FIT2019

FIT2019 船井業績賞受賞記念講演

船井業績賞受賞記念講演

音楽情報処理が切り拓く音楽体験の未来: コンテンツの自動解析が価値を生む

後藤 真孝

産業技術総合研究所 首席研究員

講演概要: デジタル化された音楽コンテンツが持つ潜在的な可能性は、まだ充分には引き出されていない。従来のコンテンツ数が増える量的な変化に対し、次の段階は、コンテンツの自動解析に基づく「コピー不可能な能動的体験」により価値を創出する質的な変化であり、それこそがデジタル化の本質である。その実現を目指した音楽情報処理研究の最前線を紹介し、音楽を鑑賞・創作する場面において、どのような新たな可能性を切り拓いていくのかを議論する。

略歴: 1998年早稲田大学大学院 理工学研究科 博士後期課程修了。博士(工学)。同年、電子技術総合研究所に入所し、2001年に改組された産業技術総合研究所において、現在、情報技術研究部門 首席研究員 兼 メディアコンテンツ生態系プロジェクトユニット代表。JST ACT-I「情報と未来」研究総括、日本学術会議 連携会員、統計数理研究所 客員教授、筑波大学大学院 教授(連携大学院)等を兼任。JST ACCEL研究代表者。日本学士院学術奨励賞、日本学術振興会賞、ドコモ・モバイル・サイエンス賞 基礎科学部門 優秀賞、科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞、星雲賞等、47件受賞。計算機によってメディアコンテンツを自在に扱える技術の確立を目指し、音楽理解技術とそれに基づくインタフェース・サービスを中心とした音楽情報処理等の研究を27年間推進。