デジタルプラクティス Vol.10 No.1(Jan. 2019)

巻頭言

デジタルプラクティス編集委員会委員長
吉野 松樹

2010年1月の創刊号から昨年10月発行の36号までを対象に,掲載された316編の論文の傾向を分析してみる.

デジタルプラクティスの掲載論文には,特集号招待論文,特集号投稿論文,招待論文,JISA招待論文,解説論文,一般投稿論文,推薦論文という種別がある.発行年別に種別ごとの論文数の推移は図1のようになっている.

図1 発行年別の種別ごと論文数の推移

発行当初の2010年は,招待論文のみであり,その後も招待論文は毎年20編程度(季刊なので各号5編程度)で推移している.2011年以降,特集号投稿論文,一般投稿論文の掲載が始まり,年によって変動はあるものの,おおむね合わせて十数編で推移している.2013年からJISA(一般社団法人 情報サービス産業協会)殿のご協力を得て,毎年JISAアワードを受賞したプレゼンテーションを論文に起したものを投稿いただき掲載が始まっている.また,2017年からは研究会・シンポジウムからの推薦論文制度が始まり,推薦された論文が掲載されている.

次に,論文の執筆者を,企業所属の著者のみ,企業所属の著者と大学・研究機関所属の著者が共著で,企業所属の著者が筆頭の場合と大学・研究機関所属の著者が筆頭の場合,および,大学・研究機関の著者のみの4種別で分類すると図2のようになる.

図2 著者の分類

企業所属の著者のみの論文が63%,企業所属の著者が筆頭著者のものを含めると70%となっている.実務の現場の実践に基づく有用なプラクティスを共有するというデジタルプラクティス発刊の趣旨は実現できていると考えられる.

さらに,論文種別と著者の分類でクロス集計をした結果が図3である.

図3 論文種別と著者の分類のクロス集計結果

特集号招待論文では,圧倒的に企業所属の著者が多く,これは上述のデジタルプラクティス発刊の趣旨にしたがって編集委員会が招待論文の依頼先を検討してきた結果である.投稿論文では,企業所属の著者の論文が若干多いが,大学・研究機関所属の著者の論文の数とほぼ同じである.

これらの論文の掲載は,執筆者,査読者,編集委員,事務局の方々のご協力の賜物であり,ここに深く感謝の意を表したい.上述のような分析に基づき,デジタルプラクティス誌の使命である有用なプラクティスの共有をより効果的に推進するための施策を検討していきたいと考えており,関係各位のより一層のご協力をお願いしたい.

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