2W-03
初期解に過去の製品データを活用するMOEA/Dアルゴリズムに関する検討
○安藤正一郎(法大)
進化型多目的最適化アルゴリズムは, 多目的最適化問題を解く手法として広く研究され, 特にNSGA-ⅡやMOEA/Dは代表的なアルゴリズムである.
先行研究では, 過去に求めた非劣解の一部を活用して初期解を生成する手法が提案され, NSGA-Ⅱを用いた実験が行われた. しかし, NSGA-Ⅱの各個体にランクを付け、ランクの低い個体から選択するソート方法が原因で, 一部の条件下で解探索性能の悪化が観測された.
本研究では, 先行研究で報告された解探索性能の悪化について, その再現性をMOEA/Dを用いて検証した. 結果として, MOEA/Dで定義されるスカラー化関数や近傍と呼ばれるものが原因で, NSGA-Ⅱのときとは異なる一部の条件下での解探索性能の悪化が観測された.