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最終更新日:2006年10月6日

第4回「情報システム部門のマネジメント」

 

開催日時: 平成18年10月19日(木) 9:30-17:00
開催会場: 東京電機大学 神田キャンパス7号館1F 丹羽ホール(東京都千代田区神田錦町2-2)

【セミナー概要】
CIOがその職責を全うするために必要な知識体系は,情報システムの技術や業務知識だけでなく,法的な準拠や内部統制そしてリスクマネジメントなど多岐に渡る知識と理解が必要とされる.その課題や問題は技術論だけでは解決することは出来ないこともわかってきており,CIOとしても今まで以上にマネジメントに対する理解と知識の取得が必要となってきている.第4回のセミナーでは,最近日本でも導入され活用され始めたISMS,COBIT,EVM,ITILなどの,IT取得ガバナンスから開発・保守運用に至るまでのライフサイクルプロセスの流れに基づいた,マネジメントシステムの説明とその活用について解説する.21世紀のCIOは正にICTとマネジメントシステムとの融合をどのように行うかが,その職責にかかってきていることを再認識出来るセミナーにしたいと思う.

コーディネータ:西野 弘((株)プロシード 代表取締役)
【略歴】1956年生まれ,神奈川県出身.1979年早稲田大学教育学部卒業.全日空商事株式会社等を経て,1991年に株式会社プロシードを設立し代表取締役に就任,現在に至る.
ITとマネジメントの融合を図るコンサルティングを中央官庁や民間企業に展開.経済産業省商務情報局「政府調達におけるサービスモデルアグリーメントガイドライン研究会」委員(2003年),総務省「地方公共団体の情報セキュリティ研修のあり方に関する研究会」委員(2003年),特定非営利活動法人itSMF Japan副理事長(現職)等を歴任.「装置社会」から「創知社会」の実現を目指す.

【プログラム】

9:30-11:00
セッション1 「ライフサイクル取得マネジメントとCIO」
西野 弘((株)プロシード 代表取締役)
【講演資料:事情によりweb上には掲載いたしません(当日配布資料に掲載致します)。】
【講演概要】
CIOの職責として,ITガバナンスの意味である『統制』と,もう一つの重要な意味であるIT投資によるビジネス価値の創造がある.これを実現するためにもITの取得をライフサイクルで捉えて実現することが今後ますます重要である.本セミナーでは,ライフサイクルプロセスからみた取得マネジメントを世界最大のIT投資を行う米国連邦政府CIOの活動や制度などの事例も交えながら,今後のCIOが行うべきマネジメントの全体像を紹介する.また,CIO以下の調達責任者の教育など人財の育成や,その人財が活用すべき,実践の際に武器となる手法やツールの参考事例を併せて紹介する.情報システム取得組織全体の高度化を図っていく道筋への参考になれば幸いである.
【略歴】1956年生まれ,神奈川県出身.1979年早稲田大学教育学部卒業.全日空商事株式会社等を経て,1991年に株式会社プロシードを設立し代表取締役に就任,現在に至る.
ITとマネジメントの融合を図るコンサルティングを中央官庁や民間企業に展開.経済産業省商務情報局「政府調達におけるサービスモデルアグリーメントガイドライン研究会」委員(2003年),総務省「地方公共団体の情報セキュリティ研修のあり方に関する研究会」委員(2003年),特定非営利活動法人itSMF Japan副理事長(現職)等を歴任.「装置社会」から「創知社会」の実現を目指す.
11:10-12:40

セッション2 「CIOと各種マネジメントフレームワーク」
松岡 功(アイティメディア(株)アイティセレクト編集委員)

【講演資料:事情によりweb上には掲載いたしません(当日配布資料に掲載致します)。】
【講演概要】
ICT投資の効率化と市場環境の変化への対応力強化は,企業をはじめとしてあらゆる組織にとって重要な課題となっている.中でもとりわけ日本の組織にこれから求められるのは,マネジメントフレームワークの効果的な適用であり,それがCIOの大きな役割と言える.本講演では最近,新聞・雑誌などのマスコミでも取り上げる機会が多くなったICTとマネジメントシステムの融合に向けた動きのトピックスなどを取り上げながら,CIOにとってなぜマネジメントフレームワークが重要なのか,その必要性について,メディアの立場からの視点も踏まえて講演する.
【略歴】1957年生まれ,大阪府出身.電波新聞社,日刊工業新聞社,コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに.2003年10月より『月刊アイティセレクト』編集長を務め,ビジネスおよびマネジメントの視点に立ったIT活用を追求している.2006年10月より編集委員.著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社,共著),『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社),『NTTドコモ 強さの秘密』(日刊工業新聞社,共著),『NTTドコモ リアルタイムマネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社,共著)などがある.
12:40-13:40
お昼休み
13:40-15:10

セッション3 「政府におけるIT調達マネジメント」
藤井 亮輔(経済産業省 商務情報政策局 情報政策課 課長補佐)
 

【講演資料:事情によりweb上には掲載いたしません(当日配布資料に掲載致します)。】
【講演概要】
IT調達改革の実践のために、現在政府では、業務・システム最適化計画の策 定、一般競争入札の原則化、CIO補佐官の配置、PMO(プログラム・マネジメ ント・オフィス)の設置等、様々な方策を実施しているが、未だ十分な成果をあげ るに至ったとは言えない状況である. そこで、本講演では、まず、経済産業省におけるIT調達の実例等を踏まえつ つ、今政府が抱える問題は何なのか、その本質はどこにあるのかを明らかにする. その上で、IT調達の各フェーズごとに、CIO補佐官を含むPMOや調達担当課 等の各プレーヤーが、相互にどのように連携を取り、IT調達を如何にマネジメン トすべきなのかについて、お話しをさせて頂く. 政府、自治体をはじめとする発注者側、及び受注者であるITベンダにとって、今 後の取組の参考になれば幸いである.
【略歴】 平成12年東京工業大学大学院理工学研究科修了、同年通商産業省(現経済産業 省)に入省. 産業政策局企業行動課(現経済産業政策局企業行動課)などを経て、平成17年よ り現職. 平成17年7月総務省行政管理局行政情報システム企画課に併任.IT政府調達改 革を担当. 平成18年4月内閣官房IT担当室電子政府推進管理室(GPMO)に併任.電子 政府プロジェクトのマネジメントを担当.
15:30-17:00
パネル討論 「ICTとマネジメントの融合について」
司   会:西野 弘((株)プロシード 代表取締役)
パネリスト:松岡 功(アイティメディア(株)アイティセレクト編集長)
       藤井 亮輔(経済産業省 商務情報政策局 情報政策課 課長補佐)
【討論概要】各講演者の話を踏まえて,官民の立場からCIOが今後求められるマネジメントフレームの理解と,その実践を実現させるための重要課題について議論する.
議論のポイントは次のとおり.
1. CIOにマネジメントシステムが必要になってきている背景
2. CIOだけでなく組織の中でその実践に必要な要素
3. CIOと取得マネジメントの双方を高度化するための人財と仕組み
*司会の写真・略歴はコーディネータ参照.
*パネリストの写真・略歴はセッション2,3の講師参照.