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最終更新日:2005年8月31日

第6回「組み込みソフト開発事例(ユビキタス系)」

 

開催日時: 平成17年11月28日(月) 9:00-16:45
開催会場: 東京電機大学 神田キャンパス7号館1F 丹羽ホール(東京都千代田区神田錦町2-2)

コーディネータ:中島 達夫(早稲田大学)

【セミナー概要】
ユビキタスコンピューティングという用語は大変ポピュラーになっているが実際にどのようなシステムが開発されているかはあまり一般に知られていない.本セミナーでは,3人の講師が実際に開発したユビキタスコンピューティングを実現するシステムに関して紹介し,その開発経験に関して紹介する.

【プログラム】

セッション1  9:00-10:30 「知的人工物とその応用」
                 藤波 香織(早稲田大学)

【講演概要】ユビキタスコンピューティング環境により,状況に依存した情報やサービスを提供することが可能になり,作業の効率化や日常生活への付加価値の供与が期待される.しかしながら,システムの使用に際してのユーザ負担の軽減と導入や運用の容易さが実現に向けての鍵となる.本講演では,イスや鏡などの人工物にセンシングおよびアクチュエーション機能を組み込むことでこの問題に取り組んでいる最新の研究事例と実現に向けた課題を紹介する.

セッション2 10:45-12:15 「汎用ソフトウェアを利用した情報家電向けミドルウェアの開発」
                 副島 康太(富士通LSIソリューション)

【講演概要】携帯電話やハードディスクレコーダ,デジタルテレビなど,最近の情報家電機器は機能が複雑化する一方である.そのため,それらの機能を実現するソフトウェアも巨大になり,開発コストの上昇が大きな問題となっている.この問題の解決策として,LinuxやJavaといったパソコンやワークステーションで一般的となった技術をプラットフォームとして利用したり,オープンソースのソフトウェアを組み込み機器に移植するといった開発方法が考えられる.本講演では,情報家電機器向けのネットワークミドルウェアをLinuxやJava,あるいはオープンソースのソフトウェアを利用して開発した事例を紹介して,その利点と課題について紹介する.

                −昼食−

セッション3 13:30-15:00 「次世代RFID(ICタグ)技術の最新動向と応用」
                 佐藤 一郎(国立情報学研究所)

【講演概要】RFID(ICタグ)はユビキタスコンピューティング環境において物理世界を最も安価かつ確実に識別する方法となることから,RFID技術に関する知識は不可欠となる.ここではRFIDの基礎と最新動向を説明する.また,次世代RFIDとして注目されているリアルタイム位置測定技術(Real-time Locating Systems、RTLS)についても,RFID及びRTLSのISO委員という立場からRTLSの基本技術と標準化動向を紹介し,次世代ユビキタスコンピューティングにおいてRFID/RTLS技術が果たす役割と応用を展望していく.なお,RTLSに関する体系的解説は国内において初めてであり,ユビキタスコンピューティングに限らず,物流・在庫管理を含むエンタープライズコンピューティングに関われる方にとっても必須である.

パネル討論 15:15-16:45 「次世代ユビキタス環境と組み込みシステム」
                 司会:中島 達夫(早稲田大学)
                 パネリスト:藤波 香織(早稲田大学),副島 康太(富士通LSIソリューション),
                        佐藤 一郎(国立情報学研究所)

【パネル討論概要】ユビキタスコンピューティング環境の実現には組み込みソフトウエアは必要不可欠なものである.しかし,ユビキタス環境が必要とする多様性を満足するためには現在のソフトウエア基盤では不十分である.本パネルでは,将来のソフトウエア基盤として新しく必要となる技術に関して議論する.