情報処理学会 第87回全国大会

1G-05
仏教壁画のハイパースペクトル画像に対する視覚特性を考慮した色再現処理と歪み補正処理
○川口拓哉(かたち),末森 薫(国立民族学博物館),安室喜弘,藤原智晴(関西大)
筆者らは、複数の波長情報を含むハイパースペクトル画像を活用し、蝋燭光源下における古代仏教壁画の色の見え方を再現することを目指している。対象とする壁画は、光が届きにくい薄暗い洞窟に描かれており、電気的な光がない時代においては蝋燭などの燃焼光によって照らされていたと考えられる。そこで、蝋燭の分光分布データとハイパースペクトル画像をもとに、色順応の影響を考慮した人間の目の波長感度を示す等色関数を用い、燃焼光下での壁画の色彩を疑似的に再現した。また、ラインセンサーのカメラで取得した撮影画像の幾何学的な歪みを補正し、再現の精度を向上することを試みた。