イベント企画
トップコンファレンス4-2 コンピュータビジョンと文化遺産
2023/9/7 9:30-12:00
第5イベント会場
第5イベント会場
座長:内海 ゆづ子(大阪公立大学)
9:30-9:50 講演(1) 【タイトル邦題】 九州装飾古墳プロジェクト:e-HeritageからCyber-archaeologyへ | |
池内 克史(Microsoft Applied Robotics Research Sr. Principal Research Manager) | |
【原発表の書誌情報】 K. Ikeuchi, T. Morimoto, M. Kamakura, N. Kuchitsu, K. Kawano and T. Ikeda, Kyushu decorative tumuli project: from e-heritage to cyber-archaeology, International Journal of Computer Vision, Vol.130, No.7, pp.1609-1626, 2022. | |
【概要】 文化財のデジタル化の価値は、資産の保存と展示の観点から強調されてきた。第三の価値として、得られたデジタルデータを用いて、物理学や光学の理論やシミュレーションに基づく考古学的分析を行うことができることである。我々の九州装飾古墳プロジェクトを例にとり、開発された機器や手法、考古学的知見について分類・整理することで、この分野を「サイバー考古学」として確立することを提案する。 | |
【略歴】 京都大学工学部機械工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。MIT-AIL、電総研、CMU-RI、東大生研を経て、Microsoft入社現在に至る。CV、CG、ITS、ロボティクスなどの研究に従事。IEEE-PAMI Distinguished Researcher Award、紫綬褒章、大川賞、船井業績賞、瑞宝中授賞等受賞。IEEE(Life)、IAPR、情報処理学会、ロボット学会、電子情報通信学会(名誉員)フェロー。 | |
9:50-10:10 講演(2) 【タイトル邦題】 空間的に変化するスペクトル反射率のための多光谱光度立体法 | |
郭 亨(大阪大学 大学院情報科学研究科 特任助理教授) | |
【原発表の書誌情報】 Guo, H., Okura, F., Shi, B., Funatomi, T., Mukaigawa, Y. and Matsushita, Y.: Multispectral Photometric Stereo for Spatially-Varying Spectral Reflectances. International Journal of Computer Vision, 130(9), pp.2166-2183 (2022). | |
【概要】 Multispectral photometric stereo (MPS) aims at recovering a single-view surface normal from a one-shot multispectral image, captured under multiple light sources with diverse wavelengths and positions. This benefits dynamic shape reconstruction. However, under spatially-varying spectral reflectances, MPS is an ill-posed problem. Earlier methods either depend on additional shape priors or impose restrictive reflectance assumptions. Different from existing methods, we propose a new formulation to render MPS as a well-posed problem under a general spatially-varying reflectance setting and require no additional shape priors. | |
【略歴】 2022年大阪大学情報科学研究科博士課程修了。同年より大阪大学情報科学研究科特任助教。コンピュータビジョン、3次元再構築、光度ステレオの研究に従事。MIRU2020優秀学生論文を受賞。 | |
10:10-10:30 講演(3) 【タイトル邦題】 3D形状マッチングと組合せ最適化を用いた熊本城石垣の復旧 | |
上瀧 剛(熊本大学 ) | |
【原発表の書誌情報】 Gou Koutaki, Sakino Ando, Keiichiro Shirai, Tsuyoshi Kishigami ISHIGAKI Retrieval System Using 3D Shape Matching and Combinatorial Optimization International Journal of Computer Vision, Vol. 130, Issue 9, pp. 2286-2304 (2022). | |
【概要】 2016年の熊本地震により熊本城の石材が崩落した。これらは文化財としての価値を損なわぬように元の場所に戻す必要があり、崩落前後の画像を照合することで元所在を特定するシステムを開発した。 | |
【略歴】 2007年熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。同年日立製作所生産技術研究所。2010年熊本大学工学部助教。2017年JSTさきがけ研究員(併任)。2018年熊本大学工学部准教授。2022年同教授。MIRU長尾賞、IEICE論文賞、IEICE ISS論文賞、ISCIE産業技術賞。2014年CVPR(oral)、2015年ICCV、2016年SIGGRAPH technical paper。 | |
10:30-10:50 講演(4) 【タイトル邦題】 点走査型ハイパースペクトル撮像における照明変動の除去 | |
舩冨 卓哉(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 准教授) | |
【原発表の書誌情報】 Funatomi, T., Ogawa, T., Tanaka, K., Kubo, H., Caron, G., Mouaddib, E. M., Matsushita, Y., Mukaigawa, Y.: Eliminating Temporal Illumination Variations in Whisk-broom Hyperspectral Imaging, International Journal of Computer Vision, Vol. 130, Issue 5, pp. 1310–1324 (2022). | |
【概要】 点走査型ハイパースペクトル撮像における時間的な照明変動を除去する方法を提案する.分光器を用いた空間の点走査によって,高分解能なハイパースペクトル撮像が可能である.しかし,屋外にある巨大な文化遺産を撮影する場合,測定時間が長くなるため,日照における時間的な照明変動が問題となる.画素ごとに異なる時刻に計測されるため,照明スペクトルが測定された画素によって異なってしまう.この問題を克服するため,標準的なラスタ走査に加えて,ラスタ走査を横断する垂直走査を追加する.この追加走査により,ラスタ走査上の照明変動を推測できることを示す.さらに,照明スペクトルにおける疎構造を利用して,照明変動を頑健に除去する.太陽光の下でのハイパースペクトル撮像が実際に時間的な照明変動の影響を受けること,単純な除去手法はノイズの影響を大きく受けること,提案手法は頑健に照明変動を除去できることを定量的に示す.最後に,フランスの大聖堂のステンドグラスを撮影した結果と共に提案手法の有用性を実証する. | |
【略歴】 2006年日本学術振興会特別研究員DC2. 2007年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了. 2007年京都大学学術情報メディアセンター助教. 2014年Stanford University,Computer Science Department客員助教. 2015年奈良先端科学技術大学院大学准教授,2020年JSTさきがけ研究者(兼任),現在に至る. 博士(情報学). | |
10:50-11:10 講演(5) 【タイトル邦題】 線織面FFDを用いた非剛性3次元形状変形組立による古代木造船の仮想復原 | |
大石 岳史(東京大学 生産技術研究所 准教授) | |
【原発表の書誌情報】 Nemoto, T., Kobayashi, T., Kagesawa, M. et al. Virtual Restoration of Ancient Wooden Ships Through Non-rigid 3D Shape Assembly with Ruled-Surface FFD. Int J Comput Vis 131, 1269–1283 (2023). https://doi.org/10.1007/s11263-023-01759-0 | |
【概要】 本論文では、古代木造船の仮想復原を目的として、線織面を用いた非剛体3次元形状変形手法と、変形可能な部材を互いに位置合わせする組立法を提案した。また本手法を用いてクフ王の第一の太陽の船を仮想的に再組立てした結果も示した。 | |
【略歴】 1976年生まれ。1999年慶應義塾大学理工学部卒業。2005年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士(学際情報学)。同大学院情報学環特任講師などを経て、2011年より現職。京都先端科学大学・客員教授。アジア各国の大仏像やアンコール遺跡などの巨大構造物の3次元モデル化・解析、複合現実感技術による飛鳥京や平城京など失われた文化財の復元展示に関する研究に従事。 |