情報処理学会第87回全国大会 会期:2025年3月13日~15日 会場:立命館大学

〜コンピュータパイオニアが語る〜「私の詩と真実」

日時:2025/3/14(金) 12:40-15:10

会場:第2イベント会場

【セッション概要】情報処理学会歴史特別委員会ではオーラルヒストリのインタビューを進めているが、大先輩のお話は毎回大変示唆に富み印象的なので、これを広く会員の方々、特に若い世代の会員に直接お聞かせ出来ないものかと検討してきた.そして海外の事例なども参考にし、コンピュータパイオニアあるいは情報処理学会会長経験者、またはそれらに相当する経歴の大先輩をお招きして、若い頃の研究生活の思い出や今の若い世代に伝えたい経験談をお話頂く講演会を企画した。なお本講演会は第70回大会から開催しており今回が第17回目となる。

12:40-12:50 司会

旭 寛治(-)

旭 寛治

【略歴】1971年東京大学工学部卒業.同年(株)日立製作所入社.同社基本ソフトウェア本部長,ストレージソリューション本部長,(株)日立テクニカルコミュニケーションズ代表取締役社長等を歴任.
情報処理学会関係では,1999年理事,2005年副会長.現在歴史特別委員会幹事,コンピュータ博物館小委員会主査.本会名誉会員,フェロー.

12:50-13:50 講演(1) インターネット黎明期の英国留学で学んだこと

村山 優子(津田塾大学 数学・計算機科学研究所 特任研究員)

村山 優子

【講演概要】1960年代後半から1980年代前半にかけては、コンピュータネットワーク技術研究の黄金時代のひとつで、インターネットの黎明期である。当時、英国University College London、理学部コンピュータサイエンス学科では、インターネット研究を推進し、米国と欧州を結ぶゲートウェイサービスを実施していた。1983年に同学科に留学し、こうした環境で8年間研究することができた。 企業の技術者が研究者となるまでの経験をお話したい。わが国における女性技術者をとりまく社会環境も現在とは大きく違う中、英国留学では多くのものを得ることができた。19世紀後半に米国に留学した津田梅子が理系教育を受けていたことも踏まえ、改めて留学経験やその後のキャリアを振り返ってみたい。

【略歴】1973年津田塾大学学芸学部数学科卒業。企業勤務を経て、University College London留学。1992年博士課程修了。Ph.D. (ロンドン大学)。広島市立大学情報科学部講師、岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授、津田塾大学学芸学部情報科学科教授を経て、津田塾大学数学・計算機科学研究所特任研究員。岩手県立大学名誉教授。専門はインターネット、トラスト、災害情報処理。元IFIP副会長。本会監事、研究会主査等歴任。本会フェロー、名誉会員。

14:00-15:00 講演(2) スパコン開発を振り返る:「京」そして「富岳」

安里 彰(富士通(株)先端技術開発本部システム第一開発部 シニアアーキテクト)

安里 彰

【講演概要】スーパーコンピュータ開発は究極のものづくりと言える.
会社人生の前半を研究部門で過ごした小職にとって,後半に出会ったスパコン開発の現場は刺激に満ちた非常にエキサイティングな場所だった.
本講演では自らの経験を振り返りながら,「研究」と「開発」の違いを切り口に,ものづくりの面白さ,難しさについてお話してみたい.

【略歴】1983年東京大学理学部情報科学科卒業,同年株式会社富士通研究所に入社,
コンピュータアーキテクチャの研究に従事.2007年富士通株式会社に異動,
スーパーコンピュータ「京」のインタコネクトLSI開発責任者,「富岳」の
CPUコデザイン責任者等を歴任.
2021年同社を定年退職,引き続き嘱託として同社勤務.
電子情報通信学会フェロー.