年が経過し、その使用例も耳にするようになったが、依然として契約締結や偽装請負の問題が障害となってアジャイル開発に踏み出せない企業・団体も多いと聞く。そこで、今般、LIPでは、アジャイル開発のユーザ・ベンダに対して、アジャイル開発における契約種別の選択、モデル契約の利用状況、契約締結上の課題などについてアンケートを行い、プレセミナーを行った。これらの結果を報告するとともに、弁護士から見たアジャイルについてトークセッションを行う。また、行政におけるアジャイル推進の障害と突破口についてのトークセッションも行う
【略歴】東京都に生まれる.慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業,同大学大学院理工学研究科計算機科学専攻博士課程修了,博士(工学).現在,上智大学理工学部教授.放送大学客員教授.日本学術会議連携委員.情報教育、医療情報学、自然言語処理の研究に従事.主な著書:チューリングの計算理論入門,シャノンの情報理論入門(講談社ブルーバックス),計算の科学と手引き('19),計算事始め('13)および情報科学の基礎('07)(放送大学教科書).
【講演概要】2024年3月に行政情報システム研究所が公開した、東京都を対象とするアジャイル開発の事例研究レポートでは、行政機関が本格的にアジャイル開発に取り組むための様々な課題が指摘された。
その後、LIPメンバーを中核とする産官学の有志によって、行政機関の職員がそうした課題を克服し、アジャイル開発をはじめとする“フレームワークを用いた課題解決”に取り組むための実践的な知見を提供するポータルサイトを創る活動が進められている。
本講演では、この活動における様々な新機軸の取組について、現在までの成果と今後の展望を解説する。その上で、それを題材に、今後、行政機関に提供すべきナレッジのあり方を議論し、活動にフィードバックしていくことを目指す。
【略歴】中央官庁、大手シンクタンク等を経て現職。行政機関や企業の業務・システム改革、デジタル・ガバメントに関する調査研究に長年携わる。立命館アジア太平洋大准教授、事業構想大院客員教授、筑波大学発ベンチャーD’s Link取締役CEO、福井県DX推進アドバイザー、調布市デジタル行政推進アドバイザーなども務める。博士(システムズ・マネジメント)。著書に「自治体職員のための入門デジタル技術活用法」。
【略歴】富士通株式会社でアジャイル開発の支援を長年担当している。2006年に社内でアジャイルコミュニティを作り普及活動を実施してきた。2011年から現在まで技術支援部門でアジャイル支援活動に従事している。社外の様々なアジャイルコミュニティにも参加し、日本でのアジャイルの潮流を長年肌で感じてきた。趣味はジャグリングの普及活動。「ジャグリングは見るよりやる方が100倍面白いですよ」
【略歴】生保IT子会社にて生命保険分野のシステム開発にプロジェクトマネージャとして長年従事.2015年よりアジャイル開発,新規事業サービスデザインなどを社内で推進.その後クラウドサービスベンダーを経て,アジャイル・クラウド開発を通じて競争力のあるビジネス創出や働き方の改革を推し進めたい思いから2019年9月AgilityDesign(株)を設立.組織へのアジャイル導入支援や女性リーダー育成支援を行う.アジャイル経営カンファレンス実行委員長,AgileJapan2020実行委員長
【略歴】2005年頃からエクストリームプログラミングを開発現場で実践.2010年には「価値創造契約」を提唱.
現在はアジャイルコーチとして「まっとうなアジャイル開発」を標榜して日々コンサルティング・コーチング活動に従事.自動車メーカー,医療機器メーカー,通信キャリア,金融機関などのDXを推進.
監訳書に『アジャイルプラクティス』(オーム社),『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』(オライリー)がある.
【略歴】日立製作所で大規模ソフトウェア製品の品質保証,ソフトウェア生産技術などを担当.2018年より青山学院大学で教育・研究活動.社会人向けの教育プログラムADPISA運営.博士(情報学).主な著書:「アジャイル開発のプロジェクトマネジメントと品質マネジメント」(日科技連),「ソフトウェア品質保証の基本」(日科技連)
【略歴】1989年弁護士登録,日本アイ・ビー・エム株式会社法務部,都内法律事務所を経て平成2007年~のぞみ総合法律事務所パートナー,2009年度第二東京弁護士会副会長,平成2010年9月~2012年8月日本弁護士連合会事務次長,現在,情報処理学会LIP所属,総務省情報通信審議会委員,アスクル㈱社外取締役,出光興産㈱社外監査役、日立astemo株式会社社外取締役監査等委員
【講演概要】アジャイル開発を目的とした契約例及びアジャイル開発に関連する裁判例の分析・報告
【略歴】1990年早稲田大学卒業、IT企業勤務
2002年弁護士登録
2019年筑波大学院卒業
【略歴】2014年弁護士登録。同年より国内メーカーにて輸出契約交渉、社内コンプライアンスを担当。2017年より、のぞみ総合法律事務所にて独禁法案件、労働問題、国内訴訟等を多数担当。2019年より、小島国際法律事務所にて、渉外案件、M&A案件を担当。2021年より、中村法律事務所にて、パートナー弁護士として、国内外の企業案件に幅広く対応。2023年7月より、奥川法律事務所にて、各種コンプライアンス対応、不正調査対応の他、技術の輸出に関する安全保障貿易対応等、クライアントのにビジネスにマッチした幅広い企業法務対応を行っている。また、2024年度より、青山学院大学社会情報学部にて非常勤講師を務める。