情報処理学会 第87回全国大会

1X-07
発散の概念を利用した歩行者の移動情報に基づく群衆の危険度の定量化
○中山晴斗(筑波大),栗田多喜夫,大西正輝(産総研)
大規模イベントの運営において,混雑の発生は参加者の安全や快適性に重大な影響を及ぼす.そのため,過去の混雑状況を分析し,慎重に対策を講じる必要がある.一般的な混雑度の指標として人口密度が挙げられるが,同じ人口密度であっても歩行者の行動パターンによって危険度は大きく異なる.したがって,危険度には歩行者の移動情報を組み込んだ精緻な定量化が求められる.本稿では,ベクトル解析における発散の概念を利用し,各地点での歩行者の流入量と流出量の差を表す指標を用いて危険度を定量化する新たな手法を提案する.また,実環境の計測データで提案手法を評価する.