2ZE-03
圧縮センシングを活用した準同型暗号文の通信量削減
○泉 湖雪,松本茉倫,小口正人(お茶の水女子大)
準同型暗号は他のほとんどの暗号では不可能な暗号文同士の加算や乗算が可能であり,データを秘匿したままで分析し活用可能な技術の一つである.
準同型暗号の応用例としては暗号化データベースや暗号化回帰分析が挙げられる.
クライアントが暗号化したデータをデータベースサーバで集計/分析し,データ分析者は集計/分析結果だけを得られるようになる.
しかしながら,このようなアプリケーションを想定した場合,準同型暗号は平文に比べ暗号文サイズが大きいため,クライアント・データベースサーバ間の通信量が大きくなる.
本研究では辞書を用いた圧縮センシングによる通信量削減を提案する.
評価の結果,圧縮率を50%に設定した場合は提案手法は圧縮せずに送信した場合に比べて50%通信量を削減できることを示した.
また,精度の評価によって圧縮・復元したデータの有用性を示した.