プログラム

オープニング [13:00-13:05]

西山 博泰(株式会社日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジイノベーションセンタ 主管研究員)

西山博泰氏
【略歴】1993年筑波大学大学院工学研究科電子・情報工学専攻博士課程修了。同年株式会社日立製作所入社。スーパコンピュータ向けコンパイラ、アプリケーション実行基盤、プログラム解析等の研究に従事。近年はIoTプラットホームに関するOSS活動に従事。 博士 (工学)。

セッション1[13:05-13:50]

「データ流通連携基盤とその利活用と課題」

講師:越塚 登(東京大学大学院情報学環)

越塚 登氏
【概要】我が国の経済界や政府が目指すSociety 5.0では、IoTであらゆるモノや人をつなげ、様々な知識や情報を共有し、新しいイノベーションを起こそうと目指しています。一方、人工知能(AI)により、様々なサービスの自動化、高効率化が期待されます。どちらにおいても最も重要な要素が、「データ」です。本講演では、Society 5.0に向けた取組のなかでデータが果たす役割を述べ、必要なデータ戦略がどのようなものかを述べます。またそのために必要なデータ流通やデータ連携のための基盤の姿、特に今SIP事業で進めらているデータ流通連携基盤のプロジェクトに関して説明します。またスマートシティなどにおけるデータ流通連携基盤の利活用や、それら実現する上での様々な課題を説明いたします。

【略歴】1994年東大院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。東工大院情報理工学研究科・助手、東工大院人文社会系研究科・助教授等を経て、2009年より現職。2019年8月より東京大学大学院情報学環長。専門は計算機科学(Computer Science)。特に、IoTやLinked Open Data、Operating System、Block Chainなどの研究に取り組んでいる。

セッション2[14:00-14:45]

「データ流通が産業界の未来を創る」

講師:杉山 恒司(株式会社ウフル IoTイノベーションセンター ディレクター)

杉山恒司氏
【概要】「バーチャルデータ」から「リアルデータ」へとシフトしたデータを巡る競争の主戦場で、モノづくり大国である日本は、非常に有利な位置にあります。ベンチャー企業にてIoT事業を立ち上げ、様々な企業へのアドバイザリー経験や、DTA設立メンバーとしての経験をもとに、円滑なデータ流通に向けた官民の活動状況やDTAの概要、データ利活用ビジネス事例などにについて解説します。

【略歴】NTT本社(分割前)情報システム関連部門及びグループ企業にて約16年間、システムエンジニア、システム営業、新規事業開発等を担当。株式会社ウフルに入社後、IoT事業立ち上げ、IoTイノベーションセンター、IoTパートナーコミュニティ立ち上げ。現在、社外活動としてIoT/Connected Industries/スマートシティ/スーパーシティ/Society5.0/DFFTに関連する各種団体に所属。

セッション3[14:55-15:40]

「宇宙データの利用の可能性「Tellus」について」

講師:松浦 直人(さくらインターネット株式会社 フェロー)

松浦 直人氏
【概要】 世界の宇宙ビジネスは大きく変化しています。衛星やロケットといったハード面のみならず、宇宙インフラから得られるデータの質や量が抜本的に向上しつつある中、これらを利用したソリューション提供の可能性が注目され、既に米国等でもベンチャー企業等を中心に様々な取組が進みつつあります。そんな中、今年の2月、様々な衛星データを自由に使えるオープン&フリーな衛星データプラットフォームTellusがオープンとなりました。本講演では、この「Tellus」が生まれた背景から、現在のTellusの取り組みについて紹介いたします。

【略歴】宇宙航空研究開発機構(JAXA)において、人工衛星の追跡管制や開発業務を経て、衛星データの解析研究や衛星プロジェクトの企画立案業務など20年近く地球観測関連業務に従事するとともに、予算、人事などの管理部門にも携わる。地球観測研究センター長、新事業促進部長などを経て、2019年7月末で退職。8月よりさくらインターネットにおいて、宇宙データプラットフォーム(Tellus:テルース)事業に関する助言、提案ならびに情報を発信中。

セッション4[15:50-16:35]

「情報銀行&地域通貨で地方創生~個人情報の利活用によって地域を元気に~」

講師:納村 哲二(フェリカポケットマーケティング株式会社 代表取締役)

納村哲二氏
【概要】当社では公益性を重んじITを活かして地域活性化に貢献することを目指しております。 日本の各地域では、人口流出よりもお金の流出のほうが先行しかつ深刻な状況であると認識しています。地方創生の鍵は「地域内でお金を回すこと」であると考え、各地域に寄り添った「地域通貨」などのソリューション提供をしています。Society5.0の実現を目指すうえで、「個人データの利活用」もその要素の一つであると考えます。今年7月、情報銀行第一号認定(P認定)を取得いたしました。当社が考える情報銀行とは個人が情報の主導権と選択権を持ち、納得合意の上でパーソナルデータの流通と活用を促すオープンプラットフォームです。 自治体に眠っているデータと個人が所有するデータを合わせることで、新しいサービスや商品の創発、起業の苗床を目指します。本講演では、従来の地域通貨に情報銀行サービスの付加価値を与えることで地域活性化のためにどのような取り組みができるのかご説明いたします。

【略歴】慶應大学卒業後、ソニーへ入社。8年間のヨーロッパ駐在を経て、電池事業部マーケティング課長、一次電池技術部長を務める。その後、フェリカ事業部 国内・海外営業統括部長に就任。日本が誇るFeliCaの先進技術を「もっと地域経済のために生かす事は出来ないか」と考え、2008年に地方を元気にすることへの貢献を目的としたフェリカポケットマーケティング社をソニーの社内ベンチャーとして設立。2014年M&Aによりイオングループ入り。

セッション5[16:45-17:30]

「データ流通とデータ取引市場」

講師:真野 浩(一般社団法人データ流通推進協議会 代表理事/事務局長)

真野 浩氏
【概要】わが国では,IoT・ビッグデータ・AI・ロボットを軸とする第4次産業革命の実現により、2020年までに30兆円の付加価値を創出することを掲げ、内閣官房IT総合戦略室、総務省、経済産業省が、そろってデータ流通・情報流通へ向けた各種制度設計への取り組みを始めています。特に、PDS・情報銀行・データ取引市場といった、情報流通・共有への仕組みづくりの具体的な活動が加速しています。そこで、これら各種委員会の委員をつとめ、自らも世界に先駆けてデータ取引市場の事業化に取り組むエブリセンス代表により、「データ取引市場」の概要と機能を解説します。

【略歴】1993年に無線ルータなどの開発を手がけるルート(株)を設立し、無線通信とインターネットの開発、事業化を推進。IEEE802.11 FIA-SG, TGaiのチェアを務め,平成29年度情報通信技術賞総務大臣表彰を受賞。2014年からエブリセンスを設立し、世界初のデータ取引市場のサービス展開を行う。一社)データ流通推進協議会を設立するとともに、IEEE DTST(Data Trading System Initiative)の活動を開始。

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