情報処理学会 短期集中セミナー

JPEG/MPEG標準化の最新動向2019

~2020年に向けた活動状況~

 
  • 2019年10月31日 webサイト公開
  •     

セミナー日時: 2019年12月13日(金) 10:30~17:00
(受付開始:10:00〜)

セミナー会場: 機械振興会館6階66会議室

交流会: 2019年12月13日(金) 17:15~

交流会会場: 機械振興会館地下3階 ニユートーキヨー


主催:一般社団法人情報処理学会


協賛:一般社団法人電気学会、一般社団法人照明学会、一般社団法人電子情報通信学会、一般社団法人映像情報メディア学会、一般社団法人電子情報技術産業協会(予定)、一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会、公益社団法人日本技術士会、IEEE東京支部

JPEG/MPEG標準化の最新動向2019
~2020年に向けた活動状況~

プログラム

開催概要

 ポストHEVC映像符号化規格VVCや点群符号化規格PCCなど、2020年に多くが標準化されるイマーシブメディア向け規格(MPEG-I)の各パートや その他のJPEG/MPEG国際規格の標準化動向・普及活動状況について10月会合の最新情報を反映しつつ Lightning Talk形式(1件20分程度)により俯瞰的に解説する。

[10:30-10:40]
オープニング

鈴木輝彦氏
鈴木 輝彦(ソニー株式会社、SC29国際議長、SC 29/WG 11/VIDEO小委員会主査)

[10:40-11:05]
JPEG最新標準化動向(ライトフィールドと低遅延画像符号化)

ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 1(JPEG)では、主に画像符号化技術に関する国際規格を審議している。審議中の作業項目は、JPEG 2000符号化方式の拡張、符号化効率の向上に注力する次世代符号化技術、汎用メタデータフォーマットなど多岐にわたる。本セミナーでは、ライトフィールド画像の符号化方式を規定するJPEG Plenoシリーズと、低遅延・軽負荷の符号化方式を規定するJPEG XSシリーズを中心に、JPEGにおける最新の標準化動向を解説する。


石川 孝明(早稲田大学、SC 29/WG 1小委員会主査)
石川孝明氏

【略歴】2005年、早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。2007年、同大学国際情報通信研究センター助手。2010年、同センター招聘研究員、現在に至る。画像符号化の研究と高機能配信サーバ等の応用開発に従事。2014年よりSC 29/WG 1小委員会主査。2014年、経済産業省 国際標準化奨励者表彰 受賞。

[11:10-11:30]
HTJ2K(High Throughput JPEG 2000)の概要と可能性

JPEG 2000の持つEBCOTの処理負荷を解決するべく、新しいブロックコーダがJPEG 2000 Part 15 (HTJ2K)として標準化された。本セミナーでは、HTJ2Kの技術の概要と、画像圧縮分野におけるその可能性について解説する。


渡邊 修(拓殖大学、SC 29/WG 1小委員会委員)
渡邊修氏

【略歴】2004年、東京都立大学大学院工学研究科博士課程修了。同年、拓殖大学工学部助手。2012年、同大学工学部准教授。現在に至る。画像符号化方式およびその応用についての研究に従事。2010年よりSC 29/WG 1小委員会委員。JPEG 2000 Part 15,Part 1 4th Edition エディタ。

[11:30-12:00]
3D AudioとMPEG-I Audioの最新標準化動向

3D Audioは、空間上のあらゆる方向からの音の再生を可能にすることで、これまでにない臨場感を実現している。またスピーカの位置や数に依存しないオブジェクトベース音響は、3D Audioと組み合わせて映画やゲームの分野で使用されており、近年では、放送や音楽の分野においても使用されつつある。本セミナーでは、3D Audioおよびオブジェクトベース音響の解説とそれをベースに自由な視点に対応する再生をターゲットとするMPEG-Iの標準化の最新動向を紹介する。


知念 徹(ソニー株式会社、SC 29/WG 11/AUDIO 小委員会幹事)
知念徹氏

【略歴】1991年、東京都立大学電気工学専攻修士課程修了。同年新日本製鉄(株)入社。以来、音声音響符号化技術に関する研究開発に従事。2003年、ソニー入社。近年は3次元音響符号化システムの研究開発とMPEG Audio標準化活動に従事。SC 29/WG 11/AUDIO小委員会 幹事(2012年11月~)。ARIB音声符号化方式作業班 委員(2007年7月~)。2014年、第62回電気科学技術奨励賞及び電気科学技術奨励会会長賞、2016年、第24回日本音響学会技術開発賞、2016年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰、2018年、情報規格調査会標準化貢献賞、各受賞。


辻 実(ソニー株式会社)
辻実氏

【略歴】1997年、長岡技術科学大学電気電子システム工学専攻修士課程修了。同年ソニー(株)入社。以来、音声音響符号化及び信号処理技術に関する研究開発に従事。近年は、オブジェクトベースの3次元音響の制作技術及び符号化システム開発、並びにMPEG Audio標準化活動に携わる。ARIBスタジオ音声作業班 委員(2016年4月~)。2016年、第24回日本音響学会技術開発賞受賞。

[12:00-13:00]休憩

[13:00-13:25]
次世代の映像符号化規格Versatile Video Codingの最新動向- VVCの概要と機能性

[13:25-13:50]
次世代の映像符号化規格Versatile Video Codingの最新動向- VVCの符号化ツール

2020年7月標準化作業完了予定の次世代符号化規格Versatile Video Coding (VVC)の最新動向を紹介する。VVCは、2013年に登場したHigh Efficiency Video Coding (HEVC)の後継規格であり、主観画質において2倍の符号化効率改善(1/2の符号量で同一画質)を目指して活動が続いている。VVCは、空間スケーラブル、スクリーンコンテンツなどHEVC拡張で対応された機能性だけではなく、可変ピクチャサイズ、ロスレス、360度映像、段階的リフレッシュにも対応する。

遠間 正真(パナソニック株式会社、SC29/WG11/VIDEO小委員会委員)
遠間正真氏

【略歴】2000年、松下電器産業(株)(現パナソニック(株))に入社。蓄積メディア・放送などのアプリケーション標準化、画像処理関連の要素技術や医用画像機器の開発を経て、動画像符号化の技術開発に従事。2015年よりVVC標準化活動に参画。現在、SC 29/WG 11/VIDEO 小委員会委員。


猪飼 知宏(シャープ株式会社)
猪飼知宏氏

【略歴】1999年、シャープ株式会社入社。以後、同社において、動画モバイル端末や液晶テレビAQUOSの動画録再機能開発に従事、2011年よりHEVC(High Efficiency Video Coding)の標準化活動に参加。HEVC version1以降は、スケーラブル符号化(SHVC、MV-HEVC/3D-HEVC)などの拡張標準化に参加、HEVC Conformance version2の規格勧告草案エディタ。最近のJVET(Joint Video Experts Team)では、メモリバンド評価や並列処理、フレキシブル画像分割などの活動を主導。

[13:55-14:15]
MC-IF (Media Coding Industry Forum) の最新動向

MC-IF (Media Coding Industry Forum) は主にVVCの普及促進を目的として2018年11月に設立された団体である。現在Profile, Interoperability, IPRなどのWGを設置し、活動が本格化しつつある。本セミナーでは、MC-IFの最新動向について解説する。


鈴木 輝彦(ソニー株式会社、SC29国際議長、SC 29/WG 11/VIDEO小委員会主査)
鈴木輝彦氏

【略歴】1992年東京工業大学大学院理工学研究科課程修了。同年、ソニー株式会社入社。以来、動画像符号化技術、信号処理技術の研究開発に従事。2017年よりSC29国際議長。また、SC 29/WG 11/VIDEO小委員会主査を務める。2008年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰 受賞。

[14:15-14:45]
イマーシブメディアに向けた新たな国際規格MPEG-Iの概要と最新動向 ~より自由度の高い高臨場感メディアに向けた取り組み~

イマーシブメディアは、映像空間内を移動し自由な視点からの全方位映像を楽しむことができ、あたかもその空間に入り込んだような体験ができる没入型の高臨場感メディアである。そうした新しいメディアの実現に向け、MPEGはMPEG-I「イマーシブメディアの符号化表現」(ISO/IEC 23090)の標準化を進めている。本セミナーでは、MPEG-Iの構成とイマーシブメディアの応用例、また、その実現に向けて新たに検討されているシーン記述や映像品質向上技術などについて解説する。


青木 秀一(日本放送協会、SC29/WG11/SYSTEMS小委員会幹事)
青木秀一氏

【略歴】2003年、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2013年、同情報理工学系研究科博士課程修了。2003年にNHK入局。以来、放送技術研究所にて4K・8K放送システムやイマーシブメディアの研究開発とMPEG、ATSC、ITU-R等での国際標準化に従事。ARIB多重化作業班委員。2017年、通信文化協会 前島密賞、2017年、情報規格調査会 標準化貢献賞、2018年、経済産業省 国際標準化奨励者表彰、2019年、全国発明表彰 21世紀発明奨励賞、各受賞。博士(情報理工学)。

[14:45-15:15]
MPEGポイントクラウド圧縮の標準化最新動向

MPEGで標準化中の3D動画データ圧縮方式である、Point Cloud Compression (PCC)について紹介する。Point Cloudは、3次元空間における物体のデータ表現として一般的になりつつあるが、データ量が大きく、伝送や保存が難しいという課題がある。MPEGでは、2020年の標準化完了を目指し、V-PCCとG-PCCという2つの圧縮技術を議論している。本セミナーでは、MPEG PCCの最新技術動向について解説する。


中神 央二(ソニー株式会社、SC29/WG11/VIDEO小委員会エキスパート)
中神央二氏

【略歴】2004年、早稲田大学大学院国際情報通信研究科修士課程修了。同年、ソニー(株)入社。以来、映像信号処理・圧縮の研究開発に従事。2012年よりHEVC標準化活動、2017年よりMPEG PCC標準化活動に参画。現 SC 29/WG1小委員会委員、SC29/WG11/VIDEO小委員会エキスパート

[15:15-15:25]休憩

[15:25-15:55]
イマーシブメディア配信技術のMPEG標準化最新動向

全天球メディアから次世代自由視点メディアまでをスコープとする最新技術規格であるMPEG-Iにおいて、先行して標準化が完了している全天球メディア配信規格である、Part2 Omnidirectional MediA Fomat(OMAF) ver1.0を中心に解説する。すでに市場で流通しているMPEG-DASH配信の仕組みを活用した全天球映像配信の画質課題に対して、システム層により高画質化、高機能化を図ったものである。さらに、現在標準化が進んでいる、Part2 Omnidirectional MediA Fomat(OMAF) ver2.0および、Part 10 Carriage of Point Cloud Dataについては技術概要を解説する。


平林 光浩(ソニー株式会社、SC29/WG11/SYSTEMS小委員会幹事)
平林光浩氏

【略歴】1991年ソニー(株)入社。業務用機器設計、メモリースティック開発などを経て、2000年より、メディアフォーマットの研究開発に従事し、現在MPEG Systems (MP4 File Format/MPEG-DASH/MPEG-I OMAF等)の標準化活動中。SC 29/WG 11/SYSTEMS小委員会幹事。2010年、IEC(国際電気標準会議)1906賞、2016年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰、2017年、情報規格調査会 標準化貢献賞、各受賞。

[15:55-16:25]
MPEG-G MPEGによる遺伝子情報表現の高能率高機能標準化

MPEGはマルチメディア符号化全体を担当範囲としており、これまでにも映像音声符号化のみでなく、デジタル放送用MPEG-2 Systemsを初めISOBMFF、MMT、DASHなど多くのマルチメディア標準を策定した。動画配信に使われるDASHもMPEGの標準である。遺伝子情報の爆発的拡大にともないTC 276/WG5と協調をとり取り組んでいるのがGenomic Information Representationの高機能・高能率の符号化方式であり、すでにPart 1~Part 4が完成した。本セミナーでは、Genomic Information Representationの概要と今後の標準化スケジュールを解説する。


金子 格(名古屋市立大学、SC29/WG11/SYSTEMS小委員会主査、SC 29 専門委員会委員、SC 29/WG 11/VIDEO 小委員会エキスパート)
金子格氏

【略歴】1980年、早稲田大学卒。2004年博士(情報科学)。1985~(株)アスキー、2004から東京工芸大学、2018より現職。1980年代からはパソコンOS、システムLSI、アプリケーションソフトウエアの開発に従事。1990以後は高能率オーディオ符号化,デジタル著作権,3D符号化などに取り組みMPEG標準化,現在、情報処理学会/電子化知的財産社会基盤研究会運営委員,SC 29/WG 11/SYSTEMS 小委員会主査を務める。2008年、ISO/IEC Certificate of Appreciation、情報規格調査会 国際規格開発賞、2015年、経済産業省 国際標準化貢献者表彰 各受賞。2018年より名古屋市立大学客員准教授。

[16:30-17:00]
ニューラルネットワークの圧縮方式の標準化動向

MPEG-7は、静止画像・動画像コンテンツを検索するためのメタデータ体系を規定する国際規格である。近年、画像認識分野においてニューラルネットワーク(NN)を用いた技術の進歩は目覚ましく、MPEG-7においても、映像コンテンツ内の物体・シーンを検索するためのコンパクトな特徴記述子規格であるMPEG-7 Part15 CDVA(2018年10月標準化)にNNから得られる特徴記述子が採用されている。これを契機として、2019年からは大規模化するNNのモデル自身のコンパクト化を目的としたモデル圧縮方式の標準化がMPEG-7 Part17 NNRとして開始されている。本セミナーでは、NNRの標準化動向について解説する。


峯澤 彰(三菱電機株式会社、SC29/WG11/VIDEO小委員会エキスパート)
峯澤彰氏

【略歴】2008年、東京理科大学大学院理工学部電気工学専攻修了。同年、三菱電機(株)入社。以来、画像処理及び符号化技術の研究開発に従事。2010年よりHEVC標準化活動、2017年よりMPEG CDVA標準化活動、2019年よりNNR標準化活動に参画。現在、SC29/WG11/VIDEO小委員会エキスパート、ARIB映像符号化方式作業班委員。2018年、情報規格調査会 標準化貢献賞受賞。

[17:00-]クロージング

高村誠之氏
高村誠之(日本電信電話株式会社、SC 29 専門委員会委員長)

[17:15-]交流会 冒頭挨拶

参加申込

<参加費>
正会員 35,000円(税込)
一般非会員 45,000円(税込)
学生(会員・非会員) 5,000円(税込)

【注意事項】


申込締切:2019年12月6日(金)
  お申し込み

会場

情報処理学会 短期集中セミナー会場:
機械振興会館[〒105-0011 東京都港区芝公園3-5-8 機械振興会館6階66会議室]

http://www.jspmi.or.jp/kaigishitsu/access.html

FAQ

参加証引換券はいつ送られてくるのですか?
事務局より電子メールで開催1週間前にお送りいたします。ご来場の際は、必ずプリントアウトしてご持参頂き、受付にお渡しください。

参加証引換券メールが見当たりません(またはなくしてしまった)。
受付番号、参加申込者様のお名前、メールアドレスを事業部門宛seminar※itscj.ipsj.or.jp(迷惑メール防止のため、送信の際は※部分を@に変更してください。)までメールにてご連絡ください。なお、会場受付にて、受付番号、お名前を申し出て頂ければ大丈夫ですが、混在具合によっては当日受付に時間がかかる場合があります。「短期集中セミナー」参加証引換券メールは紛失しないよう大切に保管してください。

会社の手続き上開催日までに振込みができないのですが?
請求書と共に「送金連絡票」をE-mailにてお送りいたします。12月6日(金)10時までに「送金連絡票」にて送金予定日をお知らせください。

クレジットカードで支払えますか?
いいえ、銀行振込でお願いしております。

申込みをキャンセルしたいのですが?
イベント前日までに必ずE-mailでseminar※itscj.ipsj.or.jp(迷惑メール防止のため、送信の際は※部分を@に変更してください。)へご連絡ください。無断欠席、イベント開催後のキャンセルは準備の都合上参加費をいただきます。なお、代理での参加は可能です。参加証引換券を代理の方にお渡しください。