情報処理学会 第87回全国大会

7M-03
大規模言語モデルを用いた会話集団における社会的相互作用と文化進化
○浅野誉子,鈴木麗璽,有田隆也(名大)
LLMに基づく会話エージェント間の相互作用による集団形成と文化進化を理解するための構成論的モデルを構築した.エージェントは親密度を近さで表現する空間に配置され,不変の遺伝形質(ポジティブ・ネガティブな英単語)と親しい相手の発話文から得る文化形質を持つ.各自,LLMで生成した遺伝形質と文化形質に関する文を発話し,近傍相手との発話文の類似度に応じて接近離反を繰り返す.実験からポジティブエージェントはグループ化し,ネガティブエージェントはグループ間を移動する傾向が観察できた.文化形質伝達は,共有文化形質の出現,発話文の語数増加や意味ベクトル分布の多方向への広がりなどの多様化を促進することが判明した.