イベント企画
LLMの教育利用
2024/9/4 13:10-15:10
第1イベント会場
第1イベント会場
13:10-13:20 司会/趣旨説明 | |
畠山 久(東京工業大学 教育革新センター 准教授) | |
【概要】 2022年11月の OpenAI 社による ChatGPT 公開以降,急速に世界中で利用が広まる大規模言語モデル (Large Language Model, LLM) は,教育現場にも当初大きな衝撃を与えたましたが,その後は LLM を有効活用しようとの動きも見られます。本企画では,初中等教育や高等教育に LLM を利用する研究者及び教員であるパネラーのみなさまに,LLM を活用する上で考慮すべき事項や実践で得られた知見を報告いただきます。そして,教育における LLM のメリット・デメリットや今後の展望等について討論します。 | |
【略歴】2008年首都大学東京大学院都市環境科学研究科博士前期課程了.インターネット関連企業におけるソフトウェアエンジニアとしての勤務を経て,2013年首都大学東京学術情報基盤センター助教,2020年法政大学情報メディア教育研究センター講師,2021年より現職.教育学習支援システムおよびスマートデバイスを用いた学習支援に関する研究開発に従事.日本教育工学会,教育システム情報学会,情報処理学会,IEEE各会員. | |
13:20-13:45 講演(1)/パネリスト 初等中等教育段階における生成AIを活用した教育実践の現状と課題 | |
森本 康彦(東京学芸大学 ICT / 情報基盤センター 教授) | |
【概要】いよいよ初等中等教育においても生成AIを活用した学びをどう創るかの議論が始まった。文部科学省では教育活動や校務において生成AIの活用に取り組む生成AIパイロット校を指定し、多くの自治体では研究校などでの先進的な取組としてそのスタートが切られている。しかし、これにより、学習指導要領で前提として求めている主体的・対話的で深い学びが崩れてしまったり、各校で取組んでいる個別最適な学びや協働的な学びの実現が遠のいてしまっては本末転倒であろう。そこで、本発表では、初等中等教育段階における生成AIを活用した教育実践の現状と課題について議論する。 | |
【略歴】東京学芸大学ICT/情報基盤センター教授。専門は教育工学。博士(工学)。三菱電機株式会社情報技術総合研究所勤務の後、広島市立牛田中学校教諭(数学)、千葉学芸高等学校教諭(情報)、富士常葉大学准教授を経て、2009年東京学芸大学情報処理センター准教授、2017年同大学教授。2020年から現職。日本情報科教育学会会長、日本教育工学会理事を務め、学校教育における情報科教育の充実及び教育工学の活性化と普及に尽力している。 | |
13:45-14:10 講演(2)/パネリスト 生成AIと大学教育・学習:九州大学の事例をベースに | |
長沼 祥太郎(九州大学 未来人材育成機構 講師) | |
【概要】 2022 年 11 月に OpenAI 社の ChatGPT が利用可能になって以降、 生成AIの利用者数は爆発的に増加し、現在では教育・学習場面における応用にも注目が集まっています。教育・学習場面においては、教育者の授業デザインにおける利用や、学習者が学習をより効率的に行う上での利用など、生成AIを、「誰が」「どのように」利用するかについて、いくつかのパターンを想定することが重要です。そこで、本講演では、九州大学において行ってきた各種調査結果やFDの内容等をまとめて紹介し、生成 AI がもたらす急速で大きな変革にどのように大学教育を対応させていくのかを考える機会を提供します。 | |
【略歴】2018年京都大学総合生存学館にて博士号(総合学術)取得。2018年京都大学高等教育研究開発推進センター博士研究員。2019年、九州大学教育改革推進本部専任講師として着任。2022年九州大学未来人材育成機構講師。現在に至る。静岡大学学習科学研究教育センター学外研究員を兼任。生成AIを用いた教育・研究に従事。社会貢献として、2024年に、大学教職員職能開発FD「⽣成AIを大学の教育・学習・業務にどのように組み込むか?」シリーズを開催するなど。 | |
14:10-14:35 講演(3)/パネリスト AIサービスをAPIで呼び出して教材データを生成する | |
喜多 敏博(熊本大学 半導体・デジタル研究教育機構 教授) | |
【概要】OpenAIのGPTやGoogleのGeminiなどをAPIを用いて呼び出すことで、既存システムとの連携やまとまったデータの読み込みが容易になり、オンライン教材作成のように、人間の適切な介入も加えつつXML形式などの定形フォーマットでのドキュメントを作成する際に有用なツールを実現することができる。様々なトピックのオンライン教材用の文章を生成したり、特定のトピックを取り上げた文章に書いてあることについて問う小テスト問題(選択問題、穴埋め問題など)を生成させ、教材として完成させる方法について実演を交え提示する。またその教材データをMoodle等のコンテンツとして直接インポートできる形式のデータに変換して出力することや、ユーザ毎の習得度に合わせた個別教材を自動生成する試みについても紹介する。 | |
【略歴】1967年に奈良に生まれる。京都大学大学院工学研究科博士後期課程研究指導認定退学,熊本大学 工学部助手,総合情報基盤センター准教授,eラーニング推進機構教授,教授システム学研究センター教授,現在に至る。工学博士(名古屋大学,2005年)。eラーニングシステム,人工知能技術の教育利用,非線形システム,電子音楽に興味を持つ。 | |
14:35-15:10 パネル討論 |