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最終更新日:2006年12月18日

 ソフトウェアジャパン2007 ITフォーラムセッション

 
ユーザスタディ フォーラム
「Human-Centered Design に基づいたフィールドワークおよびデザインのあり方」

セッション概要
革新的な製品,サービスの開発に欠かせない手法として,Human-Centered Design(HCD:人間中心の設計)が,世界的な注目を集めている.本講では,HCD実現のためのエスノグラフィ調査,すなわち,ユーザの観察・記述の方法論に関して,またロボットデザインにおけるHCDの実践に関して,日本および米国で活躍する研究者とデザイナ3名による講義を行う.また,ワークショップ形式を用い,HCDの手法を会場全体で体験することも考えている.なお,本講では,講師と参加者のインタラクションを通じ,皆様が業務を通じて感じている,ユーザ理解に関する課題や疑問の共有を行う.参加者の積極的な話題提供を期待している.

司会 田村 大((株)博報堂 研究開発局 主任研究員)
【略歴】1994年,東京大学文学部心理学科卒業.2005年同大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学.1994年博報堂入社,2000年より現職.情報科学,認知科学を専門とし,ヒューマンファクターに基づく新たな情報技術の発案と開発を推進する.最近は人間の創造性を高める技術に関心を持ち,様々なシステムの開発と評価を通じて,あるべき技術の姿を模索する.著書に『センサネットワーク技術』(共著・東京電機大出版局)など.

プログラム  [会場2F瑞雲]
13:15-14:30

講演1 「エスノグラフィの哲学概念,実践法,およびHCDに向けた有効性に関する議論」

【講演概要】
1. 電話オペレーターの作業に関するビデオ分析(インタラクティブセッション)
2. Ethnographyの背景・哲学の解説
3. HCDとしてのEthnographyの各手法の解説
4. Ethnographyを用いたデザイン:成功例としてのIDEO
5. 議論 (デザインへの橋渡しの可能性。必要性と難しさ)
野村早恵子(カリフォルニア大学サンディエゴ校 研究員)
【略歴】京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻博士課程修了 (情報学博士).現在,カリフォルニア大学サンディエゴ校 認知科学部分散認知とHCI研究室に,ポスドク研究員として所属.ボーイング社コマーシャルエアプレイングループによる,フライトデックカルチャースタディプロジェクトに,エスノグラファーとして従事.フライトデックでのパイロットのインタラクションを観察し,フライトデックプロシージャーデザインの提言を行っている.
山内 裕(Palo Alto Reserch Center 研究員)
【略歴】1998年京都大学工学部卒業,2000年京都大学情報学研究科修士課程修了,2006年University of California, Los Angeles, Anderson School of Management博士課程修了.Ph.D.(マネジメント).2004年Palo Alto Research Center, Inc. 入社,現在,同研究所研究員.
14:30-15:15

講演2 「HCDに基づくロボットデザイン」
園山 隆輔 (TDF 代表)

【講演概要】ロボットは現在ビジネス化が最も急がれている分野のひとつである.ビジネス化とは,言い換えれば一般への普及であり,人間との関わりをどのように明確にしていくかということが大きな課題となる.こういった課題の解決策としてHCD(人間中心設計)の手法に期待が持たれている.本講演では「デザイン」や「ロボット」といった定義の再確認と事例紹介を通じて,HCDの理念に基づいたロボットデザインの可能性と進むべき方向について論ずる.
【略歴】1985年京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸学科卒業.松下電器産業株式会社入社,デザイン部門就業.2002年T−D−F設立,インタラクション・デザイン,ロボットデザインを中心に多岐にわたるデザインに従事.

 ※関連イベント (前日に以下のワークショップを開催)
   ユーザスタディフォーラム 第6回シナリオ創発ワークショップ「イノベーションのためのユーザスタディ」開催案内
   開催日:2007年1月24日(水) 会場:文化放送メディアプラスホール(JR浜松町駅より徒歩1分)