抄録
N-010
胸骨圧迫における適切な訓練の要件に関する構成要素の検討
森澤勝明・皆月昭則(釧路公大)
トレーニング (胸骨圧迫訓練) を受けた経験のあるバイスタンダー (救急現場に居合わせた人) は, 心肺蘇生法 (CPR) を実行する可能性が高い. そのため, 救命率向上への適切な胸骨圧迫技術の普及が急務である. しかし, ガイドラインで推奨される圧迫の深さは, 身体の個別性に対して, 画一的なCPRでは通用せず, 訓練の構成要素に適さない. 適切な訓練とは, 個別性である性別および年代別に関する要件を満たすことである. 胸骨への適切な加圧 (胸骨への圧迫) と除圧 (胸骨への圧迫解除) の訓練としては, 圧力の変化を可視化するなど, 適切な訓練の要件を満たす方法を検討導出した. さらに, 圧力の変化に関係する圧迫時の姿勢を検知して評価することで, 適切な訓練の要件に関する構成要素を総合的に捉えるシステムを開発した. 本システムを用いて, 構成要素の重要性を検証した.