7T-07
加齢性難聴に対する音声明瞭度改善を目的とした声質変換の有効性検証
○大谷蒼太,武田 龍,駒谷和範(阪大)
補聴器は音量の増幅やノイズ除去により,加齢性難聴者の聞こえを改善する.しかし,声質によっては補聴器による聞こえの改善が十分に見込めない.本研究では,声質変換による聞こえの改善の有効性を検証する.まず,難聴者の聴覚特性の再現下で,音声明瞭度指標STOIを用いて明瞭度の測定を行い,高明瞭度の声質を特定する.次に,高明瞭度の音声を声質変換モデルで学習し,低明瞭度の音声の変換を行う.この声質変換によって,音声明瞭度の改善が期待される.評価では,難聴者の聴覚特性下で声質変換前後の明瞭度の変化を確認するとともに,明瞭度が異なる要因を周波数領域で分析し,声質変換の有効性を明らかにする.