抄録
I-016
CNNを用いたHEVCイントラピクチャのレート制御に関する検討
工藤 忍・北原正樹・清水 淳(NTT)
H.264/AVCやH.265/HEVCなどの映像符号化標準規格では,与えられた符号量に対して最適な符号化処理を行うレート制御技術が重要な役割を持つ.HEVCでは,フレームをCTUと呼ばれるブロックに分割し,ブロック単位で量子化パラメータを制御することでレート制御を行うが,一般的にフレーム内の各ブロックは符号化の難しさが異なるため,各ブロックに対して均一に符号量を割り当ててしまうと画質の低下が生じる.従来はSATDに基づく複雑さを計算し,その複雑さに比例して符号量を割り当てていたが,精度が低いという問題があった.本稿では,CNNを用いたHEVCイントラピクチャのレート制御手法を提案する.提案法では,CNNを用いてフレームの目標符号量に応じてブロック符号量を割り当てることで従来よりも高画質なレート制御を実現する.評価実験により本手法の有効性を示す.