抄録
CI-001
符号化特徴と復元画像の相互情報量最大化に基づくGANベース画像符号化方式の検討
工藤 忍・折橋翔太・谷田隆一・清水 淳(NTT)
H.265/HEVCに代表されるブロック単位の予測と変換に基づく符号化方式では,高周波数成分を多く含む複雑なテクスチャに対しては効率的な予測が行えないため,主観画質の低下が問題となっている.主観画質改善を目指した手法の1つに,敵対的生成ネットワークの枠組みを用いて,復元画像の分布が自然画像の分布に近づくように最適化する手法が報告されているが,正則化項としてMSE等の画素空間上の距離を用いているため,復元画像がボケたり主観的に不自然な出力になったりするという課題がある.本稿では符号化特徴と復元画像の相互情報量最大化を正則化に導入することで,復元画像のボケ軽減及び主観的に自然な出力を実現する画像符号化方式を提案する.