イベント企画
トップコンファレンスセッション5
ソフトウェア工学とアルゴリズム
9月4日(水) 15:30-17:30
第4イベント会場(一般教育棟 B棟 B41)
座長 中野眞一(群馬大)
15:30-15:50 講演(1) ソースコードコメントに記載されたURLの大規模な調査
畑 秀明(奈良先端科学技術大学院大学)
【原発表の書誌情報】 Hideaki, H., Christoph, T., Raula, G. K., Takashi, I.: 9.6 million links in source code comments: purpose, evolution, and decay, Proc. of the 41st ACM/IEEE International Conference on Software Engineering (ICSE), pp.1211-1221 (2019).
【概要】 ソフトウェア開発においてWebからの情報を参考としそのURLをソースコードコメントに記載することは多々あります。そのようなURLがどれくらい存在しているか、どのような目的で外部情報が参照されているか、リンク切れなどの問題は起こっていないか、リンクは更新されているか、というソフトウェア開発者のURL利用状況を分析しました。まず、直近の10年間で継続的に多くの開発者に使用されているプログラミング言語であるC, C++, Java, JavaScript, Python, PHP, Rubyのいずれかを使用し、少なくとも二年間は活発に活動していたプロジェクトを選定しました。そのプロジェクトのソースコード中から総計で960万のURLを収集し分析しました。本研究は、ソフトウェアドキュメンテーションにおける新しい知見と課題を提示するものとなっています。
【略歴】 2012年大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(情報科学)。2013年より奈良先端科学技術大学院大学助教。ソフトウェアエコシステムデザインの研究に従事。
15:50-16:10 講演(2) スマート家電のための安全なエンドツーエンド遠隔制御システムのAndroidへの実装
鈴木 秀和(名城大学 理工学部情報工学科 准教授)
【原発表の書誌情報】 Tanaka, H., Suzuki, H., Naito, K., Watanabe, A.: Implementation of secure end-to-end remote control system for smart home appliances on android, Proc. of the 37th IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE), pp.770-775 (2019).
【概要】 本研究では、NAT越えとエンドツーエンドの暗号化通信を実現する技術であるNTMobileを応用することにより、既存システムにおけるメーカの遠隔制御サーバを必要とすることなく、Android端末が宅外から宅内のスマート家電を安心・安全に遠隔制御できるシステムを提案する。
【略歴】 2008年4月日本学術振興会特別研究員。2009年3月名城大学大学院理工学研究科電気電子・情報・材料工学専攻博士後期課程修了。2010年4月名城大学理工学部助教。2015年4月より同大学理工学部准教授および東北大学電気通信研究所共同研究員を兼務。モバイルネットワークやホームネットワーク等におけるネットワークアーキテクチャやプロトコルのほか、スマートコミュニティに関する研究に従事。博士(工学)。IPSJシニア会員およびIEEE、ACM、電子情報通信学会各会員。
16:10-16:30 講演(3) スマートホームにおけるユーザ行動の学習に基づく異常検知手法
山内 雅明(大阪大学 大学院情報科学研究科情報ネットワーク学専攻村田研究室 博士後期課程1年)
【原発表の書誌情報】 Yamauchi, M., Ohsita, Y., Murata, M., Ueda, K., Kato, Y.: Anomaly detection for smart home based on user behavior, Proc. of the IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE), pp.1-6 (2019).
【概要】 IoT家電を不正に操作するサイバー攻撃を、宅内のユーザが機器を操作する際の「癖」をもとに検知する手法を考案した。研究室内にIoT機器を複数設置し、得られたユーザの行動データをもとに評価を行った結果、誤検知を19%未満に抑え、95%以上の不正操作を検知した。
【略歴】 2017年、大阪大学基礎工学部情報科学科卒業。2019年、同大大学院情報科学研究科博士前期課程修了(情報科学)。現在、同大大学院博士後期課程に在籍し、IoT及びスマートホームのセキュリティに関する研究に従事。IEEE学生会員。
16:30-16:50 講演(4) CAT(0)立方複体上の測地線を求める多項式時間アルゴリズム
林 興養(東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報第2研究室 博士後期課程1年)
【原発表の書誌情報】 Hayashi, K.: A polynomial time algorithm to compute geodesics in CAT(0) cubical complexes, Proc. of the 45th International Colloquium on Automata, Languages, and Programming (ICALP), LIPIcs, vol.107, pp.78:1-14 (2018).
【概要】 本研究では、曲率が非正である一般の次元の立方複体において、与えられた2点を結ぶ測地線を計算する初の多項式時間アルゴリズムを提案する。
【略歴】 2019年東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻修士課程修了。
16:50-17:10 講演(5) 密なランダム正則グラフの直径
清水 伸高(東京大学 大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻)
【原発表の書誌情報】 Shimizu, N.: The diameter of dense random regular graphs, Proc. of the 29th Annual ACM-SIAM Symposium on Discrete Algorithms (SODA), pp.1934-1944 (2018).
【概要】 大規模並列計算機が並列計算を行うとき、そのネットワークトポロジーの直径が計算速度に大きな影響を与える。一方で各ノードには物理的に次数制限があり、直径とのトレードオフがある。本発表ではランダムなネットワークの直径を解析する。
【略歴】 2012年東京工業大学理学部情報科学科卒業、2018年東京大学情報理工学系研究科数理情報学専攻修士課程卒業。ランダムグラフの研究に従事。同年より東京大学情報理工学系研究科数理情報学専攻博士課程に在籍。
17:10-17:30 講演(6) クエリ可能な確率的組合せ最適化
山口 勇太郎(大阪大学 大学院情報科学研究科情報数理学専攻 助教)
【原発表の書誌情報】 Maehara, T., Yamaguchi, Y.: Stochastic packing integer programs with few queries, Proc. of the ACM-SIAM Symposium on Discrete Algorithms (SODA), pp. 293-310 (2018).
【概要】 各要素の価値が確率的に変動し、クエリすることによってその値が確定するような状況における組合せ最適化を考える。本講演では、「どのような組合せ構造があれば、良い解を得るための効率的なクエリが可能か」という観点で、クエリ戦略の一般的な枠組みと、その評価手法を紹介する。
【略歴】 2013年京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻修士課程修了、2016年東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻博士後期課程修了。博士(情報理工学)。2016年より大阪大学大学院情報科学研究科情報数理学専攻助教。2017年より理化学研究所革新知能統合研究センター客員研究員(兼任)。離散最適化の理論と応用に関する研究に従事。