イベント企画
アルゴリズム運用と法律の関係
2023/9/8 13:10-15:40
第2イベント会場
【セッション概要】  飲食店を評点しながら紹介する「食べログ」を巡って、そのアルゴリズムに問題があるという判決が2022年に出された(※後注)。
 言うまでもなくコンピュータ社会ではアルゴリズムのあり方が重要視される。それは今後発展するAI領域においては特に顕著である。よってアルゴリズムの透明性や開示・規制のあり方などについては十分な議論が必要なはずなのであるが、こういった議論はあまりされてはいない。
 そこで本イベントでは、こういったアルゴリズムの開発や運用について、技術と法律の両側面から議論をしてみたい。IPSJ-EIP研究会に所属する情報法学者や技術者や中心に、経済法(独占禁止法)などを専門とする法律家などを交えてパネルディスカッションを行う。

(※)2022年6月には東京地裁にて「店舗によっては評価が下がってしまうようなアルゴリズムの使用は"優先的地位の乱用"にあたる」として損害賠償命令が出された。ただしその新アルゴリズムの使用停止までは認められなかった。10月には(並行した別な裁判として)東京高裁にて「アルゴリズムの一部は"営業秘密"に当たらない」として開示する決定が出されている。
13:10-15:40 パネル司会 アルゴリズム運用と法律の関係
須川 賢洋(新潟大学 法学部 助教)
【略歴】 新潟大学大学院法学研究科修了.修士(法学).専門は情報法.コンピュータ犯罪,デジタル知的財産,情報セキュリティ制度,デジタル・フォレンジックなど,先端技術と法律の関係を中心に研究している.共著に「ITセキュリティカフェ--見習いコンサルの事件簿」(丸善),「実践的eディスカバリー米国民事訴訟に備える」(NTT出版),「基礎から学ぶデジタル・フォレンジック」(日科技連),「~法律構成の違いがわかる!~依頼者の属性別 弁護士が知りたいキャッシュレス決済のしくみ」(第一法規)など.情報処理学会「電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)」幹事.
13:10-15:40 パネリスト
小向 太郎(中央大学 国際情報学部 教授)
【略歴】 情報通信総合研究所取締役法制度研究部長、早稲田大学客員准教授、日本大学教授等を経て、2020年より現職。1990年代初めから、情報化の進展によってもたらされる法制度上の問題をテーマとして幅広く研究を行う。著書として『情報法入門(第6版)デジタル・ネットワークの法律』(NTT出版、2022年)、『概説GDPR-世界を揺るがす個人情報保護制度』(共著、NTT出版、2019年)など。
13:10-15:40 パネリスト
中島 美香(中央大学 国際情報学部 准教授)
【略歴】 ㈱情報通信総合研究所法制度研究部主任研究員を経て、2019年より現職。デジタル・プラットフォームの法制度を研究している。主な論文として、「グーグル・アンドロイド事件―スマート・モバイルOSのライセンスと競争法上の問題について― 」特許研究No.71(2021)、「個人情報の削除を求める権利の日米欧における法制度と忘れられる権利」東海法学No.60(2021)など。2022年より情報処理学会 電子化知的財産社会基盤研究会(EIP) 運営委員。
13:10-15:40 パネリスト
渕川 和彦(大阪市立大学 准教授)
【略歴】 2013年慶應義塾大学大学院後期博士課程単位取得退学、2014年慶應義塾大学より学位授与(博士(法学))。2013年山口大学経済学部専任講師、2015年より同大学准教授。2017年ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン客員研究員を経て、2020年大阪市立大学大学院法学研究科准教授、2022年大阪公立大学大学院法学研究科准教授。2014年第30回横田正俊記念賞を受賞。専門分野は独占禁止法。
13:10-15:40 パネリスト
遠藤 良(LAPRAS株式会社 )
【略歴】 遠藤 良 (LAPRAS株式会社 ソフトウェアエンジニア)
【略歴】 2007年からソフトウェア開発に従事。インクジェットプリンター・FA機器・オープンソースのECパッケージなど様々な事業会社でのプロダクトづくりに携わったのち、2021年5月より現職。自身でコードを書くだけでなく、アジャイルの価値観をベースにしたチームへの支援も強みに持つ。