会誌「情報処理」Vol.62 No.11(Nov. 2021)「デジタルプラクティスコーナー」

DXのプラクティス~ニューノーマル時代を生き延びる~

インタビュイー:境 真良((独)情報処理推進機構),三部良太((独)情報処理推進機構)
インタビュアー:吉野松樹((株)日立製作所),藤瀬哲朗((株)三菱総合研究所)

(独)情報処理推進機構(IPA)がDX先進企業22社に対して行った調査結果をまとめた解説論文「DX先進企業から見るDXの現在地,構造,方向」の著者である三部氏,本特集号ゲストエディタの境氏に調査結果から見えてきたDX成功のための4つのポイント(1)DXの方向性の合意,(2)デジタル技術の導入,(3)実事業への適用,(4)体制と人材,について事例の紹介,IPAの取り組み,今後の展望について話をうかがった .

境 真良
境 真良(正会員)((独) 情報処理推進機構)
1993年東京大学法学部(政治コース)卒業,同年,通商産業省入省.主にコンテンツ産業政策,情報産業政策に従事.東京国際映画祭事務局長,早稲田医学大学院国際情報通信研究科准教授,経産省国際戦略情報分析官(情報産業)等を経て,2018年から(独)情報処理推進機構に出向し,DX推進を担当.2020年からiU(情報経営イノベーション専門職大学)准教授(専任)も兼業している.社会情報学会会員.
三部良太
三部良太(正会員)((独) 情報処理推進機構)

1990年電気通信大学計算機科学科卒業.1992年東京工業大学大学院総合理工学研究科修士課程修了.同年(株)日立製作所入社.システム生産技術に関する研究に従事.2018年工学博士の学位を取得. 2019年から(独)情報処理推進機構に出向し,DX推進を担当.電気学会会員.

吉野松樹
吉野松樹(正会員)((株)日立製作所)
(株)日立製作所.IoT・クラウド事業部ミドルウェア本部所属.本会論文誌トランザクションデジタルプラクティス編集委員長,資格制度運営委員会副委員長.本会フェロー.博士(情報科学).
藤瀬哲朗
藤瀬哲朗(正会員)(三菱総合研究所)
(株)三菱総合研究所.電気通信大学大学院修士課程修了後,三菱総合研究所入社,現在に至る((財)新世代コンピュータ技術開発機構研究所主席研究員,慶應義塾大学SFC研究所訪問所員,同大学SDM研究所研究員,(独)情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター主査).高性能計算にかかわる研究,ソフトウェア工学および高信頼性システムの調査研究,研究開発事業マネジメント業務に従事.

吉野:本日は,本特集号のゲストエディタをお願いしていますIPA(情報処理推進機構)のDX推進部の境様,特集号解説論文を寄稿いただいた同じくIPA DX推進部の三部様に,本特集号コーディネータの藤瀬と吉野がお話を伺う形で進めさせていただきます.よろしくお願いいたします.

境,三部:よろしくお願いします.

吉野:今回,「DXのプラクティス~ニューノーマル時代を生き延びる~」という特集を組みました.三部様に寄稿いただいた解説論文「DX先進企業から見るDXの現在地,構造,方向」では,DXに成功している企業22社を幅広い業界から選び,インタビューした結果をまとめられています.このインタビューでは,この論文で述べられているDXに成功している企業の4つのポイントついて掘り下げてお話しを伺うとともに,関連するIPAの支援,施策について伺いたいと思います.

組織が目指すDXの方向性の合意

吉野:まず,「組織が目指すDXの方向性の合意」がDXを成功に導く上で非常に重要であると,調査の結果からまとめておられます.この辺りで何かお話がございましたらお願いしたいと思います.いかがでしょうか.

境:DXの話題が出始めた2017年あたりからすると,現在IPAあるいは経済産業省が見ているDXのポイントが変わってきていると思うのですね.よく言えば,進化している.悪く言うとターゲッティングが少しぼやけているという部分もあるかもしれません.

一番初期の段階では,「2025年の崖」という表現がキャッチーに出ていたように,エンタープライズ・コンピューティングをめぐる環境が変わっていくことにどう対応するのか,というところにポイントが置かれていた.悪い言い方をしてしまうと,昔あった,もうメインフレームの時代ではないダウンサイジングだとか,クラウドの時代だという話の,変奏曲です.この問題は環境への対応という受け身な課題であるため,たとえば古い環境のエミレーションで凌いでしまうという解決策もあり得るわけです.

しかし,今このタイミングで考えなければいけないことは,ネットワーク環境が確立した中で,システムが連携していく,連携していけるようになった中で,企業のシステムはどうあるべきか,ということだと思います.要するに,企業としてスタンドアローンでものを考えてはいけない,ということです.今,デジタル庁が動いていますけれども,納税もe-Taxでできる環境で,会計システムと納税システムはばらばらで,会計システムで計算した結果を納税システムに人間が再入力するなんて仕事は,まったく意味が分からない.そして,いろんな形でシステム間は連携していく中で,人間がやらなくてもいいことが増えていく.

人間がやらなくていいということは,人減らしと捉えるのではなくて,人間に任せてしまうといろんな負担が人間にかかるところを機械に任せることによって,業務開発の可能性を増やしていくとか,処理速度など人間の能力ではどうしても限界がある壁を乗り越えられるようになったのだ,と捉えるべきなのでしょう.これはSociety 5.0につながる話ですが,こう環境変化を捉えて能動的に対応しようとすると,レガシーシステムを温存するのは解として間違っているという結論になるということだと思うのです.

だからこそ,今,レガシーシステムをどう変えるかという議論を乗り越えて,新しい仕組みをどう作っていくのかという方にDXのポイントが移ってきている.ところが,経営陣のITに対する理解が低いと,ITシステムを総務部が管理している電球かなんかと同じように考えてしまい,LEDになって安くすむの? それはよかったねとなる(笑).そういう感覚で,「クラウド」を捉えてしまうと,安く使えるの,それはよかったね,で済んでしまう.それでは「クラウド」の本来の可能性が理解されない.そこで,「クラウド」をどう使うのかというところまで考えるなら,企業の在り方とシステムの在り方が相関しているというところまで,まず理解してもらわなくてはいけない.

関連して,ちょっと話が長くなりますが,DX推進指標についてお話しさせてください.我々は,DX推進指標を企業として記入して,IPAに提出するようにお願いをしています.それをまとめて年1回,統計的に見て現状どうなっているかをレポートしています.実は,ここで重視しているのは,それを記入する過程です.ここはすごくこだわっているポイントでして,記入するのはCEO(Chief Executive Officer),代表取締役取ないしはそのレベルの方にお願いしています.そういう人たちが記入するにあたって,横で,専門家であるIT系の者がサポートをするはずです.そこが実はDX推進指標の提出を依頼していることの肝なわけです.そこで期待しているのは,ここで初めて,IT部門が,CEOとか代表取締役という,経営の中核にいる人間ときちんと話をする.その説明の中で,なるほど,こうだったのか,電球とは違うんだ,という気付きをぜひ持ってくれることなのです.各企業の内部に立ち入って聞いているわけでないので,ちゃんとやってもらえているか少し不安ではありますが,ただ,ここに我々の重点がある.DX推進指標について三部さん,補足をお願いします.

三部:DX推進指標は,2019年7月に経産省が作った指標です.これは,DX推進のための経営の在り方や仕組みに対する指標と,DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築に関する指標の,大きく2カテゴリに分かれています.経営に関してちゃんとやるべきことをやっているか,ITシステムがちゃんとそれに対応できているかを,それぞれ項目ごとにゼロからレベル5まで,6段階で評価する指標になっています.2019年から,このDX推進指標の自己診断結果の収集と,ベンチマークをIPAがやっています.2019年に287件,2020年に351件,実際に自己診断していただています.分析レポートが公開されていますので,それを見ながら各企業で自分たちの立ち位置を理解するという使われ方をしています.

境: DX推進指標を発展させる形で,DX企業認定が始まっています.こちらではDX推進指標やデジタルガバナンスコードに基づいて,自らDXを実現する計画を自分たちで考えて定義するようお願いしています.さらに1回は,それを実現する自らの状況をDX推進指標などで確認していることを求めています.その上で,企業としての決定を経営者がちゃんと自分の言葉,自分の責任において対外的にコミットしていますかということを問うています.覚悟と言うとなんですけれども,きちんとCEOなり,CxO(Chief x Officer)が,引くに引けない形で打ち立てているのか,というのを我々は見ています.この認定を受けることが今年から始まるDX減税の要件になります.

DX企業認定についても三部さんから補足説明お願いします.

三部: DXがある程度のレベルに達した企業が,DX企業認定に進むということになります.このときに1番重要視するのが,DXの取り組みを何かとりあえずやっているというだけではなくて,経営陣がコミットして,経営会議の中である種の合意をして,それをきちんと公開しているかということです.そこを,我々がチェックをします.DX企業認定は,IPAで一次審査をして,最終的には経済産業省の認可が下りて認定するという仕組みです.一次予備審査の段階で,現場だけで動いているのではなくて,経営者もちゃんとその活動に対してコミットしているかという点を確認します.

境:ここで言いたいことは,CEOに現状を理解せよと,そして自分の責任において,DXをやるというコミットせよということです.

なんでDXが今までできなかったのかということを逆算して考えると,決してCEOとか,CxOが理解していなかったということだけではないと思っています.DXを進めるために人間とシステムが連携する形を作り込んでいくと,当然現場の業務の在り方が変わってしまいます.これまで,自分が横の人に申し送ればよかったものをコンピュータに指示しなくてはいけなくなるとか,いろいろなことが変わってくる.それは難しいとか,面倒だとか,あるいは,企業によっては,部門間の役割分担,力関係が変わってしまうとか,いろんな事情が障壁になって,忌避してしまう部分が私はあると思っています.そういう企業内のさまざまな軋みを乗り越えて,企業として変わっていくためには,やはり企業トップのリーダシップが不可欠になると理解しています.

「組織が目指すDXの方向性の合意」を重視するからこそ,組織の目指す方向性について,CEOが引けない状態を作ることを確認したいわけで,IPAはDX企業認定や減税といった仕組みの運営により,そのためのメリットというか,インセンティブを整備しているということです.

吉野:ありがとうございます.

2017年ぐらいにDXの壁と言われていた頃からすると,DXのポイントが質的に変わっていて,古いシステムを早く何とかしなければ,という議論から,事業をデジタルを活用してどう変えていくかという議論に移っている.また,それは現場の話だけではなくて,企業の方向性としてどうするのかというレベルの課題であり,ある意味,SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とか,環境に対する考え方とか,そういうものと同じレベルで企業として取り組み,目標を対外的にコミットすべき課題である,と理解しました.

IPAでは,経済産業省と一緒にDX推進指標ですとか,DX企業認定といった事業に取り組まれていて,企業のトップに対してDXの重要性を認識してもらうという活動を進めていらっしゃるということですね.

藤瀬:10年ほど前の話ですが,IPA/SEC(ソフトウェア高信頼化センター)の「つながる」システムプロジェクトを担当していたときに,日本ではどうしても技術に視点がいってしまって,それを使ってどんな社会を描きたいとかという議論がおろそかになってしまうという話がありました.そこをもっと議論してほしいということを私もセミナ等で話をしたりしていたのですけれども,これがなかなか通じませんでした.どんな会社にしていくのか,どんな社会を目指していくのかについて,リードする側が描けているかが問われると捉えましたが,いかがでございましょうか.

境:そういう部分もあると思います.企業の業務と情報システムというのは,それぞれ反映し合っているように思います.あえて別な言い方をすると,たとえば,契約を結ぶときにリーガルのチェックをしようとして弁護士事務所に頼んでみたり,会計は会計事務所に入ってもらったり,いろいろするじゃないですか.いろんな下請けというかパートナーと私たちは仕事をするのですけれども,なぜか情報システムの世界になると,人間を介さないでシステムが連携して下請けなりパートナーなりになっていますというのは,あるようであまりないように思うのですね.

藤瀬:はい(笑).

境:それはおかしいですよね.人間同士がそうならば,機械同士もそうあっていいのではないかと思うのですよ.

そう考えると,なぜ私たちはそういうふうに機械の世界を作らなかったのだろうかという素朴な疑問すら起きます.人間社会が効率化をしていくということと同じようなことを機械の世界でもどうしてできないのか.もちろんできる範囲でとなると思うのですけれども,これにはすごくショックを受けます(笑).

DXを実現するデジタル技術の導入,開発

吉野: 三部さまの解説論文で,2番目のポイントとしては,DXを実現するデジタル技術の導入,開発が挙げられています.技術もいろいろあり,業界,業種によって,コアになる技術というのはいろいろ千差万別と思いますけれども,調査された範囲ではどのような技術がコアとなるという印象を持たれたでしょうか.

三部:20何社かヒアリングにまわったのですが,最先端の技術を導入しているというよりは,自分たちの方向感に合わせて,技術を使い倒すと言いますか,使いこなしているというところが成功しているという印象を持ちました.たとえば,ある企業では,あえて最新の技術は使わずに,枯れた技術を使うことを選択しています.方向性として,今後こういうことをやりたいというビジョンはあるのだけれども,今ある技術だとまだそこまで届いていないから,いったんそのプロジェクトはペンディングにして,技術が成熟するのを待つという企業もありました.この技術を使えば絶対にDXが浸透するというものはなくて,自分たちのやりたいことに合ったような技術を自分たちのものとして使いこなせるようになっている企業が成功しているという印象があります.

吉野:技術ファーストではなくて,業務としてやりたいこと,効率化したい業務というのが先にあって,それに適した技術を選んでいく.もし今,そういう技術がなければ,見切りをつけて,技術が成熟するのを待つ.そういう見極めも必要だということですね.

三部:そうですね.自分たちがやりたい,効率化したいということもありますし,自分たちがデジタルを活用してやりたいサービスとか,商品に合った技術を使いこなすことが上手くできたところが成功していますね.

吉野:現在の技術で乗り越えられない部分というのは,データ量の問題,性能の問題とか,あるいはセキュリティとか,いろいろ課題はあるかもと思いますけれども,どの辺りが厳しい課題で,技術的なブレークスルーが必要でしょうか.

三部:それぞれと言ってはそれぞれなのですけれども,1つのパターンとしては,やりたいことを実現するためのデータが,質的にあるいは,量的に揃っていないという場合があります.その場合,まずデータを貯めるところからスタートしましょうとか,データが貯まるまでいったんプロジェクトを止めて,貯まってきたら,再開するというようなやり方をしている企業があります.

別のパターンとしては,データはある程度揃っているのだけれども,その活用を人の介入なしにやろうという構想があったときに,今のAIの技術では人の介入なしでは実現できないといった場合に,まずは人も入った上で,人とAIを組合せたサービスで立ち上げて,AIの技術の成熟とか,学習のモデルの精度向上を待って,徐々に人の関与を減らしていくというようなやり方をしている事例もありました.そういう工夫をしながらちょっとずつ前進していくという努力をされています.

吉野:たとえば,自分たちがやりたいことを実現するためには,自社の持っているデータだけでは不十分で,他社が持っているデータと掛け合わせる必要があるけれども,データが流通していない状況が障壁となる場合もあるかもしれないですね.

三部:そうですね.コアとなるデータを持っていて全部は出さないのだけれども,ちょい見せしながらまわりのデータを取り込んでいく.データを提供した側にもメリットがあるようにバリューチェーンを上手く作れるとだんだん世界が広がっていくというようなやり方が上手くできている企業は,データを媒介としたエコシステムを実現しつつあるようです.ここまでいくと,先ほどの「つながる」世界に近づいていると思います.でも,そこまでできているところは,ヒアリングした中でも1社,2社とかで,まだまだこれからではないかなと思います.

吉野:少ないけれども,実現しつつある企業もあるということですね.

三部:はい.

藤瀬:デジタル化が進んでいないことが障壁になって,技術導入ができないという会社は結構ございますか.

三部:今回,ヒアリングした先はDXの先進企業を選んでいるのでそういった例はないのですけれども(笑),別プロジェクトの共通プラットフォームという取り組みで,業界の中で共通的な仕組みを導入することでDXを進めましょうという活動を行っています.その文脈では大企業とか,メインのキープレーヤはデジタル化が進んでいるのですけれども,中小の組織,メンバではやはりいまだにファックス,電話でやりとりをしているところがあります.そういう人たちをデジタルの世界に巻き込めると,デジタル化が一気に進むのですけれども,なかなか最初の一歩を,どうやって踏み出すかを皆さん悩んでいるようですね.

DXの実事業への適用,展開

吉野:では,次のトピックスに進めます.DXの実事業への適用,展開というテーマが,三部さんの論文では挙げられています.いわゆるPoC(Proof of Concept)は数多くあるけれども,なかなか実際のビジネスにつながらないという課題だと思います.ベンダ側から見ても,解決したい課題ですが,どうすれば,PoCが実事業につながっていくのか,その辺りの秘訣とか,IPAで何かそういうところを支援するような施策とか,ございますか.

三部:そうですね,ヒアリング先の多くの企業で言われていたのは,失敗を許す,つまり,ある程度の数を打った上で,1個でも,2個でも上手くいけばいいというようなマインドですね.経営陣もそういうつもりでまずは小さく初期投資して,ある程度の数を立ち上げた上で,有望なものには継続的に投資をし続けるというスキームを持っているところが多かったです.最初のトピックスの経営層のコミットメントと関係しますが,社長ですとか,そういうレベルの人がちゃんと守ってくれるということですね.

また,場合によっては,今のビジネスと相反するような動きとか,今のビジネスと競合するようなサービスもあるのですけれども,そういう場合にも,長期的な成長を見すえた上で,ちゃんと現行事業部からのクレームから守ってくれるとか,そういう横からのちゃちゃでせっかくのDXの取り組みが潰れないようにとか(笑),そういうご苦労をされているようなプロジェクトも結構ございました.

吉野:たとえば,分社化してしまうというのも1つの手段ですが,そこまではせずに,内部にとどめたままのケースが多いでしょうか.

三部:分社化というパターンもありますね.ある程度見通しがあって,継続的にそのサービスを続けられるぞとなれば,分社化した上でスタートするという取り組みをしているところもありました.

境:今の,三部の話のポイントは,さっき失敗を許容すると言いましたけれども,実はDXというのはある意味,緩さとか,無駄とすごく親和性が高いということだと思います.

たとえば,ある企業が何らかの事業をするために必要最小限のリソースの範囲で始めたとすると,予期しない状況があとで起きたときに,上手く対応できなかったりする.事業を始めるときに,絶対に成功する計画を立てるところから始め,計画通り,かちっかちっと前に進めて,コスト的にも乾いた雑巾をさらに絞って安くするといったやり方は,DXには全然馴染まないのですよね.

日本の企業経営として,失敗を許容するということにスポットライトを当てる議論はあるようでない.Googleの20%ルールに一時は注目も集まりましたが,今では話題に上ることは少なくなりました.でも,そういうことをきちんと実践して,事業の中で無駄とか,失敗のコストを盛り込んでおく.そういう余裕の中でPoCを実践し,トライ・アンド・エラーを繰り返しながら,うまくいきそうなものを実装するという進化のサイクルを実際にまわしていく.経営陣が,それぐらいゆったり構えて,リソースの配分をできるかどうかにすごくポイントがあるような気はしています.

三部のコメントを違う言い方をしてみたのですけれども,ここは,個人的には,DXの議論の中で強調していい部分かなと思います.

吉野:ありがとうございます.  

かつての高度成長期みたいに,何を作ればいいかは分かっていて,それをいかに効率的にやるかが勝負だった時代から,そもそも何を作ればいいのか,サービスを含めて,お客が何を望んでいるかが分からない時代になっている.そういう時代に生き残っていくためにはDX的な考え方が必要になってくる.そのためには多産多死というようなマインドでやらないと,上手くいきませんということですね.

DXを推進する体制と人材

吉野:次のトピックスは,DXを推進する体制と人材です.これは非常に大きな課題ですね.実は,デジタルプラクティスで2020年の1月号で「DX時代のスキル標準と人材育成」という特集号を組んだのですけれども,今,その特集の閲覧数が断然トップになっています.DXと人材育成ということに関して悩まれている方が多いのだなということをひしひしと実感しております.

人材育成に関しては,IPAはセミナとか,ホワイトペーパーとか,いろいろな施策をやられていると思いますが,いかがでしょうか.

境:DXを担える人材という話は,DXを人任せにしていいのか,ということがすごく大きなテーマだと思っています.人任せというのは2段階あって,社内で言うと,IT部門任せ.もう1つは会社単位で言うと,下請けというか,本当に下請けなのか分からないのですが,ベンダと言うか,SIer任せということですね.本当に下請けなのか分からないと言っているのは,下請けというのは,本来は元請けの指示に従い仕事をするものなのですが,企業システムの領域では,意外と下請けに何を作るかの企画までさせている場合がある.それは下請けではなくて,むしろ発注している企業が下請けと称する企業の奴隷になっているのではないかという気もしなくはない(笑),という意味です.ただ,いずれにせよそうした2段階の人任せという構図が,これまでの古い企業にはあったというふうに僕は聞いていますし,自分が属してきた古い組織にもありました.  

DXにはそういうのは馴染まないというのは,もう散々言われていますね.DXといっていいか分かりませんが,デジタルネイティブな会社,Web系の会社というのは人任せにしない.コンテンツ制作はHTMLベースで書いているので,これに機能を追加するという気持ちが自然に湧いてきて,どんどん現場の方で機能強化のアイディアも出てくる.

そういう意味では,今,自分がやっている業務をIT的な目線でも見て,ここはこうしたらいいよね,ああしたらいいよねということが言えるリテラシが現場にあることが,僕はDXの前提だと思います.問題はそのリテラシを身に付けるにはどうしたらいいのかということです.

いくつかあるやり方があると思いますが,1つは,たとえば,経産省はデジタル産業という言い方で,SIerもクライアント企業に入り込んで一緒に考えてくださいということを言い始めている.ITのプロとユーザ企業との連携というのはもっともっと深くならなければいけないよねということです.また,さっきのデジタルネイティブな企業では,だいたい若い人が変革を引っ張っている.本来は年齢の話ではないのでしょうが,ただ,これまで全然ITを知りませんでしたという熟練職員に研修を受けさせればけん引役になってもらえる,というわけではないのでしょう.そういう意味で,企業が従来のリアル過程の企業活動と,デジタルの領域での企業活動とのハイブリッドになっていくんだ,というふうに僕は理解しています.そこから,経営陣に,リアル過程の企業活動を所与としてITで現場がこう楽になるんですという話だけではなく,ITにこういう機能をこう足すと,こういう新しいビジネスが生まれますといった話を語れる人材がやはり必要だと思っています.そこには,外部から,若者やプロを入れてくるのか,あるいは,中の人で実は対応力がある人を抜擢するのか,そこは難しい,と.

自分自身,文系か,理系かよく分からない道を歩いてきている身としては,理系の情報技術の世界だけをかっちり学んだので企業の情報システムが分かるというわけでもないと思っています.逆に,理系の人材が法律の専門家として成長しているのもこの目で見ていますしね.こうした能力は,文系,理系で片付けてはいけない.だから,「八咫烏(ヤタガラス)人材」とうちのメンバはよく言いますけれども,足が3本あるように,技術も,経営も,現場も全部わかります,みたいな人材は存在しうるし,そういう人に活躍してもらうことが,最終的には解だと思うのですよ.

問題はそこに行き着くための,人材登用とか,育成のルートをどう考えるかが勝負かなと思っています.それを阻んでいるのが企業の在り方,内部で何年もいた人を登用するのが当たり前で,若い人を登用するのは合わないとか,外部から呼んだ人材を排除してしまうとか,そういうしがらみだと思っています.そして,こういう人材政策の在り方は,やはりCEOのITシステムへの理解度というものとすごく相関はあるのかなと思います.

三部:20何社か,まわった感触で言うと,DXに成功している企業にはキーパーソンという人が必ずいるのですね.それでそういう人は何をしているかというと,経営者とちゃんと話をして,経営者からお金とか,リソースとかをちゃんと取ってくるような動きができる.さらに,実際の事業の現場の人と事業の課題に関してちゃんとディスカッションして,今の課題をどう解決すべきなのか議論できる.さらに,それがデジタル技術をどう使えばできるのかをイメージできる.それができる人がキーパーソンとして必ずいて,そういう人がいる組織がやはりDXが成功している.先ほど境が八咫烏といいましたが,技術,経営,現場の3本足が,すべて完璧である必要はないのだけれども,少なくとも会話ができる,議論ができるというレベルの最低限の知識を持っている人がいるのがまずはキーポイントですね.  

それをどう育てるかというのはいろいろパターンがあって,他所から,たとえばデジタル企業から人をCTO(Chief Technology Officer:最高技術責任者)みたいな形で連れてくるパターンもありますし,今のIT部門の人を鍛えて,あるいは事業部門の人が自らそういうマインドを持って変わっていくというパターンもあります.八咫烏の3つの部門をローテーションさせることによって育てようという取り組みをしているところもあります.けれども,共通なのはその3つとちゃんと会話できるような人材を育てようということです.

藤瀬:その辺り,少し違う分野の話でもあるのですが,私は通訳と呼んでいます.要するに,いろんな分野の人と会話ができる,ある人とある人の話をつなぐことができるというので通訳と呼んでいて,通訳能力がある人が重要ということです.DARPA(Defense Advanced Research Project Agency:米国国防高等研究計画局)のプログラムディレクタなどもそうなのですけれども,必ずしもその分野のトップ人材ではないのですが,各分野のトップとその分野の議論ができるのですね.こういう人の存在が,重要だということが分かってきています.ですから,会社の中ですごく秀でた人がそれぞれの分野にいるとして,その人たちをうまく結びつけることができる人が大事だと思います.

三部:通訳というのは,アナロジーとしてはしっくりきます.言葉が違うとか,最初は会話にならなかったりするところを,橋渡ししてあげるみたいな能力は非常に求められると思っています.個人でできなければ,チームでやるでもいいでしょう,自分自身に権限がなくても,権限がある人を巻き込めるというような動きができるといいと思います.

吉野: DXの案件に携わっている人の話を聞くと,今までは経理システムだとか,受発注のシステムが中心だったので,いわゆる情報システム部門の人と話をしていたのが,DX案件,特にIoT系の案件をやろうとすると,製造現場の人と会話をしなくてはいけなくなる.そうなると,本当に話が通じない.話が一見,通じているように見えても,言葉の裏にある重み,その言葉の裏にあるいろいろな前提を理解しないと,話が通じない.表面的に話を聞いて,こんな感じですかと言っても,全然だめで,その裏には,こういう前提があって,こういう条件があって,そこまでインプリメントしないとシステムにならない.いわゆるドメインナレッジを理解しないとなかなかIoTのDXはできない.そこには通訳みたいな人がいないといけないという話は聞いたことはあります.  

境さんが最初に言われたベンダ側とユーザ側という観点で言うと,日本はIT人材がベンダ,ITサプライヤ側に偏っていて,8:2か,7:3ぐらいですよね.これは世界に類を見ない.アメリカとかでは逆で,ユーザ企業側にIT人材がたくさんいる.これは恐らく労働力市場の流動性との絡みもあって,大きなプロジェクトをやるときに全部正社員で抱えてしまうと,終わったあとその人たちをどうするんだという話になる.その辺から変わらないと解決しないのかなという気もするのですけれども,その辺はいかがですか,何かお考えとかはございますかね.

境:そこには日本特有の問題がありそうに思っています.僕の個人的な思いで申し上げると,ノーコード・ローコードという議論があるじゃないですか,自分としてはあまり詳しくなかったので,何年か前には海外のセミナに出たり,見本市に行ったりしたのですけれども,大多数は,システムがJavaScriptで自動生成したコードをHTMLで包んで吐き出しているのですよね.それは,マシン語等低レベルなコードで動くアプリケーションをごりごり作る世界とはちょっとレイヤが違うような気がします.やはりインターネット的な世界が社内外で環境的前提になっていて,Webサービスでいろんなものが実装されるというのが当たり前の世界で,ユーザの対応度も高められている.そういう目で見ると,そういうことを踏まえるとIT人材に必要されるスキルセットも日本とアメリカでは違うのではないかなというのを感じたことはあります.  

そういう意味では,ユーザの側の人材育成でいろんなことができるくらいにITの全体的な界面を上げていかないといけない.単に現場,頑張れという話ではうまくいかないと思っていて,この手の話をするときにはいつも気になっています.

吉野:アプリケーション側は,提供されているAPIを組み合わせて,順番に呼んでいけば,やりたいことができるといった環境をベンダ側というか,ITサービスのサプライヤ側が用意をしていくというような方向性でしょうか.

境:そうですね,そんなに単純にできるのか,そうはいってもできないだろうという思いもあります.全部を規格化していくというのは難しい話なので.  

日曜大工にたとえると,いろんな部材の規格が決まっているので,ホームセンターで買ってきたものを組み合わせると,ある程度のものはできる.もちろん,これではできない凝ったものを作ろうとしたら,部材から作る必要がある.規格品で作るレイヤと,部材から切り出してフルスクラッチで作るというレイヤとやはり2つあるように思える.今のITは,その既製品のレイヤ,APIで組合せというタイプのレイヤの厚みがすごく薄いなという感じは素人目にはしています.そこは現状,三部さん,どうですかね(笑).

三部:今回,ヒアリングをした先は,DXの先端企業で進んでいるところなので,スポーツでいうと国体レベルの人たちです.そういう人たちはベンダの使い方もある程度割り切っていて,自分たちがまだ知らない最新の技術ですとか,技術のコアの部分のチューニングはベンダに任せる.けれども,さっきの現場とのすり合わせみたいなところは,自分たちでスピード感をもって変えられるようにそのための人材を自前で用意する,というような区別をしています.  

国体レベルまでいかない部活レベルの人は,まずは先ほど境から話があったようなところからスタートして,まずはバッティングならバットに球が当たるようにしましょうとか(笑),そういうところで,成功体験を積んだ上で,さらにレベルアップする.そういうときに,論文で最後にも書きましたけれども成熟度モデルのようなものが参考になると思っています.それぞれのレベルに応じてベンタとの付き合い方も変化していくのではないかと思います.みんながみんな自分たちで作るのは,いきなりは難しいですから.

境:Amazonのようにほかの企業に使ってもらえるようなモジュールとか,サービスとかを開発して,提供して,それを新たなビジネスにしてしまうユーザ企業もあっていいですよね.

吉野:金融機関とかはいろいろそういう動きがあるのではないですかね.小さい金融機関は自力システムを用意するのはなかなか難しいので,大きいところがシステムを提供するとか,APIを提供するとか,そういう動きはあるのかなという気はします.

DXを超えてSociety 5.0へ向けて

吉野:これで,三部さまの論文に挙げられている大きな4つのトピックスはカバーできたと思います.DXの先にSociety 5.0という世界を見据えたときに,さらにデータをつないでいく,あるいはプロセスをつないでいくということがさらに大事になってくるのかなと思います.その辺り,今,DX先進企業がやっていることを積み重ねていけば,Society 5.0が実現するのか,あるいは,そういう世界を実現するにはまだまだ何かブレークスルーが必要なのかという,その辺りはどういう感触ですかね.

三部:今回,ヒアリングした中でも,まずは自分たちのDXからスタートしているのだけれども,さきほどの,ユーザ企業がサービスを売るみたいな話はありました.自分たちがやって,効率化できたものをプラットフォームとして,ほかの業界とか,場合によっては競合にも提供しましょうという構想です.そういうところが増えてくると,世界が変わってくるのではないかと思います.ただ,Society 5.0を実現するためには,グランドデザインみたいなものをだれかが描かないと難しいと思っています.そして,その役割を負うのはだれなのかという課題があります.我々IPAのDX推進部で取り組んでいる共通プラットフォーム構築支援事業は,ある分野の中で,みんなが困っていることをIPAが中立的な立場で入って,標準仕様を整備して,1社でできないことをみんなで,割り勘で安く作って業界全体で達成しましょうといった取り組みをしています.こういうことが,次々と生み出されていくような仕組みが必要なのかなと思います.

吉野:会社を超えて,つながっていく.それによって,だれか1人が得をするのではなくて,みんなが得して,お客さんも得する.そういうビジネスプランを描けるかどうかということですかね.

三部:グローバルで見たときに,もう日本国内で争っている場合ではなくて,オールジャパンで手を組んで,世界の巨人たちとどう対峙していくのかを考えていかないと,みんなズルズルとやられてしまう.巨人たちは巨人たちで追いつけないスピードで成長していくのに,我々が,スピード感,追いついていけないのではないかと危惧します.

藤瀬:ただ,その際データの共有化がどうしても絡んでくるのですけれども,データを出すのは容易ではない,出すことができるデータだけでは,結局,何もできないということがあります.規制か何かで後押ししてもらえないと有効なデータを出すのが難しい.なかなか壁があるなという認識がありますがいかがでしょうか.

三部:おっしゃる通りです.そこが1番大変というか,苦労しているところです.こういうときにまず議論するのは,業界の競争領域,非競争領域はどこですかということです.競争領域に関するような情報はそれぞれの会社で囲い込みたいでしょうが,非競争領域はそこを頑張ったからといって売り上げが上がるとか,そういうわけではないので,そこからスタートする.そこはみんなでデータも,お金も,人も出し合ってやりましょう.そうすれば,競争領域に注力できるじゃないですかというところから入っていくというアプローチを今やっているところです.

藤瀬:DXではアジャイル開発が当たり前だということで思い出したのですが,デジタルプラクティスでアジャイル開発の特集を組んで,全国大会企画セッション☆1でデジタルプラクティスライブという企画をやったのですが,その中で複数の講演でアジャイル開発についても,経営者の理解を得るのが難しいもしくはそれに類する話があり,経営サイドを説得するのが大変という話もありました.経営の理解や支援がなくては全体としては進まないとのことでした.

三部:そうですね.我々も業界団体と付き合うときには,上から攻め込むこともやっていますね.情報システム部門とだけ話をしていても,経営陣に話がいってひっくり返るということがあるので,経営陣に対してどういう説得をして合意を取るかというところからスタートして,上がやると言っているんだから,やるしかないみたいなアプローチを取ることもあります.

吉野:アーキテクチャの話は,IPAだとデジタルアーキテクチャ・デザインセンタ(DADC)が担当されていて,産総研にもデジタルアーキテクチャ研究センタが最近設立されています.その辺り,どういう方向感でやられているのでしょうか.

三部: 今のところ,ドメインはそれぞれで決めて進めています.共通のドメインを決めて産総研,アーキテクチャ・デザインセンターとDXチームで,共同で進めているというような形は今はできていないです.デジタル化を進めていって世の中を良くしようという最終目的はあって,登りたい頂上は一緒だよねという話はしています.アーキテクチャデザインはどちらかと言うとトップダウンに社会のあるべき姿からアーキテクチャに落として,さらに実装に落としていくといったアプローチで,実現しようとしてる.我々はどちらかと言うと,実際にやっている人たちの悩みを解決するためにまずはこの分野の中で共通化できるところをやっていきましょうという,ボトムアップ的なアプローチで進めようとしています.最終目的は一緒なので,いつかは一緒になるだろうという見通しで,方法論とか,考え方は,できるだけ共有しながらやっていこうということで,連携して進めています.

藤瀬:アーキテクチャがないとボトムアップの集合体になって,捨ててはまた作り直すということになりかねないので,アーキテクチャの構築はきちんとやってほしいという希望はあります.ただしアーキテクチャ自身の理解を進めるのもなかなか難しく,そこがネックというのが私の印象です.

吉野:システム的に考えたときに,DXが上手くいったときというのは,既存のシステムとDXのシステムというのが別々に存在するわけではなくて,融合して,既存のオペレーションの中にDX的な要素が組み込まれていくというのがひとつの姿かなと思っています.SIer視点では,そうでないとビジネスが大きくならないので面白くないという感覚はあるのですけれども,今回,成功されている事例というのは,そういう形になっているのか,あるいは,DXはDXで,ある意味,既存のビジネスと離れたところでされているのか,その辺はどうでしょうか.

三部:両方のタイプがありましたね.今までと違う市場に出ているとか,そういう新しいサービスを始めようというような会社は,どちらかと言うと,今のシステムとはあまり関係しないようなものを新しく作って,独立してまわせるようにするというアプローチを取っています.今の市場の中でさらに付加価値を上げるためにデジタルを使うというようなタイプのトランスフォーメーションでは,やはり既存システムも,ある部分は変えながら取り込んで,デジタルを組み入れた新たなその業務プロセスを作り直してというアプローチです.

吉野:やはり企業の経営の方向性がどっちを向いているかによって,当然ながら,情報システムの構造も変わってくるということですね.

三部:そうですね.戦略として,新規のところに出て行って,そこに種を植えるんだという戦略を取るのか,今のビジネスに軸足を置いた上で,デジタルを使って一歩踏み出すことを狙っているのかで変わってくるのかなと思います.

吉野:話は尽きないですが,そろそろ時間となりました.DXを推進する上で大変参考になるお話を聞けたと思います.境さま,三部さまどうもありがとうございました.

 

脚注
  • ☆1  2020年3月の本会全国大会でのデジタルプラクティスライブ「DXを推進する俊敏なシステム開発・運用─アジャイルにつなぐビジネスとICT」

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