情報処理学会 第87回全国大会

4M-03
数理形態学を用いた株価のチャートスクリーニング
○山口 凜,井戸川知之(芝浦工大)
本研究では, 株価のテクニカル分析の一環として, 数理形態学を活用したチャートスクリーニング手法を提案する. 従来, 複雑なチャート形状を抽出するためには目視による確認が必要であったが, 数理形態学による前処理を行うことで効率的に抽出できると考えた. 今回は, カップウィズハンドルと呼ばれる形状を対象とする. U字型およびV字型の非平坦な構造要素を用いてチャートのクロージング処理を実施し, その結果の極大値・極小値を基に形状を特定した. 4262銘柄を対象に調査を行った結果, いくつかの該当するパターンが検出された. 本手法は, 複雑なチャートパターンの効率的な検出を可能にし, 今後さらなる形状分析にも応用可能であると考える.