抄録
G-009
オートエンコーダの生体妥当な誤差伝播学習則の実験的比較評価
大濱吉紘(豊田中研)
深層学習において,大量データからの低次元特徴量の抽出にオートエンコーダを用いることが多い.しかし,オートエンコーダは極端に神経素子の少ない隠れ層を含むため,誤差逆伝播学習則を適用すると,原理的に誤差消失が生じやすい問題がある.近年,生体妥当性を指向した順伝播誤差や直接伝播誤差による学習手法が提案されており,これらを組み合わせることで,誤差消失を緩和できる可能性がある.本稿では,生体妥当な誤差伝播学習手法のオートエンコーダへの適用可能性を,手書き文字画像データセットMNISTの分類課題での実験的な比較評価で確認する.その結果,逆伝播誤差に対して順伝播誤差は同程度,直接伝播誤差はやや劣る分類性能となった.