情報処理学会 第87回全国大会

5F-07
医療分野の機械翻訳による訳文評価ーICHガイドライン和訳との比較
○本村裕美子(東大)
近年、AI機械翻訳の発展に伴い、医療分野でも機械翻訳の利用が増加してきた。機械翻訳が出力した文章をポストエディットする実務は案件数・量ともに増してきている。医療分野の翻訳は高度な専門知識を要することから、訳文の正確性や専門用語などについては様々な専門家の評価を経て最終化される。ポストエディット後の訳文も人手による訳文と同等のクオリティが要求される。本稿では人手による翻訳文が公開されているICHガイドラインの文面をGoogle Translate, DeepL, NICT TexTraで訳出した後、ポストエディットが必要な箇所を指摘し比較考察する。評価の結果、文書の目的・性質、各文の意図・文脈を考慮した上で訳出を調整する必要があった。医薬分野の中でも更に細分化された分野への適応と、文書毎或いはクライアント別の対応を要する箇所にポストエディットが必要であったと言える。