イベント企画
トップコンファレンス7-3 セキュリティ・ネットワーク
2024/9/6 13:10-15:40
第6イベント会場

座長:佐藤 将也(岡山県立大学)

13:10-13:30 講演(1) 【タイトル邦題】 Invisible Reflections: 不可視レーザーの投光を利用して道路標識の誤識別を引き起こす攻撃
菅原 健(電気通信大学)
【原発表の書誌情報】 T. Sato, S. H. V. Bhupathiraju, M. Clifford, T. Sugawara, Q. A. Chen, and S. Rampazzi, “Invisible Reflections: Leveraging Infrared Laser Reflections to Target Traffic Sign Perception,” Network and Distributed System Security (NDSS) Symposium 2024
【概要】 道路標識にステッカーを貼ったり,パッチを投影したりすることで,自動運転における道路標識の誤認を狙った攻撃の脅威が指摘されている.しかし,それらの従来法は,人間の目から見ると不自然さが明らかで,容易に気づくことができた.それに対し本稿は,赤外線レーザーの投光を利用する新しい攻撃を提案する.ある種の車載カメラには赤外フィルタが不在である性質を悪用することで,カメラに写って道路標識の誤識別で引き起こすが,人間には不可視となる攻撃を提案する.
【略歴】 2011 年東北大学博士後期課程修了.博士(情報科学).2011 年より三菱電機株式会社・情報技術総合研究所に入所.IC カード・車載機器・産業機器などの組込機器セキュリティに関する研究開発に従事.2017 年より電気通信大学・准教授.2019 年には客員研究員としてミシガン大学に滞在.暗号実装,サイドチャネル攻撃,アナログサイバーセキュリティなどの研究を行う.
13:30-13:50 講演(2) 【タイトル邦題】 Scrappy: プライバシーを確保した安全なレート保証プロトコル
赤間 滉星(慶應義塾大学 大学院政策・メディア研究科 修士1年)
【原発表の書誌情報】 Akama Kosei, Nakatsuka Yoshimichi, Sato Masaaki, Uehara Keisuke. "Scrappy: SeCure Rate Assuring Protocol with PrivacY."Proceedings of the 31st Annual Network and Distributed System Security Symposium (NDSS’24). https://doi.org/10.14722/ndss.2024.24445. 2024.
【概要】 近年不正なユーザによる高頻度のアクセスが問題となっている.これらの問題に対し,SMS認証等が用いられるが,トラッキングの懸念がある.そこで本研究では,プライバシフレンドリな「ユーザのアクセス回数を制限する」システムを提案する.
【略歴】 2023年慶應義塾大学環境情報学部卒業.同年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に入学し,現在在学中.
13:50-14:10 講演(3) 【タイトル邦題】 IoT機器のセキュリティ確保への意識・課題・インセンティブを探る
藤田 彬(情報通信研究機構 サイバーセキュリティ研究所 主任研究員)
【原発表の書誌情報】 Sombatruang, N., Caulfield, T., Becker, I., Fujita, A., Kasama, T., Nakao, K. and Inoue, D.: Internet Service Providers’ and Individuals’ Attitudes, Barriers, and Incentives to Secure IoT, 32nd USENIX Security Symposium (USENIX Security 23), Anaheim, CA, USENIX Association, pp. 1541–1558, (2023).
【概要】 IoT機器のセキュリティ確保は、多様なステークホルダーが関係する複雑なオペレーションである。特に主要なステークホルダーであるISPとIoT機器利用者に対して、アンケート調査、ワークショップ、インタビュー調査を組み合わせた分析を行い、各ステークホルダーによるIoT機器のセキュリティ確保に関する意識と課題認識を明らかにし、有効なインセンティブ設計について検討する。
【略歴】 2012年横浜国立大学大学院博士課程後期修了.博士(情報学).国立情報学研究所 特任研究員及び特任助教を経て2017年より横浜国立大学 特任教員(助教).以来,サイバーセキュリティ分野の研究開発に従事.2020年より情報通信研究機構サイバーセキュリティ研究所 主任研究員及び横浜国立大学先端科学高等研究院 客員研究員.情報処理学会会員.
14:10-14:30 講演(4) 【タイトル邦題】 MetricSifter:クラウドアプリケーションにおける故障箇所特定の効率化のための多変量時系列データの特徴量削減
坪内 佑樹(さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所 上級研究員)
【原発表の書誌情報】 Tsubouchi, Y., Tsuruta, H.: MetricSifter: Feature Reduction of Multivariate Time Series Data for Efficient Fault Localization in Cloud Applications, IEEE Access, Vol.12, pp.37398-37417 (2024).
【概要】 大規模クラウドアプリケーションにおける機械学習を用いた故障特定の研究が盛んである。本研究では、故障関連の監視メトリクスを正確に特定するための時系列データの特徴量削減フレームワークMetricSifterを提案する。本手法は、監視メトリクスの故障起因変化点の時間的近接性に注目し、既存の故障特定法を高精度かつ高効率化する。
【略歴】 2019年よりさくらインターネット株式会社所属。2023年に京都大学大学院情報学研究科博士後期課程を研究指導認定退学。クラウドシステムの信頼性工学、特に監視と可観測性に関する研究に従事。
14:30-14:50 講演(5) 【タイトル邦題】 パケットキャプチャデータによるJP及びルートDNSサーバの応答遅延分析
藤原 和典(株式会社日本レジストリサービス システム部 主任研究員)
【原発表の書誌情報】 K. Fujiwara, S. Sannomiya, A. Sato and K. Yoshida, "Latency analysis of JP and Root DNS servers from packet capture data,"2023 IEEE 47th Annual Computers, Software, and Applications Conference (COMPSAC), Torino, Italy, 2023, pp. 526-531, doi: 10.1109/COMPSAC57700.2023.00076. keywords: {South America;Area measurement;Software;Delays;Software reliability;Servers;IP networks;Domain Name System;DNS;Latency},
【概要】 本稿では,既存パケットキャプチャデータの分析により,世界中に測定点を設
けることなく,JP及びルートDNSサーバまでのRTTを分析する手法を提案する.
JP DNSとM-Rootまでの各国からのRTTを示し,新設のM-Rootブリスベンノー
ドがオーストラリアに短いRTTを提供していることを示す.
【略歴】 1991年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了.
1992年から1996年まで早稲田大学情報科学研究教育センター助手.
2002年より株式会社日本レジストリサービスにて
ドメイン名システム(DNS)に関する研究・開発・標準化に従事.
2015年筑波大学大学院システム情報工学研究科リスク工学専攻博士後期課程修了.
博士(工学).