花押とは古文書等に記されている、人物固有の署名（サイン）である。花押は血縁関係を反映したデザインや経年による変化といった特徴を持つことから、文書の年代や筆者の推定に用いられている。発表者らはこれまで、上述した推定作業の補助として花押に関する画像検索システムを構築してきたが、検索性能には改善の余地があった。このことから本研究では、既存のCNNと近似最近傍探索を組み合わせた検索手法に対して、ファインチューニングを適用して改善を試みた。比較実験としてファインチューニングの前後で検索結果を比較し、再現率・適合率・F値の変化を確認している。