4ZK-04
3次元データを用いたエジプト古代壁画片の仮想接合作業システム
○中内海輝,吹田真里子,鶴田浩章(関西大),肥後時尚(筑波大),末森 薫(国立民族学博物館),安室喜弘(関西大)
エジプト・サッカラ遺跡にあるイドゥートのマスタバ墓の地下埋葬室には,約4400年前の彩色を今に伝える壁画が残っているが,劣化による断片化と剥落が問題であった.壁画片は持ち出せないため,壁画片や壁面の実物大写真を用いて復元案が作成されてきたが,それぞれの立体形状を考慮した接合は行えない.本研究では携帯端末のLiDARで取得した壁面および壁画片の3次元データを用い,ゲームエンジン内で物理シミュレーションを実行しながら,同時に複数の壁画片を操作することで復元を試みた.紙面に印刷した壁画片の座標をカメラ映像で入力することで,壁画の復元作業をパズル感覚で試行でき,試案を比較再現可能なシステムを開発した.