会誌「情報処理」Vol.63 No.11(Nov. 2022)「デジタルプラクティスコーナー」

聴覚障がい者のための遠隔情報保障システムの開発とその応用

河野純大1

1筑波技術大学 

本稿では,聴覚障がい者のために開発された数多くの遠隔情報保障システムのうち,筑波技術大学で開発されたものを中心にその仕組みについて概説し,それらの応用場面の実例について解説する.遠隔手話通訳システムでは,聴覚障がいのあるユーザの視線移動や手話通訳者の通訳時の負担を考慮した,手話通訳者の映像に書き込みした提示資料やキーワードを合成する表示画面が特徴的である.遠隔文字通訳では聴覚障がいのあるユーザや文字入力者にとっての利便性を考慮したシステムを開発しており,さまざまな分野で活用されている状況について詳述する.

1.研究開発の背景

1.1 筑波技術大学について

筑波技術大学(以下,本学)は日本で唯一の聴覚・視覚障がい者のための高等教育機関であり,聴覚・視覚障がい者への高等教育を行うとともに,聴覚・視覚障がい者を支援するための研究も数多く実施している.それらの教育・支援のノウハウを他大学へ提供するなど,聴覚・視覚障がい者の教育・支援の中核的な役割を担っている.2022年度からの6年間の本学の中期目標・中期計画では,他大学で学ぶ聴覚・視覚障がい学生の修学環境の充実に資する障がい学生支援による横断的支援,高大連携などの大学入学前の世代の支援や聴覚・視覚障がいを有する社会人のためのリカレント教育などの学校卒業後の世代への支援を合わせた縦断的支援などを充実させることで,社会との共創を実現することを目標としている.

1.2 情報保障について

筆者が所属する産業技術学部は,聴覚に障がいのある学生の教育を行っていることもあり,数多くの情報保障支援に関する研究を行っている.情報保障とはその場にいる皆が,同時に同質で同量の情報を得られるために行う活動のことを言い,聴覚に障がいのある人への情報保障手段としては,手話通訳や要約筆記,パソコン文字通訳などが挙げられる[1].手話通訳者は,日本語の音声を聞き取って手話を表現する聞き取り通訳と,手話を読み取って日本語音声に変換する読み取り通訳を行う.手話は手話単語や50音に対応する指文字と呼ばれる手指動作だけではなく,身振り・表情・視線・口形などの多様な非手指動作の表現を伴う言語であるため,聞き取り通訳を行う際には元の話者の音韻情報以外の情報を豊かに表現することができ,後述する要約筆記やパソコン文字通訳に比べて高速に通訳できる特徴を持つ.しかしながら,手話通訳士は2022年3月現在約4,000人ほどしかおらず,人材が不足している[2].手書きの要約筆記は,話者の話を聞きながら話の要約を記述して聴覚障がい者に伝える情報保障手段で,筆記用具を用意すれば実施できる簡便さはあるものの,話の速さへの対応が難しく元の話に比べて情報量が大きく減衰する点が難点である.その点では,パソコン文字通訳の場合は,2人1組で連係入力を行う場合には,通常の話速の場合には100%近い発話情報を文字情報に変換することができるが,機材を用意する必要があることと音韻情報以外の情報がほぼ伝わらないことが欠点と指摘されている.

これらの通訳手段において,いずれも通訳人材の確保が難しいという困難を抱えているが,その通訳人材が通訳を必要とする現場に行かなくても通訳を実施できる仕組みが,遠隔情報保障システムである.これは,図1に示すように,通訳を必要としている現場から,音声情報や映像情報を遠隔にいる通訳者に送り,通訳された手話通訳映像や文字情報を,通訳を必要とする現場に送り返して,情報保障を実施するものである.本稿では,この遠隔情報保障システムについて概説し,さまざまな利用場面での応用事例や,これらに関する評価について述べる.

遠隔情報保障システムの概念図
図1 遠隔情報保障システムの概念図

2.遠隔情報保障システムの概要

2.1 遠隔手話通訳システム

遠隔手話通訳システムについては,内藤らがシステム開発を行い,まず,手話通訳者には講演を行う話者と手話通訳を受ける聴覚障がい者の2画面を提示することが必要であることを示した[3].また,専門用語が多発する大学等の高等教育機関や学会等の学術場面での遠隔手話通訳を可能にするために,それまで情報保障を必要とする現場では,発表者のスライドを提示するスクリーン,遠隔の手話通訳を提示するスクリーン,文字通訳を提示するスクリーンと多い場合には3つ別のスクリーンを表示していた.しかし,この方法では聴覚障がい者の視線移動の負荷が非常に高く,情報取得が非常に困難であった.また,手話は対応する手話単語がない場合には,50音を手形であらわす指文字で表すが,学術場面では専門用語が多く話され,これをすべて指文字で表出されると,聴覚障がい者にとって読み取るのが困難である.そこで,加藤らは,図2に示すように遠隔手話通訳を実施する際に,スライド資料とキーワード表示を合成した手話通訳システムを開発した[4].これにより,聴覚障がい者にとって,必要な情報が1画面に集約されることにより,情報の取得が容易になった.このシステムを活用して,筆者は聾学校の専攻科の授業を自分自身でスライド提示,キーワード入力,などを行いながら実施して,教育場面で活用した[5].このシステムは,2003年当時は,手話通訳者を撮影するカメラ,キーワード入力を行うパソコン,クロマキー合成を行う映像合成機などを組み合わせて実現していた.詳細な画面合成の流れを図3に示す.

遠隔手話通訳システムの聴覚障がい者への提示映像
図2 遠隔手話通訳システムの聴覚障がい者への提示映像
聴覚障がい者への提示映像の合成過程
図3 聴覚障がい者への提示映像の合成過程

現在は,Zoom等のビデオ通話が可能なソフトウェアを活用しての遠隔手話通訳が行われているが,通訳者の映像に合成するようなケースは少ない.筆者が近年実施している,本学からのリカレント教育の授業配信においては,教室にいる講師と,遠隔から入力された文字通訳を合成して配信することで,1画面で情報が取得できるように工夫している.リカレント教育の授業のオンデマンド配信画面を図4に示す.

手話と字幕を合成したリカレント教育配信映像</figcaption>
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図4 手話と字幕を合成したリカレント教育配信映像

2.2 遠隔文字通訳システム

2.2.1 パソコン要約筆記用ソフトIPtalk

パソコン要約筆記用ソフトウェアの開発に関しては,栗田が開発したIPtalkが現在でも多数のユーザに使用されている[6].要約筆記を手書きからパソコンに移行することが始まった当初から,開発を継続しており,2人1組で入力する連係入力方式の開発や,VPN(Virtual Private Network)を介して,同じネットワーク環境にいる状況を作りSkypeなどの映像・音声送受信ソフトウェアを併用しながら,遠隔で連係入力できるシステム(NCK-C方式☆1など)の開発を行っている[7],[8].このソフトウェアでは,2人1組での入力を可能にするためのモニタ機能や,前もって原稿が用意されているときに事前に登録していると簡便なキー操作で文字の表出を可能にする機能や,ルビを表示する機能など,数多くの機能が,通訳者や利用者の声を元に組み込まれている.図5にIPtalkの入力時の画面例を示す.左上のウィンドウが表出される文字を表示し,左下の8人モニタウィンドウで,ペアの入力状況を確認できる.Fキーメモやテンプレート前ロールでは,事前に登録しておいた単語や文章をFキーの操作で表出することが可能である.

パソコン要約筆記用ソフトIPtalkの入力画面例
図5 パソコン要約筆記用ソフトIPtalkの入力画面例
2.2.2 遠隔リアルタイム字幕提示システム

本学では1989年の開学当初から情報保障システムの開発を実施しており,小林らが特殊キーボードを用いた連弾方式による入力方式を開発している[9].これはステノワードと呼ばれる特殊キーボードによる入力方式で,習熟すると1分間に300字以上の高速で入力することができ,現在でもテレビ放送などの生放送の字幕作成に活用されている.開発当初から遠隔での入力を可能にする研究を行っており,安定して接続可能なISDN回線による通信で文字による遠隔情報保障を実現した.

2.2.3 UDPConnectorシステム

このように,1カ所に入力者が集まって入力する遠隔文字通訳のシステムは,通信方式をISDN方式からインターネット回線を利用したものへと発展した.三好らはFlash Media Serverを介して通訳が必要な現場(教室側)と入力者が一同に集う場所(字幕作成スタジオ側)とに専用のソフトウェア(UDPConnector)を搭載したノートパソコンを用意して,現場の映像・音声情報を通訳者のいる現場に届け,入力された文字データをサーバを介して返送するUDPConnectorシステムを開発した[10].図6に概要図を示す.Serverとやりとりをする部分は専用のソフトウェアを介して通信する以外は,IPtalkソフトウェアを活用して文字入力や表示のソフトはユーザが使い慣れたものを活用し,かつ遠隔にいる文字通訳者に,教室側の板書や提示されている資料をカメラで撮影して送信することを可能にした.これによって,インターネット回線を介して,質の高い文字通訳を提供できる環境が整い,本学の非常勤講師の授業で数多く活用されることで,情報保障環境の向上に寄与した.

UDPConnectorシステムの概要図
図6 UDPConnectorシステムの概要図
2.2.4 モバイル型遠隔情報保障システム

その後,2011年の東日本大震災の後,東北地区の大学で学ぶ聴覚障がい学生の修学支援のために,日本聴覚障がい学生支援ネットワークが中心となって,三好らが開発していたモバイル型遠隔情報保障システムを活用した遠隔情報保障を実施した[11],[12].このシステムでは,会場の音声のみを電話回線を通して入力者が集まる場所に送り,その場所で連係入力などの文字通訳を行ったものを,Web配信して,通訳現場でブラウザを見る方式で情報保障を行うというものである.このシステムでは,情報保障支援実施を優先するために,通訳現場の映像情報は送信していないため,指示語が多かったり,提示資料を指し示している場合には文字情報にできないので,可能な範囲で情報保障支援を受ける聴覚障がい学生の隣席に情報の欠落を補助する学生を配置してフォローを行った.また,ブラウザで1秒ごとに更新して文字情報を確認するため,それまでの通常の支援で活用されていたIPtalkのようなスムーズスクロールでの表示ではなかったが,実現の容易性を優先したシステムであった.システム概要を図7に示す.

モバイル型遠隔情報保障システムの概要図
図7 モバイル型遠隔情報保障システムの概要図

図7に示すように,音声の送受信は携帯電話の音声通話機能,文字入力はIPtalkなどの使い慣れた入力システム,それをitbc2という配信用ソフトウェアで配信して,スマートフォン標準のブラウザで閲覧する仕組みである.

このモバイル型遠隔情報保障システムは,見学場面など,通訳を必要とする現場が移動するような場合にも非常に有効である.見学場面の情報保障は非常に難しく,たとえば手話通訳の場合,説明者が「こちらをご覧ください」と対象物について話をすると,説明を受けた聴覚障がい者は自然とその対象物の方に視線を向ける.しかし,説明者が続けてその対象物に関して説明するときに,改めて手話通訳者の方を見て説明の手話を見る必要があり,見学時の聴覚障がい者の視線誘導については,手話通訳を活用する場合,「あちらをご覧ください」と説明した後に,少し間を取って,視線が再び手話通訳者や説明者に戻るまで,説明者が視線誘導を意識して説明するスキルが求められるが,初めて手話通訳を伴って説明する場合には,なかなか難しいのが実情である.これに比べて,モバイル型遠隔情報保障システムの場合は,情報保障を持ち歩くことができ,かつ対象物のほうに文字を表示する端末を向ければ,対象物と説明を同時に見ることができて,説明を十分に把握することができる.文字通訳者にとっては,現地の映像がないことがストレスになることもあるが,説明者が指示語を少なく話すなどの工夫を行えば,より良く説明を伝えることができる.

2.2.5 T-TACCaptionシステム

ここまでの遠隔情報保障システムは,文字通訳者は1カ所に集まって通訳するという方式であったが,近年では通訳者はそれぞれの自宅などの場所で通訳が可能となるシステムが複数開発されている.先に挙げた栗田のIPtalkでもVPNを経由することで文字データを相互に通信できるようになった.また,三好らは,モバイル型遠隔情報保障システムを,Webブラウザでの入力,専用アプリでの文字表示を在宅連係入力で可能にするT-TACCaptionシステムを開発した[13].これにより,インターネット回線があればどこからでも文字入力を行うことができ,タブレットやスマートフォンに専用アプリケーションをインストールすることで教室に持ち込む端末はそれ1台のみで済む.そして,必要に応じてBluetoothマイクを授業担当教員に渡すのみで準備が終わるきわめて簡便なシステムとなった.これは,初等中等教育の場面や高等教育の授業の現場で数多くの活用実績がある.入力者側のWebブラウザ画面を図8に示す.

T-TACCaptionシステムの入力画面
図8 T-TACCaptionシステムの入力画面

中段左下の白色のウィンドウのところで文字を入力し,同時に入力しているほかの入力者の入力状況を確認できる.また,教室側のアプリケーション端末のカメラ機能を用いることで,映像を確認することも可能で,かつ教室側端末のマイク取得音量の調節や音声が入力されているかを確認するためのインジケータもついている.

2.2.6 CaptiOnlineシステム

遠隔情報保障システムは,実際に運用を実施するためにかかる人的あるいは物的なコストが高い点に課題がある.確実に実施するためには,通信環境のテストやテレビ会議システムなどの通信用機材の組み上げや安定運用のための見守りなど,かなり工数を必要とする.このコスト削減を目的として,若月らは完全Webベースの遠隔文字通訳システムCaptiOnlineを開発した[14].このシステムでは,Webプロトコルを用いて通信を行うため,Webブラウザでネットワークに接続できる環境にあればシステムを利用することができ,通信面での準備の不安面が解消される.また,ネットワークを介してサーバに接続するだけでよいため,個々の通訳者がいる場所に制限はなく,バラバラの場所からでも通訳が可能である.また,入力者用のインタフェースは,図9に示すように,文字入力用のウィンドウ,パートナーが入力している様子を確認するためのウィンドウ,音声認識からの文字入力を実施するウィンドウ,訂正・送信を実現するためのウィンドウ,手書きで数式などを記入して送出するウィンドウなどが表示されるが,これらはユーザが必要に応じて消すことができる.また,文字通訳を利用する際のブラウザでは,最新の入力状況が最下行に表示されたり,表示される文字の大きさなども個々人でカスタマイズしながら利用することができる.

CaptiOnlineシステムの入力用画面
図9 CaptiOnlineシステムの入力用画面

2.3 そのほかの遠隔情報保障関連システム

上述した以外に筆者が関係した研究事例を以下に示す.

2.3.1 電話リレーサービス

電話リレーサービスは2021年7月から日本では公的サービスとして運用されるようになった.これは,聴覚障がい者がオペレータを介して電話の発信受信を可能にするシステムである.聴覚障がい者が電話をする際には,オペレータとやりとりする方法を手話または文字から選択して,相手先の電話番号を押してオペレータを呼び出し,用件を伝えてオペレータが代理で相手先に電話をかけてやりとりを仲介する.手話オペレータの場合,聴覚障がい者の手話を読み取って音声で電話先の相手に情報を伝え,相手先からの音声を元に手話通訳を行い,聴覚障がい者に提示してやりとりを行う.公的サービスであるので,それまでの試行サービスでは実現されていなかった24時間365日の運用や,緊急通報などもできるようになっている.図10に日本財団電話リレーサービスのWebサイトに記載されているシステム図を示す[15].

電話リレーサービスの概念図
(日本財団電話リレーサービスのWebサイトより引用)
図10 電話リレーサービスの概念図
(日本財団電話リレーサービスのWebサイトより引用)

日本財団電話リレーサービスによると,2022年3月現在の電話リレーサービスの登録者数は,個人9,091件法人99件となっており,今後ますますの拡大が期待されている[16].

小島らの実験では,仮想的な電話リレーサービスを模した実験環境で,通常の音声のみの通話と比べて約3倍程度の時間がかかることが分かっている[17].現在,健聴者が電話を受信すると,耳の不自由な方に代わって電話をしている電話リレーサービスであることを説明してから実際の用件の話に入るので,時間がかかっている現状ではあるが,周知されて利用者が増加するにつれ,そのような部分は省略されたり,これからのサービス拡大に伴って経験値の高いオペレータによるスムーズなリレーが実施されることが見込まれる.24時間365日の安定的なサービス維持のためには,オペレータの人材確保が必要となる.

2.3.2 音声認識を活用した情報保障システム

最近の技術発展が著しいのは音声認識技術である.実際に大学の授業の支援で,音声認識アプリが活用されている状況にある.講師の音声を認識して,自動で文字に変換される仕組みであるが,専門的な内容であればあるほど,正確な文字変換がされにくい傾向にあるので,誤認識を修正する修正者を配置することが望ましい.さらにマンパワーをかけることができるのであれば,音声認識されやすい話し方の訓練をした人が,リスピークすることで誤認識の少ない字幕作成を行うと,精度の高い字幕作成が可能になると考えている.この復唱方式の簡略図を図11に示す[18].

復唱方式による音声認識情報保障システム
図11 復唱方式による音声認識情報保障システム

そして,音声認識の誤認識の修正には,音声を聞いてすぐに入力する文字通訳とは異なる困難さがある.それは,復唱者がいるいないにかかわらず,音声認識の結果はある程度まとまった文章を認識プロセスにかけるため,表出までに数秒かかる.このため,音声認識された文字が表出されるまで,修正担当者はもとの発話音声の内容を記憶しておく必要があり,聞いてすぐ入力するのに比べて記憶の把持時間が長い.場合によっては元の発話者が発話してから,誤って音声認識された文字が表出するまで5秒以上かかることもあり,そこから誤った文字列を修正するのは至難の技である.もちろん,最初の認識精度が高ければ修正作業は少なく済むが,これは音声認識技術の進歩との兼ね合いになる.

専門用語の辞書登録をこまめに行って分野ごとや話者ごとの音声認識用の辞書をこまめに作成するか,機械学習に任せて認識精度の向上を期待するかの議論に決着はつかないが,現状のところは,音声認識を利用して聴覚障がい者に情報を伝えようとしている側が認識された文字を確認しながら,必要に応じて言い直して再度音声認識で伝えるか,どうしても正しい文字が表出されない場合には手書きで補足するなどの工夫を行い,確実な情報伝達に留意する必要があると考えている.

3.遠隔情報保障システムの活用事例

これまでに述べた遠隔情報保障システムを実際に活用した場面について以下に詳述する.

3.1 学会・学術場面の遠隔情報保障

遠隔手話通訳システムの研究を多く行っていた2005年から2010年の時期には,パソコンスクールの授業支援,学会における支援と大学の授業支援で活用した.これらの遠隔情報保障支援を実施するためには,十分な下準備が必要になる.事前に現地と通訳を実施する場所との通信が可能であるか,十分な通信帯域が確保できるか,通信テストを行うこととしている.現在ではインターネット回線の帯域が広くなり通信速度が十分であることが多いが,パケットロスが発生しない状況での最低の帯域を384kbpsでテレビ会議システムに設定して運用していることが多かった.この遠隔手話通訳システムを活用して行った支援では,それぞれ学術的な専門用語や,カラーコーディネータ関係や社会福祉関係の授業での専門用語などについて,キーワード表示を効果的に活用して,遠隔情報保障支援を実施した.このキーワード入力・提示システムについても若月が開発を行い[19],すべてを入力するのではなく,登録している単語や一度入力したキーワードが再度話されたときに履歴を活用した高速な入力を可能とした.ただし,これらの高度に専門的な内容の通訳を実施する場合,講演者や授業担当者からの資料の提供が必要不可欠である.

手話通訳者には,講師映像,通訳を実施している対象の聴覚障がい者映像,講義資料または文字通訳を併用しているときには文字通訳情報,それに自分自身がどのようにユーザに表示されているかを確認するための送信映像の4つを提示して手話通訳を実施した.通訳者に加えて,資料への書き込み担当者やキーワード入力者を手話通訳スタジオに配置して,遠隔手話通訳を実施した.手話通訳者への提示画像を図12に示す.

遠隔手話通訳システムで手話通訳者への提示映像例
図12 遠隔手話通訳システムで手話通訳者への提示映像例

3.2 鑑賞サポートとしての遠隔情報保障

次に劇場での情報保障についてで述べる.大阪にある国際障害者交流センターの鈴木京子副館長や現在(一社)日本障害者舞台芸術協働機構の代表を務める南部充央氏らの依頼によって,この交流センターで実施される劇やイベント等への遠隔情報保障を実施することになった.そもそも,劇場ではみんなが楽しめる舞台鑑賞を目指した鑑賞サポートの充実に取り組んでおり,当センターはその先駆けと言える存在である[20].筆者が協力した最初のイベントでは遠隔手話通訳と遠隔文字通訳の両方を実施したが,それ以降の舞台を使用したイベントの遠隔文字通訳にかかわっている.印象深いのは狂言とコンサートの遠隔情報保障である.大阪のセンターからつくばの遠隔情報保障スタジオや情報保障団体に接続して,上述したUDPコネクタシステムなどで遠隔情報保障を実施した.

狂言では,独特のセリフ回しがあるため,事前に脚本と同じ演目を上映した動画を提供していただき,文字通訳者が事前に十分な予習を行って本番に臨んだ.途中で演者が誤って複数のセリフを飛ばしたときにも,飛ばした先のセリフの文字表示にそれほど遅れることなく表示できたのは,文字通訳者の予習によるものである.また,コンサートの場面では,楽曲の歌詞は事前に提供していただき,歌唱に合わせて表示し,演者のMCはリアルタイムで入力するといったように,状況に応じて柔軟に対応している.

劇場での文字表示は大型スクリーンや大型モニタを用いて実施することが多いが,これらは舞台の端に設置されることが多いため,舞台の中央で演じられる演者と文字通訳を同時に見ることが難しい場合がある.このため文字通訳場面では,メガネ型ディスプレイを試用したことがある.これは透過型のメガネ型ディスプレイに字幕を表示するもので,劇を演じている演者と字幕の情報保障を同時に見ることができるツールである.ただし,ユーザからはメガネを着用している場合にその上にメガネがかけにくいことや現時点の機器では目が疲れるという指摘があるが,これらの課題が解決されるとより多くの場面で活用されることが期待される.

また,タブレットのような小型端末に字幕を表示させることも試用しており,今後どのような情報提示が劇場での鑑賞サポートに適したものとして標準化していくのか,興味深いところである.

この劇場での鑑賞サポート充実にかかわる過程で行ったことの1つに,字幕提示用の機材操作ができるスタッフの育成がある.これまで紹介してきた遠隔情報保障の技術はなにも本学だけの技術ではなく,さまざまな場所や場面で活用されることが,誰もがいつでもどこでも必要な情報を得るために必要なことである.そのためには,これらの遠隔情報保障を運用できる人材の育成が必要となる.最初は筆者が機材の組み立てや運用を行う場面の見学から開始し,マニュアルを学習者が作成し,劇場で専用の機材を購入・設置し,実際の運用を体験することで,現在では劇場や鑑賞にかかわるスタッフでの運用が可能になっている.このように,劇場やホールのスタッフでこれらの遠隔情報保障技術の活用が可能になれば,将来的にすべての劇場で充実した鑑賞サポートの実施が可能になると考えられる.

3.3 そのほかの活用事例

そのほかに実施した例をいくつか紹介する.1つは結婚披露宴での情報保障である.これも,事前に式場に伺い,式場のスタッフとインターネットの回線の状況や会場の音声取得に関する打合せを実施し,式の進行を妨げない場所での機材展開に留意し,字幕提示にはPSPを用いて卓上に置いて提示するなど,字幕提示場所を固定することなく,さまざまな方向を見ても情報保障が受けられる環境を提供した.

最近ではJRAの協力を得て,中山競馬場の見学ツアーの際の情報保障で遠隔情報保障を実施した.このとき一番大変なのは,レース実況の通訳で,会場に流れるアナウンサーの音声をスマートフォンをスピーカの真下に置いて取得し,音声送受信のアプリで文字通訳者に送信して実況内容の文字通訳を試みた.このために,事前にレースの実況映像でアナウンサーの話し方の特徴を調べ,出馬表を事前に用意することで,連呼される馬番と名前の表出の準備を行ったが,実際には音声を聞いてから入力するため,リアルタイムでの情報保障は難しいということが明らかになった.

3.4 遠隔情報保障のコーディネート

学会等でこれらの情報保障のコーディネートを担当することが多いが,かなり業務の工数は多い.裏方の業務ではあるがより良い情報保障を提供するのに必要なプロセスなのでここで詳述する.

まず情報保障の申込みを受付け,要望する情報保障手段を手配する.その際に,遠隔で情報保障を実施するか,現地で情報保障を実施するかは,開催場所や開催時期などを勘案し,適当な通訳手段と通訳依頼先を探し,依頼する.ここでの手配が滞らないために,事前に申込みがあった際には情報保障者の派遣団体に事前に依頼することもある.

情報保障の人材確保の目処がついた後,情報保障が実施されることを発表者に連絡して,事前資料の提供を依頼したり,発表時の注意事項などを伝達する.そして事前に提供された資料を,通訳団体に提供する.学会などの場合,予稿用の原稿を事前に提供し発表スライド資料を直前に提供して,通訳に向けた準備に活用していただいている.通訳者は必ずしもその分野に精通しているわけではないので,必要に応じて内容に関する予習や,パソコン文字通訳の場合には,単語登録を行っておくなどの事前準備を行う.学会によっては予稿集の発行日を開催日の1週間前に設定しており,そのタイミングで担当予定の手話通訳者や文字通訳者へ情報提供が可能となっているところもある.

運用面の準備としては,遠隔情報保障を実施する場合には,必要に応じて会場での通信テストを実施したり,事前の現地確認にて,どの位置に手話通訳者が立つのか,文字通訳のスクリーンをどこに配置し,必要な機材をどこに展開するのか,また,遠隔にいる通訳者にクリアな音声を届けるために,その会場のパワーアンプからの音声出力が可能かどうかなども調査する.このとき,初めての会場の場合まず会場のネットワークや音響等の機材管理者に,遠隔情報保障の必要性や仕組みについて説明して,音声出力に協力してもらうことが不可欠だが,必ずしも叶えられることでもないので,必要な場合は遠隔情報保障用だけにマイクを持ち込むこともしばしばある.

そして,当日の運用としては,通訳者側の機材準備に加えて,現地側での機材組み上げと音声や字幕,手話通訳の映像が相互に問題なく送受信しあえているかのテストを開始前に実施する.安定した運用のためには,遠隔で手話通訳や文字通訳を実施する最中にも,音声が途絶えたり文字が送信できていない,というトラブルが起きないかを監視する機材周りのスタッフが必要となる.

本学では,授業における遠隔情報保障システムの運用に限らず,現地で文字通訳を行って情報保障支援を実施する場合においても,機材見守りのスタッフを配置して,緊急事態に備える体制を取っている.

学会等の通訳の実施後は,延長などが発生したか終了時刻の確認を行い,次回に活かすための反省点などを簡単に聴取し,事後に主催者に通訳に関する請求書を送付し支払いが終わると一連の活動が終了する.これまでに複数の学会支援にかかわってきたが,最近では情報保障に関する理解が広がってきたこともあり,事前資料の提供などに快く応じてくださる発表者がいてありがたく感じている.

このように非常に工数の多いコーディネート業ではあるが,誰もが参加できる学会づくりのためには情報保障に関する理解・周知とともに遠隔情報保障を活用していつでもどこでも必要なときに情報保障を実施できるようになってほしいと考えている.なお,情報保障を実施したことのない学会もまだまだ多くあるが,情報保障を提供するのは主催者として必要なことであることを書いておきたい.

4.遠隔情報保障システムの評価

遠隔情報保障システムの評価例について述べる.遠隔情報保障システムのユーザは,手話や文字で情報を受け取る聴覚障がい者だけでなく,講師や演者などの情報を発信する人,そして手話通訳や文字通訳など通訳を担当する人,の少なくとも3者であると考えている.これらのいずれもが満足できる運用が理想的な形と言える.

4.1 聴覚障がい者による評価

4.1.1 授業場面での遠隔手話通訳映像に対する評価

初めに,遠隔手話通訳で授業の支援を実施したときの,受講した聴覚障がい学生の評価について述べる[21].講義15回のうち,(1)手話通訳+キーワードの画面構成で90分授業を2回のべ6名と,(2)手話通訳+キーワード+講師スライドの画面構成で90分授業を2回のべ5名による評価を図13に示す.

遠隔手話通訳システムで授業を受けた際の評価結果 ■手話通訳+キーワード ◆手話通訳+キーワード+講師スライド
図13 遠隔手話通訳システムで授業を受けた際の評価結果
■手話通訳+キーワード
◆手話通訳+キーワード+講師スライド

これは,かなり理解できなかったに1,かなり理解できたに7を割り振って平均値を計算したものである.「講義内容は理解できたか」「手話通訳の手話は理解できたか」の質問のいずれに対しても,「手話通訳+キーワード+講師スライド」条件のほうが高い結果となった.

これは,講師スライドが合成されていない場合には,前方のスクリーンに提示されているもの,もしくは印刷した手元にあるものを参照しなければならず,情報取得のための視線移動が多かったためではないかと考えている.

4.1.2 遠隔手話通訳システムを授業で活用した際の評価

筆者は,以前に講師スライドとキーワードを合成した手話通訳システムを,筆者自身が担当する遠隔講義に活用して授業に活用したことがある[5].このとき,筆者は本学のスタジオで,遠隔手話通訳者の席に1人で座り,資料提示用ノートパソコンとキーワード入力用ノートパソコンを併用して授業を実施した.キーワード表示は,2択の質問を行う際には単語間にスペースを開けて併記して,指差しでどちらかを選んでもらうなど,複数の機器を操作しながら遠隔にいる2人の聴覚障がいの生徒に指導した.このときの授業の様子を図14に,生徒の評価結果を表1に示す.

遠隔授業の様子
図14 遠隔授業の様子
表1 遠隔手話通訳システムを用いた授業の評価
遠隔手話通訳システムを用いた授業の評価

生徒2名の評価は,手話の読みやすさ,先生の話の分かりやすさ,コミュニケーションのしやすさ,の項目で,いずれも肯定的な評価であった.少人数でのやりとりなので,相互に話が伝わっているか,理解を確認しながら進めることができることと,大事な専門用語はキーワード領域に提示してメモを取らせるなどの工夫をさせたのが良かったのではないかと考えている.一方で,対面授業と比べたときの疲れやすさはどちらとも言えず,もしかすると画面での手話の読み取りで目が疲れた可能性はある.また,この授業の教室側での機材準備は教諭の指導のもと,生徒自身で行わせたので,少し大変だったようである.

4.1.3 見学場面でのモバイル型遠隔情報保障に対する評価

本学の専門の講義では内容の理解を深めるために見学を行う場合がある.ここでは,2つの見学場面でモバイル型遠隔情報保障システムを活用した際の評価について図15に示す[22].

モバイル型遠隔情報保障システムを用いた工場見学時の評価 ■:工場見学A ◆:工場見学B
図15 モバイル型遠隔情報保障システムを用いた工場見学時の評価
■:工場見学A   ◆:工場見学B

工場見学Aは9名で見学を行ったときの結果で,携帯電話の通信環境が悪い場所は1カ所だけであったのに対し,工場見学BはAとは別の21名で見学に行った際の評価で,字幕が表示されないときは手話通訳で情報保障支援を実施した.

この結果から,工場見学BでのQ3より電波状況が悪いときは,表示の遅延が気になることが分かる.Q4やQ5より,見学時のサポートシステムは今後必要になる,役に立つと考えられていることが分かる.

最後のQ7では,工場見学Aのグループはどちらとも言えない,工場見学Bのグループはやや字幕サポートのほうが良いという結果となり,これは説明内容の専門性や情報を受け取る側の嗜好が反映された結果ではないかと考えている.

4.2 情報保障者による評価

4.2.1 授業場面での遠隔手話通訳者による評価

授業場面での遠隔手話通訳を実施した際の,手話通訳者の評価を例を図16に示す.これは,本学の遠隔手話通訳スタジオから他大学の授業の支援を行ったときのもので,「手話通訳+キーワード」画面を提示したときと,「手話通訳+キーワード+講義資料」を提示したときの手話通訳者9名ずつの評価である[23].

授業場面での遠隔情報保障システムの評価結果
図16 授業場面での遠隔情報保障システムの評価結果

ここから特徴的な結果を述べると,講義資料は大変参考になったとの評価を得た.これは,専門性の高い学術場面での手話通訳では,手話通訳者は事前に可能な範囲で専門的な内容の予習や使用される専門用語の手話表現について調べること,また,実際の学術場面の手話通訳を実施している際にも,いまどこの内容を話しているのかをリアルタイムに知ることはより良い通訳を実施するのに不可欠であることを示している.同時に,専門用語に対応する手話単語がない場合には,指文字で表出するが,この表出をキーワード領域の指差しで完了する.そして,最後の「手話通訳映像は参考になったか」という質問では,手話通訳+講義スライド+キーワードの場合が,他方より評価が高い.これは,ユーザである聴覚障がい者に提示される自分自身の映像を確認することで,合成された講義資料部分やキーワードを正しく指差せているかを把握することができるからであろう.

4.2.2 遠隔文字通訳者による評価・意見

遠隔文字通訳者にとって,遠隔から通訳できるということは現地に行く必要がないので,活躍の幅が広がることが期待できる.現在は,コロナ禍で遠隔情報保障システムへの期待が高まっているが,T-TACCaptionやCaptiOnlineなど,在宅入力ができるシステムが開発されているので,文字通訳人材を全国で活用することができるようになってきている.

遠隔にいる文字通訳者にとっては,まずは音声が送られてくることが必須で,モバイル型遠隔情報保障システムなどでは現場映像は見られないが,遠隔の文字通訳者をサポートするアイディアとして,(1)映像提示や(2)キーワード提示の手法を実践している[24],[25],[26].(1)映像提示では,遠隔地にいるリアルタイム提示システムの入力者に複数の映像を提示したところ,講師と視覚的な提示資料(Microsoft社製パワーポイントや板書)を提示することが望ましいという結果が得られた.(2)キーワード提示では,講師が発話した専門用語をサポート担当の人が入力するシステムで,講師映像に合成して提示したり,別のスクリーンに提示して入力のサポートを実施する.これらの有効性を示す研究成果は出ているが,現在では遠隔での音声・映像はZoom等のビデオ電話アプリケーションで資料を画面共有で見られるようになったこともあり,パソコンに向かって入力しながら使用の確認が可能となっている場合が多い.

5.まとめと今後の展望

本稿では,聴覚障がい者のための情報保障をインターネットを介して遠隔から手話通訳や文字通訳を実現するための遠隔情報保障システムについて概説した.ユーザである聴覚障がい者の視線移動の負担を軽減するため,手話通訳者映像に,手書きの書き込みを加えた講義スライドと,高速入力を可能にしたシステムから入力されたキーワードを合成したシステムを開発した.必要な情報を集約することで情報取得を行いやすくすると同時に,手話通訳者にとって負担の大きい指文字表現を減少させて指差しで表現できるようになった.

遠隔の文字通訳システムは,当初は電話回線で情報の送受信を行っていたものをインターネットで実施するようになり,UDPCOnnectorシステムのようにサーバを経由して音声・映像情報と文字情報をやりとりし合うシステムによって1カ所に集まって遠隔情報保障を実施できるようになった.東日本大震災時の支援や見学時の支援でモバイル型遠隔情報保障システムが使用され,システムの準備が簡便化された.その後,インターネット回線を介して簡易な運用を可能にしたT-TACCaptionシステムや,さまざまな準備や運用のコストを削減するためのWebベースの文字通訳システムCaptiOnlineが開発され,現在では在宅での入力が増えてきている.

これらの利用場面としては,大学や初等中等学校での授業場面や学会などの学術場面,舞台公演や演劇などの鑑賞サポートとしての情報保障,結婚式の披露宴などのイベントでも活用されている.研究当初はテレビ会議システムなど大掛かりな機材を多数利用していたが,現在ではパソコや場合によってはタブレットやスマートフォンでも情報保障支援サービスを受けられたり,文字通訳を実施できるようになってきている.

遠隔情報保障のコーディネート業務についても詳述したが,遠隔情報保障システムに限らず,音声認識などの聴覚障がい者の情報保障がより充実していくためには,周囲にいる障がいのない人たちの理解・啓発も必要になる.学会などで資料の提供に協力いただける発表者の方が増えてきているが,誰もが本稿で詳述した情報保障システムを理解して使いこなすようになることで,共生社会の実現につなげていくことが期待される.

参考文献
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  • 26) 西岡知之,三好茂樹,河野純大,加藤伸子,村上裕史,内藤一郎,皆川洋喜,白澤麻弓,石原保志,小林正幸:遠隔地リアルタイム字幕提示システムにおける字幕作成者に対するキーワード提示について,信学技報,WIT2005-90, pp.93-96 (2006).
脚注
  • ☆1 NCK-C方式:NCK(日本遠隔コミュニケーション支援協会)が開発した遠隔情報保障システムの1方式.データ通信端末でWANとLANをブリッジするB方式に比べ,データ通信端末とVPNルータを活用することで運用コストを低減した.
河野純大
河野純大(非会員)kawano@a.tsukuba-tech.ac.jp

2002年京都工芸繊維大学大学院生産・科学専攻修了.同年筑波技術短期大学聴覚部電子情報学科情報工学専攻助手.2005年筑波技術大学産業技術学部産業情報学科助教授を経て現在同大産業技術学部総合デザイン学科准教授.福祉情報工学,ヒューマンインタフェースの研究に従事.ヒューマンインタフェース学会理事,日本特殊教育学会,ライフサポート学会などの会員,博士(学術)[京都工芸繊維大学].

投稿受付:2022年6月28日
採録決定:2022年9月2日
編集担当:鬼塚 真(大阪大学)

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