会誌「情報処理」Vol.62 No.8(Aug. 2021)「デジタルプラクティスコーナー」

Glossary─グロッサリ─

BYOD (Bring Your Own Device)

大学等においては,個人所有のパソコンやタブレットを使って学習すること.学習支援システムとセットで授業などが行われ,学習履歴の蓄積やその活用で教育改革を目指す動きがある.COVID-19の影響で2020年度は急速に普及することになった.(藤村直美)

CALL (Computer Assisted Language Learning)

コンピュータを使った語学学習のことで,必要な設備が整備されている教室で学ぶものと自宅等で自分のパソコンを利用して自己学習を行うものがある.(藤村直美)

BB9

1990年代終わり頃に学習支援システムとして日本の大学でも広く使用されていたWebCTが2006年にBlackboard社に買収されて名称がBlackboard Learning Systemに変わり,略称としてBB9となった.(藤村直美)

CIA

情報セキュリティの3大要素である Confidentiality(機密性),Integrity(完全性),Availability(利用可能性)の頭文字をとって略語にしたもの.クラウドを利用する場合などにおいて,こうした視点から情報の管理を検討する.(藤村直美)

VDI

Virtual Desktop Infrastructureの頭文字を取った略称で,たとえば,クラウド上の仮想計算機で処理を行い,その結果を手元のパソコンなどの画面に表示する使い方である.同一の環境を広く提供する,データを手元のパソコンに置かないことによるセキュリティの担保などで,運用負担を軽減できる.(藤村直美)

クラウド

遠隔地に業者が準備している計算資源を利用して,ソフトウェア(SaaS:Software as a Service),開発環境(PaaS:Platform as a Service),インフラとしてのサーバ(IaaS : Infrastructure as a Service)などを利用する仕組み.手軽さ,柔軟性などに特徴がある.(藤村直美)

スケーリング

負荷対応のためのスケールリング手法は,大きく分けて,稼働している単一のインスタンスに割り当てるハードウェアリソースを増減させるスケールアップ型と,複数のインスタンスへと起動数を増減することによって負荷分散を行うスケールアウト型の2つに分類できる.(松本亮介)

高集積マルチテナントアーキテクチャ

単一のWebサーバ上に複数のホストを高集積に同居させることで,大幅にハードウェアコストや運用コストを低減し,Webサービスを低価格化することを目的とした高集積マルチテナントアーキテクチャが重要性を増している.(松本亮介)

Webホスティングシステム

高集積マルチテナントアーキテクチャの代表的なサービスであるWebホスティングとは,複数のホストでサーバのリソースを共有し,それぞれの管理者のドメインに対してHTTPサーバ機能を提供するサービスである.Webホスティングサービスにおいて,ドメイン名(FQDN)によって識別され,対応するコンテンツを配信する機能をホストと呼ぶ.(松本亮介)

コンテナ

ホストOSのカーネルを共有しつつ,コンテナ化されたアプリケーションごとにCPU・メモリ・ストレージを隔離する技術.これにより,アプリケーションごとに独立したCPU・メモリ・ストレージのリソース管理が可能となる.さらに,メモリ・ストレージの隔離により,アプリケーションが使用するライブラリの種別やバージョン違いなどで競合が発生する場合であっても,アプリケーションごとに隔離し実行できる特徴がある. (坂下幸徳)

コンテナランタイム

コンテナを実行するための基盤ソフトウェア.ホストOS上で稼働し,コンテナの作成や実行を行う.また,コンテナ化されたアプリケーションをインターネットなどからダウンロードしキャッシュするなどの管理機能も有するものが多い.(坂下幸徳)

コンテナオーケストレーション

複数のコンテナランタイムをクラスタリングし管理するソフトウェア.コンテナオーケストレーションは,どのホストOSのコンテナランタイムにてコンテナを実行するかを定め,コンテナランタイムにコンテナの実行命令を送るなどの管理機能を有する. (坂下幸徳)

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