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最終更新日:2008年3月13日

情報処理学会
第70回全国大会シンポジウム

情報専門学科におけるカリキュラム標準「J07」最終報告

2008年3月13日(木)第一部 13:00-15:00,第二部 16:30-18:30
筑波大学筑波キャンパス[第3イベント会場(理科系修士棟C棟 1階C103)]

全体概要

司会:佐渡 一広(群馬大)

2006年度・2007年度にわたって策定作業を進めた情報専門教育カリキュラム標準J07の内容を報告する.第1セッションでは,コンピュータ科学,情報システム,ソフトウェアエンジニアリング,コンピュータエンジニアリング,インフォメーションテクノロジの各領域について,それぞれの目標とする人材像と,知識体系(2006年度の成果)のコアを習得するためのカリキュラム例を紹介する.第2セッションでは,引き続いて一般情報処理教育に対する知識体系・カリキュラム例,および非情報専門学科から情報を専門とする大学院修士課程に進む学生が最低限必要と考える知識内容について紹介する.その上でJ07全般についてのパネル討論を行う.


講演(1)「J07プロジェクト総括報告」

3月13日 13:00-13:10

筧 捷彦(早大)

講演概要

情報処理学会が情報専門学科カリキュラム標準J97を公表してからすでに10年近くが経過した.この間に,情報に関する科学技術は大いに発展し変貌した.米国では,IEEE CSとACMが共同してカリキュラム標準策定を進め,2001年〜2005年にかけて,CS,IS,SE,CE,ITの各領域に対するものを公表してきた.日本国内でも,高度情報技術者を求める声が高まり,各種の高度IT技術者養成施策が省庁連携して実施されるに至っている.こうした動きに呼応して,情報処理教育委員会の下に情報専門学科カリキュラム標準策定プロジェクトJ07が2006年7月に発足した.このプロジェクトは,2007年度中にカリキュラム標準を公表することを目標として,CS,IS,SE,CE,ITの領域ごとに委員会を設けて作業が進められた.2006年度は,それぞれの領域での知識項目を洗い出し,その必須項目をコアとして定めた知識体系の案を定め,2007年3月の全国大会で発表した.2007年度は,コアを教育するに足りるカリキュラム例を作成した.

(PDF 1.6MB)

講演(2)「コンピュータ科学領域」

3月13日 13:10-13:30

疋田 輝雄(明大)

講演概要

コンピュータ科学(CS)は,情報処理とコンピュータに関する,基本的であるとされる諸領域(area)を,(理論と実際とに分ければ)理論的(系統的)に扱う,教育・研究分野である.CSのカリキュラムモデルは,米国およびわが国において,1968年のACMカリキュラム68以来,提示されてきた.わが国の大学理系情報学科は,CS分野である学科が多いが,米国CSと比較して教育上で強いエリアとやや手薄なエリアとがある.今回のCSカリキュラム標準の作成目標は,J97の後継として,既存の理工系情報学科を想定することに加えて,国際的な整合性,日本の特徴を活かすこと,および最新技術への考慮である.

カリキュラム標準の提示形式の上で,これまでのJ97との大きな違いは,米国版に倣って,科目ではなく学問的な知識体系(Body of Knowledge)を与えること(知識体系は,エリア,ユニット,トピックの3レベル,個々の授業科目はこれらの組合せ)と,コアユニットとして必修の項目を新たに導入したことである. さらに昨夏に発行された中間報告への追加として最終報告案に加えたものは,各ユニットにおける学習成果の設定(成果主義教育)と,具体的な科目サンプルの提示である.

(PDF 164KB)

情報処理学会 コンピュータ科学教育委員会 : 公開文献資料

講演(3)「情報システム領域」

3月13日 13:30-13:50

神沼 靖子(IPSJフェロー)

講演概要

情報システム(IS)の専門家に求められている知識(ISBOK)の範囲は,「情報技術」,「組織と管理の概念」,「システムの理論と開発」と多面的で広範囲にわたっている.BOKは4階層まで詳細に展開しているが,教え方のシナリオや学習者の達成能力を示すために,ラーニングユニット(LU)を作成して提供する.同時にISスキルの視点も提供する.LUの粒度は大小さまざまであるため,教育目的と学習目標に適うLUを選び組合せることで科目の編成が容易になる.また,LUを効果的に活用することで,複数の科目間での内容の重複や欠落を排除できる.J07-ISでは標準的なモデルカリキュラムのほか,コース固有な教育目標に配慮して,異なる対象のカリキュラムを複数提供する.それぞれのカリキュラムはLUと対応づけている.これらのJ07-ISカリキュラムはIS2002をベースとし,さらに日本独自の特徴を反映して開発したものである.

(PDF 28KB)

J07-IS カリキュラム

講演(4)「ソフトウェアエンジニアリング領域」

3月13日 14:00-14:20

阿草 清滋(名大)

講演概要

ソフトウェアエンジニアリング分野では,ソフトウェアライフサイクルを意識したソフトウェア開発を推進できる人材育成のためのカリキュラムを検討している.さらに,品質やコストを制御でき,チーム開発で活躍できる人材の育成を狙いとしている.そのための能力として,問題を抽象化,モデル化する能力,顧客と,あるいは共同開発者とのコミュニケーション能力,調整能力を獲得させる.

ソフトウェア開発能力は実践的教育を通じて身に付くといわれるが,その実践を通じてソフトウェア開発は工学的に行えることを再確認できるよう,基本知識を整理して教授する.これまでソフトウェアエンジニアリング分野ではJpn1として,CCSEを基本としたカリキュラムモデルを提示してきた.今回,日本の実情に合うよう授業科目と知識項目の対応を明らかにしたJ07-SEを検討している.

(PDF 260KB)
カリキュラムモデルの概要(PDF 648KB)

情報専門学科カリキュラムJ07:SE領域の知識項目

講演(5)「コンピュータエンジニアリング領域」

3月13日 14:20-14:40

大原 茂之(東海大)

講演概要

本領域はCE2004をベースに策定したものであり,先ずCE2004の基本構成について述べる.その中で注目すべきことは,コンピュータシステムのみならずコンピュータ制御機器のソフトウェアとハードウェアにまで及んでいる点である.また,自動車の燃料噴射システムなどをあげており,明らかに組込み技術の観点が強く主張されている.次に,こうしたCE2004の方向性と経済産業省による産業実態調査の結果などから,産業競争力強化,輸出力強化などわが国のCE領域における人材として組込み技術者がコアとなることについて述べる.最後に,こうした議論から策定したJ07のCE領域のカリキュラムについて説明する.J07のCE領域のカリキュラムがカバーする知識領域は,アルゴリズム,アーキテクチャ,データベース,回路,ディジタル信号処理,ソフトウェア,VLSI,基本的な数学など16領域に及びコア時間は305時間となった.

(PDF 428KB)

J07-CEカリキュラム

講演(6)「インフォメーションテクノロジ領域」

3月13日 14:40-15:00

駒谷 昇一(筑波大)

講演概要

J07の専門領域のひとつであるIT領域のカリキュラムについて概説する.IT領域はACM,IEEEによるCC2005で初めて策定された最も新しい領域であり,初めての日本語版カリキュラムを策定した.昨年3月に公開した知識体系(ITBOK)をもとに,16科目の講義と5科目の総合演習,合計40単位のカリキュラムを策定した.

IT領域は,ネットワーク,データベース,セキュリティ,運用管理などを対象としており,産業界からのニーズが高いため,大学教育での普及が期待されている.IT領域のカリキュラムの構造や内容の紹介,IT領域がどのような人材を育成しようとしているのかをスキル標準との関係も交えて概説する.

(PDF 668KB)

情報技術(IT)07 知識体系およびカリキュラム標準

講演(7)「一般情報処理教育」

3月13日 16:30-16:45

河村 一樹(東京国際大)

講演概要

一般情報処理教育委員会では,文部科学省委嘱調査研究に基づき「大学等における一般情報処理教育の在り方に関する調査研究」という報告書をまとめた.ここでは,一般情報処理教育の実態調査を全国規模で実施するとともに,一般情報処理教育のカリキュラム策定を行った.その後,そのカリキュラムに準拠した教科書として「情報とコンピューティング」「情報と社会」も発刊した.また,2003年度からの高等学校教科「情報」の実施にともなう大学での2006年問題に着目した教育シンポジウムを全国大会で開催した.そして現在,これらの活動を踏まえた上で,一般情報処理教育の知識体系であるGEBOK(General Education Body of Knowledge)の策定を行っている.本シンポジウムでは,一般情報処理教育の変遷,および,一般情報処理教育の知識体系の概要について取り上げる.

(PDF 36KB)

一般情報処理教育の知識体系(GEBOK)

講演(8)「非情報学科での情報専門教育」

3月13日 16:45-16:55

筧 捷彦(早大)

講演概要

大学できちんと教育を受けたIT人材を求める声が産業界から出始めている.一方で,毎年の大学卒業生60万人の中で,情報系専門学科卒は多めにみても2万人に達しない.日本の産業がITに大きく依存していく現状を考えると,非専門学科でもしかるべく情報教育が施される必要がある.

1995年,1996年に「工学系学部における専門基礎としての情報処理教育の実態に関する調査研究」を行いその標準カリキュラム案も提示した実績も踏まえて,2008年度には,理工系学部を中心対象に非専門学科での情報教育カリキュラムの標準策定を行う予定である.

(PDF 72KB)

パネル討論 

3月13日 17:05-18:30

司会: 佐渡 一広(群馬大)
パネリスト:阿草 清滋(名大)、大原 茂之(東海大)、筧 捷彦(早大)、神沼 靖子(IPSJフェロー)
河村 一樹(東京国際大)、駒谷 昇一(筑波大)、疋田 輝雄(明大)