2ZD-05
シンドローム復号問題を愚直に計算する2つの量子アルゴリズムの比較
○杉山陽香,多田 充(千葉大)
符号ベース暗号系とは,シンドローム復号問題(SDP)という誤り訂正符号におけるシンドロームから誤りベクトルを特定する問題の計算困難性に安全性の根拠を求める暗号系である。SDPを解く効率的なアルゴリズムとしてISDアルゴリズムがあり,現在,最も効率的にSDPを解くと言われるアルゴリズムのクラスと言われている。ISDアルゴリズムについては,古典だけでなく量子アルゴリズムについても多く研究されているが,本論文ではSDPの定義に基づく愚直なアルゴリズムについて,与えられたハミング重みを持つ全てのベクトルの重ね合わせ状態であるDicke状態を用いた場合と用いない場合について,そのアルゴリズムの構成および比較を行う。