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最終更新日:2004.10.20

第58回音楽情報科学研究発表会

 

1 プログラム

第58回音楽情報科学研究会
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本研究会は、日本音楽学会関西支部との共催となります。本研究会と同時にFreq04/インターカレッジコンピュータ音楽コンサート2004も開催されます。詳しくはWebをご参照下さい。
http://www.design.kyushu-u.ac.jp/ ̄snlab/freq/2004/

日時: 2004年12月12日(日)10:00-15:00
会場: 九州大学大橋キャンパス3号館322教室(福岡市南区)
http://www.kyushu-u.ac.jp/map/accessmap.html#05
テーマ:音楽学系研究、制作系研究、一般研究
照会先:矢向正人(九州大学)
    yako@design.kyushu-u.ac.jp

プログラム

10:00-10:30
ベートーヴェン作曲“ピアノソナタ第28番イ長調作品101”におけるテーマの連関
  小畑郁男(長崎純心大学)

  後期のピアノソナタの最初の曲として位置付けられている第28番は4つ(あるいは3つ)の楽 章から成っている。これらの楽章の主要主題を明らかにすることによって、作品としての統一性を旋律素材という視点から論じる。

10:30-11:00
世紀末ヴィーンにおける音楽と政治
  高野茂(佐賀大学)

11:00-11:25
歌詞音列間距離を用いた民謡の旋律比較ツールの作成
 ○野田稚香(東邦大)
  松島俊明(東邦大)
  坪井邦明(千葉職業能力開発短大)
  金城厚(沖縄芸大)

  民謡の類似性の分析には旋律から抽出した歌詞音列による比較が有効であり、その比較法として歌詞音列間距離が提案されている。今回、距離計測および結果の評価が容易に行えるツールを新たに作成したので報告する。

11:25-11:50
マルチメディア音楽作品「Freqlower」シリーズの演奏・上演システムの設計
― 音楽構成へのフラクタル図形の応用 ―
 ○井内大輔(九州大学 芸術工学府)
  中村滋延(九州大学 芸術工学研究院)
  栗原詩子(九州大学 芸術工学研究院)

  本論文は、自作品「Freqlower」シリーズのシステムについて論じたものである。この作品は、フラクタル図形を応用することで、映像と音の相互作用、反復による期待とリズム、時間軸にそった演奏の表現している。このシステム設計を、マルチメディア技術をいかしたコンピュータ音楽の可能性について考察しながら述べる。

11:50-12:50
 《昼食60分》

12:50-13:15
楽譜の解析 ― 純正律における振動数 ―
  森住明香(早稲田大学 理工学部)

  純正律における各音階固有の振動数のあいだに成り立つ関係を、数式を用いて解析整理する。また、既存の西洋音階の解析によって得られた関係式を一般化することにより、新たな音律を含む、西洋文化圏外の音律について考察する。

13:15-13:40
事例に基づく演奏表情生成システムにおける表情生成式の最適化
 ○金子雄介(芝浦工業大学 工学部情報工学科)
  徳永幸生(芝浦工業大学 工学部情報工学科)
  鈴木泰山(株式会社 デュオシステムズ)

  事例に基づく手法を用いた演奏表情の自動生成では、対象曲に最も類似する事例を選択し、対象曲に適用する必要がある。本報告では"KaguramePhase-II"における旋律類似性評価の手法と最適化の実験について述べる。

13:40-14:05
状況と嗜好に関するアノテーションに基づくオンライン楽曲推薦システム
 ○梶克彦(名古屋大学大学院情報科学研究科)
  平田圭二(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
  長尾確(名古屋大学 エコトピア科学研究機構)

  本研究では、楽曲の類似度、ユーザ嗜好の類似度を判別するためにアノテーションを利用し、視聴時のユーザの状況にあわせたプレイリスト(楽曲推薦リスト)を生成する仕組みを提案する。またプレイリスト中の気に入った曲などをフィードバックすることにより、インタラクティブに、ユーザの嗜好に適合したプレイリストを作成することができる。

14:05-14:30
2値多重音響特徴ベクトルを用いた類似音楽探索法の頑健性評価
 ○永野秀尚(日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
 柏野邦夫(日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
  藤原融(大阪大学 大学院情報科学研究科)

  我々は曲自体は同じだがテンポなどの演奏が異なるような類似楽曲の音響信号でも探索できることを目的とした音楽探索手法を提案している。今回、本手法の頑健性を移調、楽器変換等の各種変動毎に評価した結果を報告する。

14:30-14:55
欧州のComputer Music研究の状況報告
  長嶋洋一(静岡文化芸術大学)

  2004年夏の以下の最新状況について、レジデントに基づき詳細報告する。
  (1) 25周年を迎えたArs Electronica Festivalと潮流、(2)スタジオCCMIXの動き、(3)MOTUSとコンクレートの状況、(4)IRCAMとLa KitchenのHCI開発、(5)STEIMの活動と研究。


15:00-17:00
インターカレッジコンピュータ音楽コンサート