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最終更新日:2003.12.15

創立40周年記念展示会 「情報技術のエポック展」

 

 去る、平成13年3月12日(月)〜15日(木)の4日間、第62回全国大会会場(慶應義塾大学理工学部矢上キャンパス)におきまして、過去の我が国の情報技術を振り返り、21世紀に向けての新しいヒントを得るためエポックを作った製品と技術を集めてた標記展示会を開催いたしました。
12日(月)は、特別公開日で関係産学官の方々75名をお招きしオープニングセレモニーならびにテープカットを執り行いました。

    オープニングセレモニーでの徳田慶應義塾常任理事挨拶             オープニングセレモニーでの長尾情報処理学会会長挨拶           テープカット
   オープニングセレモニー              オープニングセレモニー            テープカット     
  徳田慶應義塾常任理事挨拶            長尾情報処理学会会長挨拶

    特別公開日展示会場             展示会場案内板           展示機器年表
     特別公開日展示会場            展示会場案内板             展示機器年表


13日(火)〜15日(木)に一般公開日も、お陰様で、2,400名余りの方々にご来場者いただき大盛況のうちに無事会を終了することができました。ご協力いただきました、皆さま方に心よりお礼申し上げます。
なお、本会は、これからも情報処理に関する学術、技術の進歩発展に積極的に責務を果たしてゆく所存でございますので、今後とも本会の活動により一層のご理解とご協力を賜りますことをお願い申し上げます。

開催日:平成13年3月13日(火)〜15日(木)

会 場:慶應義塾大学理工学部矢上キャンパス14棟4F〜7F 

−展示機器の紹介−(※掲載された展示機器写真を許可なくコピー,転載することを禁じます) 

第1展示会場(14棟7F 710)

展示機器名
年代
提供
展示機器
写真
展示機器の説明
FACOM128B
1958年
富士通
FACOM128B
FACOM128Bは国産初のリレー計算機FACOM128Aに機能を追加した製品です。
NEAC-1101
1958年
日本電気
NEAC-1101
日本電気の第1号コンピュータ。1958年、中央研究所で開発され、8年間研究所内の各種科学技術計算にその威力を発揮し、NECコンピュータNEACの母胎となった。
HITAC5020
1964年
日立製作所
HITAC5020
1965年4月に製品第1号機が京都大学に、引き続き7月には 電電公社通信研究所と東京大学に納入され、国産初の大型計算機の誕生ということで大きな注目を浴びた。
MELCOM81
1968年
三菱電機
MELCOM81
1968年に発売された日本初のオフィスコンピュータです。オフィスコンピュータは会計機(伝票発行機)からスタート、中堅企業殿の基幹系サーバとして普及し、今なおe-Business分野へと進化を続けています。
OASYS 100 
1983年
富士通
OASYS 100
この製品には、当社が発明した、かな入力キーボード<親指シフトキーボード><親指シフトキーボード>が初めて採用され、そのスピーディーな入力速度とかな漢字変換方式が多くのユーザの支持を得ました。
JW-10 
1978年
東芝
JW-10
欧米人が英文タイプを打つ感覚で手軽にタイプできる日本語のタイプライタが欲しいという要求を満足させたばかりでなく、文書を「記憶」し、内容の「編集」が行えるという機能を持つ日本語ワードプロセッサの開発は画期的なことでした。
J-3100GX
1986年
東芝
J-3100GX
大型WSを凌ぐ高性能と、いつでもどこでも行動を共にする機動力を合わせ持ち、さらに国際化に対応するIBM/PC互換の世界標準アーキテクチャにより、当時のラップトップコンピュータの概念を一新させました。
DynaBook J-3100SS
1989年
東芝
DynaBook J-3100SS
コンピュータを本のように身近に、外に持ち出すことが可能になり、使用者の生活スタイルを一新させました。198,000円という衝撃の普及価格で大ヒット商品となりました。
PC-9801
1982年〜 
日本電気
PC-9801
ビジネスにも活用できるなど時代のニーズに相まって、爆発的な人気を博し、後の98文化の基礎を築いた。
IMSAI VDP-40 
1978年 
慶應義塾大学
IMSAI VDP-40
IMSAI社は、1975年にIMSAI8080をMITS社のaltair8800とほぼ同時に発売した最初期のパーソナルコンピュータメーカ。インテル8080Aと、S-100バスを採用している。S-100バスベースでは珍しい一体型。
Macintosh II 
1987年 
慶應義塾大学
Macintosh II
一体型でクローズドなシステムが特徴だったMacintoshファミリに、180度性格を変えて拡張性をポイントにして登場した。Windows98では11年遅れてやっとデュアルディスプレイができるようになった。
PC-8001 
1979年〜 
日本電気
PC-8001
NECが1979年に発売した我が国初の本格的パーソナルコンピュータである。現在のパソコンアーキテクチュアの基礎を構築した。
SUN3 60C 
1985年 
慶應義塾大学
SUN3 60C
CPUにMC68020を採用し、OSとしてはBSD UNIXをベースにTCP/IP、 NFS等のネットワーク機能を強化したSun OS 4を採用した。高解像度のビットマップディスプレイにSun View、Open Window、X Window等のGUIを用いることができた。

 

第2展示会場(14棟6F 613,614)

展示機器
年代
提供
展示機器
写真
説明
マルス101 
1964年
国立科学博物館
マルス101
旧国鉄が座席予約業務を「緑の窓口」で始めたときのコンピュータ。全国の主要駅から直接電話回線でコンピュータを操作できる我が国初の本格的なオンラインリアルタイムシステムである。1964(昭和39)年より1971(昭和46)年まで使用された。182列車、13万座席を全国467カ所の端末から予約できた。
NWS-800 シリーズ
1986年
ソニー
NWS-800シリーズ
VAX780 と同等の性能のワークステーションを一人で占有したいという野望から生まれた機械が NEWS という愛称で親しまれたNWS-800 シリーズである。おもにソフトウェア開発やデスクトップパブリッシング等の分野で活躍した。
NWS-1250 
1990年 
ソニー
NWS-1250
ラップトップタイプのUNIXワークステーションとして注目を集めた。SはUNIX 4.3BSDをベースとしたNEWS-OS。CPUに25MHzの68030、コ・プロセッサとして68882を搭載して、処理速度は3.9MIPSを実現。メモリ8MB、240MBのハードディスクを内蔵。
EWS4800モデル30
1987年
日本電気
EWS4800モデル30
エンジニアリング分野、ソフトウェア開発支援分野を中心に、画像処理、オフィスオートメーション、文書作成など幅広い分野に適用できる汎用ワークステーションとして開発され、1986年に発表された。1987年以降シリーズ化され継続して強化され、現在に至っているが、モデル30はその最初の機種である。
PDP-11/10
1970年
慶應義塾大学
PDP-11/10
UNIXやCを生んだプロセッサであり、ミニコンピュータはもちろんのこと、大型コンピュータにも大きな影響を及ぼした。i8086やM68000を始めとしたさまざまなマイクロプロセッサの手本となった優れたアーキテクチャを持っている。
MicroVAX II 
1985年
慶應義塾大学
MicroVAX II
ミニコンピュータ原器とも称されるVAX11/780のアーキテクチャーをLSIに集積し、0.9MIPSのパフォーマンスを得た。キャスター付きのペデスタル型で、机の下に納まる。VMS、Ultrix-32などが稼働し、最大記憶容量が16MB。
HITAC10 
1969年 
国立科学博物館
HITAC10
我が国で初めて個人使用を意識して発売された小型科学技術用電子計算機。その後のパーソナル化に先鞭を付けた。
クルタ 
1967年 
東京農工大学
タイガー計算器は、当初は虎印計算器という名称でした。これは大本寅治郎が1920年代(大正12年3月)に商品化したものですが、日本風の名前では売れないので、“舶来”風のカタカナ名前にしたのでした。日本ではタイガーが手回し計算器の代名詞になるくらいに普及しました。1950年代中ごろ、大学卒の初任給が1万円以下のときに3万5千円でした。1960年代末期に電卓の値段が20万円を割ったときに競争力を失い売れなくなりました。販売累積台数は50万台弱でした。 手回し計算器は、ほかに日本計算器=後のビジコン社や丸善、東芝などがあり、それぞれの特徴で競争していました。重さ6キログラムもあって重いのですが、それを小型軽量にしたクルタ(リヒテンシュタイン)、アルピナ(ドイツ)という商品(ポケット計算機という呼び名で売っていました)もありました(操作性は卓上型のほうがだんぜんよかった)。
アルピナ 
1969年 
東京農工大学

タイガー計算器

1958年
東京農工大学

IBM1401
1959年
日本アイ・ビー・エム
IBM1401
この電子計算組織は、基本的に、高速度カード読取穿孔装置、演算処理装置、高速度印刷装置の3つの装置によって構成されます。この基本構成に、磁気テープ装置、磁気ディスク記録装置、磁気コア付加装置、紙テープ読取装置などを組み合わせることにより、企業規模に応じたシステムを構成することができました。
ENIAC演算装置
1950年
大阪大学
ENIAC演算装置
ENIACの演算装置の回路に基づき試作した4桁の10進方式演算装置モデル。4桁を左右2桁ずつに分け2桁+2桁の加減算と転送を200μsで行う。我が国で作られた真空管の演算装置では最初のものと思われる。
マルス端末装置BX形
1964年
鉄道情報システム
マルス端末装置BX形
1964年(昭和39年)2月に、当時の国鉄が(株)日立製作所と共に開発し、営業開始した我が国初の本格的なオンラインシステムMARS(列車座席予約システム)の専用端末装置。それ迄の座席予約業務は、列車ごとの座席管理台帳を収容した回転台により、各駅からの電話連絡による手作業で行っていた。
OKITAC-4300
1969年
沖電気工業
OKITAC-4300
いわゆる1万ドルミニコン出現と云われた廉価な16ビットミニコンで、回路はオールIC化され、特別な空調も必要なく、リアルタイムに適用できるよう各種機能が備わっており、ミニコンのベストセラー機であった。学校、金融機関、製造・流通、サービス業などのシステムや装置へ組み込まれて使われ、また、データ通信制御用コンピュータとしても多用された。

 

第3展示会場(14棟5F 513,514)

展示機器
年代
提供
展示機器
写真
説明
「SP-40」1号機 1975年
日本電気
「SP-40」1号機
1975年に発売された国内初の電子式プリンタSP-40。その1号機は、8ビット・マイコン使用、サーボ回路技術を応用し、特にワイヤーロープとプラスロープとプラスチック一体活字は、群を抜く長寿命を 誇った。
電信用和文タイプライター 
1950年〜1984年
日本電気データ機器
電信用和文タイプライター
電信用タイプライターは、日本電信電話公社(現NTT)に納入され、電報業務の電文印刷に使われてきました。第一号機が完成したのは昭和25年9月のことで以来昭和59年まで実に34年間も生産され、延べ生産台数も25,000台を超える輝かしい実績を残しました。
ニアックライター 1959年〜1972年頃 日本電気データ機器
ニアックライター
電子計算機に与える命令(プログラム)および計算資料(データ)等を紙テープに鑽孔して読むと電子計算機で演算された結果を文字や数字を書き出す装置を1台の機械に装備したものです。
H-8564
1967年
日立製作所
H-8564
国産初の大形磁気ディスク装置。記憶容量7.25メガバイト。録密度0.1メガビット/平方インチ。毎分2,400回転。データ 転送速度0.156メガバイト/秒。 媒体が可搬形(パック形)で、当時としては画期的なディスク 装置だった。円板の径は14インチで、その後約20年間に 渡ってこのサイズの円板が使用された。
DK32DJ-72MC 1997年
日立製作所
DK32DJ-72MC
記録密度15.2ギガビット/平方インチを実現した25.4mm厚の業界トップレベルの3.5型(円板の径が3.5インチ)磁気ディスク装置。ディスク一枚当たりの記憶容量を業界最高水準にしたと同時に薄型化し、一台当たりの最大記憶容量は73.9ギガバイト。毎分10,025回の高速回転で1秒当たり最大74メガバイトのデータ転送を実現した。
エルゴフィットキーボード 
1998年
日本電気
エルゴフィットキーボード
「M式」は元日本電気特別顧問 森田正典氏が日本語発音の特徴に着目し考案したローマ字によるキーボード入力方式。キーボードの左手側にAIUEO等の母音キー群、右手側にKSTNH等の子音キー群を五十音順に配置することでキー配置の覚え易さを実現。さらに左右交互打鍵と複数文字列を単打鍵で入力できる複合キーにより高速な日本語入力を実現している。
FF-70AI 
1989年 
東芝
FF-70AI
音声によるダイヤル機能を備えた電話機。1989年、国内電話機として初の商品化。音声認識LSIと音声録音再生LSIを新開発。発声ごとの変動を吸収する微分フィルタ法開発。
ホレリスパンチ・カード・システム
1889年
日本アイ・ビー・エム
ホレリスパンチ・カード・システム
アメリカのハーマン・ホレリス(1869-1929年)は、1890年のアメリカの国勢調査で、人の名前、年齢、性別、住所、その他の重要統計データを、紙製のカードに穿孔して表す方法を考案しました。この結果、1880年の国勢調査に比べ、2倍の速さでデータを集計することができました。
IBM26印刷穿孔機 1959年
日本アイ・ビー・エム
IBM26印刷穿孔機
カードは横が80に分けられており、その1つ1つの縦長の領域は「欄」と呼ばれ、左から順に1から80までの番号が付けられています。それぞれの欄に、0から9までと上の余白部分2ヶ所の穿孔位置(11)、(12)があり、この穿孔の組み合わせで文字を記録します。
IBM11穿孔機 1930年代 
日本アイ・ビー・エム
IBM11穿孔機
この機械は手動式で、カードをプレートの上に置き、数字キーを押すことによって穿孔していきます。1枚のカードに、80桁の数字と英文字を記録することができます。
カード 
1960年代 
慶應義塾大学
カード
1960年代にコンピュータの入力装置として広く使われた。大型コンピュータへのジョブ入力手段としては1980年頃まではよく使われていた。
紙テープ 
1950年代
慶應義塾大学
紙テープ
PDP11などのミニコンで主に使われた入力装置。1950年代から使われていた。

 

第4展示会場(14棟4F 413,414)

展示機器
年代
提供
展示機器
写真
説明
インテルマイクロプロセッサ
1971年〜2000年  
インテル
インテルマイクロプロセッサ
インテルは1971年、世界で初めてのマイクロプロセッサ4004を発表しました。およそ30年後の2000年11月に発表されたPentiumR4プロセッサは0.18ミクロンのプロセス技術を採用し、4004の10ミクロンから大きな進歩を遂げました。
DIPS-11 10 CPU 1976年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
DIPS-11 10 CPU

DIPS-11/30メモリ
DIPS-1のコスト性能比の改善に重点を置き,3機種によるシリーズ化を図った10シリーズの最上位機種の本体系ボード。公共システム・銀行システムなど高信頼システムの処理系として活躍。 ○高速バイポーラICメモリの採用  遅延時間 0.7ns 100gate/chip論理LSI、およびアクセス  タイム15nsの1kbit/chipバイポーラメモリ素子。
DIPS-11/30メモリ
1976年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
DIPS-11/45
1982年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
DIPS-11/45
高度化多様化するデータ通信の要求を満たすため、5シリーズの最上位機種として開発され、当時の世界最高レベルの処理能力と信頼性・低電力化を実現した。
DIPS-11/45E
1987年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
DIPS-11/45E
336LSIを搭載可能な水冷伝導冷却方式ボードを採用。遅延時間 0.18ns 3k/10k gate/chip論理LSI、およびアクセスタイム3.2nsの16kbit/chipバイポーラメモリ素子LSI、ボードは三次元実装方式等により遅延を削減。主記憶装置にはアクセスタイム55ns 256kbitCMOS SRAMが搭載された。
PATTY
1981年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
PATTY
磁性体のみで磁性膜を形成するスパッタ方式を開発して、当時の世界最高の高密度記録を実現。磁気ディスクの小型化によって外部送風機を不要にし、発熱量を従来の1/4から1/5に抑制。密閉構造の開発により、長時間連続運転をメンテナンスフリーで実現。
GEMMY
1987年 
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
GEMMY
薄膜ヘッドを開発するとともに、震動や熱変形の抑制、空気清浄化の ための新技術により超高密度記録を実現。デュアルアクチュエータによりアクセス性能を向上。耐磨耗性に優れた潤滑材の採用でヘッドの耐久性と信頼性を向上。
6250MT
1976年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
6250MT、MTリング
70年代後半の主な入出力ファイル媒体として、広く使われた。MTリングをはずすと、書き込みを物理的に防止することができた。
MTリング
1976年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
PIM/p 
1993年
国立科学博物館
PIM/p
昭和57年4月から始まった(財)新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)による第5世代コンピュータプロジェクトで開発された、並列処理コンピュータPIMのハードウェア。1993年当時、知識処理および記号処理の並列処理速度で世界最高速を記録した。
DT-308型携帯型データ端末 
1980年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
DT-308型携帯型データ端末
日本で最初に導入された漢字処理可能な携帯型データ端末であり、重さは約10kgである。音響カプラを用いて、電話機の受話器と直接結合させることによりいつでもどこでも使用できる画期的なデータ端末として注目された。
TEX-S型A2宅内装置 
1966年
NTT,NTTデータ,
NTTコムウェア
TEX-S型A2宅内装置
1956年10月に開始された加入電信サービス(電話網を使って 文字情報を送受するサービス;テレックス)用宅内装置。1960年代前半の主力機として使われた。通信速度50ボー、重量200kg以上。 サービスとしては、現在の電子メールの前身のようなものであるが、 当時はデータ通信手段として重要な位置付けにあった。


   ※訂正 

  展示機器の品名に誤りがございました。 第4展示会場に展示しておりました「PIM/m」でございますが、正しくは「PIM/p」です。 誠に申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。