情報処理学会 第87回全国大会

5C-01
LLMによるアンケート結果を用いた人物属性情報が回答に与える影響と模倣力の調査
○和田純範,日室聡仁,前田周也(NECソリューションイノベータ)
近年の生成系AI技術の進展に伴い,大規模言語モデル(LLM等)の利用法が多様化している.
従来は,LLMに対し適切な回答を求めるための技術が発展し,RAGなどの外部情報をLLMに提供する方法が多く開発されてきた.
しかし最近では,多様なアイディア生成や会話シミュレーションといった,人間の思考を拡張する研究が増加している.
本研究では,LLMに特定の人物の属性情報を設定することにより,人間の反応を模倣する技術について検証を行った.
実験の結果,属性情報を設定した場合,設定しなかった場合に比べて人間の回答により近い回答が生成されることが確認された.
本研究は,LLMを用いたリアルなシミュレーション技術の可能性を示しており,検証コストの削減や研究効率の向上に寄与することが示唆される.