情報処理学会ホームに戻る
最終更新日:2007年11月22日

ウィンターワークショップ 2008・イン・道後
http://www.hpc.cs.ehime-u.ac.jp/ww2008/

 

主 催 : 情報処理学会 ソフトウェア工学研究会

日 程
 : 2008 年 1 月 24 日(木)〜 25 日(金)

会 場 :  愛媛県松山市
        (会議)愛媛大学城北キャンパス http://www.ehime-u.ac.jp/
        (宿泊)道後温泉 大和屋本店 http://www.yamatoyahonten.com/



 情報処理学会ソフトウェア工学研究会では、 1997 年より、テーマを絞った集中的な議論の場として、 ワークショップを毎年開催しております.
本年度も下記 7 つのテーマを取り上げ、 各分野に造詣の深い討論リーダのもと、 それぞれの分野で、いま何をやるべきか、 そのために解決すべき研究・技術課題は何か等を議論いたします. 皆様の積極的なご参加をお待ちしております.

  実行委員長 阿萬 裕久 (愛媛大学大学院)


    ◆ 組込みソフトウェア
    『組込みシステムのためのモデリング』
    リーダ:青木利晃(北陸先端大)、沢田篤史(南山大)
    概要:
    本セッションでは、 前回に引き続いて組込みシステムのためのモデリングというテーマで議論を行う. 組込みシステム開発では、 ハードウェアとソフトウェア両面から検討を行うことが重要である. 産学双方からの参加者を広く募り、 個々の技術分野に閉じた内容だけでなく、 組込みシステム全体に関するモデリングという観点からの議論を行いたい. 次のトピック(これらに限るものではない)についてのポジションを募集する: ソフトウェア・ハードウェアのモデル化、 アーキテクチャのモデル化、プロダクトライン開発におけるモデル活用、 検証技術、保守と再利用、開発事例、教育.

    ◆ プログラム解析
    『ソフトウェア解析技術の進化』
    リーダ:山本晋一郎(愛知県立大)、渥美紀寿(南山大)
    概要:
    古くからソフトウェア解析の中心的な対象はソースプログラムであり、 制御フローとデータフロー解析、エイリアス解析、 ブラウザに代表される提示方法などの基盤技術が蓄積されてきた. しかし、近年の開発対象の多様化(Web アプリケーションなど)、 新しい開発プロセスの登場(アジャイルやプロダクトラインなど)、 プログラミング言語や開発環境の進歩(軽量プログラミング言語や Eclipse の広がりなど)によって、 上述した古典的な技術にさらなく進化が求められている. そこで本セッションでは、 以下に示すようなソフトウェア解析技術の進化について幅広く議論したい.
    * 連携と統合: 複数の解析技術の組合せ、マッシュアップ
    * 対象の拡張: 軽量プログラミング言語やWebアプリケーションへの対応、 ソースプログラムの検索からノウハウや設計情報の検索へ
    * 環境の変化: Web2.0 時代のソフトウェア開発(集合知の利用など)

    ◆ 要求工学
    『国際会議 RE'08 に向けて』
    リーダ:白銀純子(東京女子大)
    概要:
    RE'08 でも掲げられているように、現在のソフトウェアは、 様々な機械や建物のコントロールなどといった、 地球環境に影響を与えたり人間の生活の安全性に影響を与えるような重要な役割をも担っている. このような環境や生活に影響を与えるものをはじめとして、 情報化社会の中でソフトウェアの役割はますます重要となっている. 重要な役割を担っているソフトウェアについては、関係する複雑な要因を、 要求分析・定義の段階から考慮しながら開発していく必要がある. またそうすることで、質の高いソフトウェアを供給することにつながっていく. このように、要求工学の重要性はますます大きくなっている. 本セッションでは、要求工学が直面している問題について、 日本から世界に対して情報・技術を発信すべく、 RE'08 への論文投稿を視野に入れて、事例や研究の報告をもとに議論を行う.

    ◆ サービス指向
    『Service Cloud!? = SOA + Web 2.0 + SaaS + Cloud Computing』
    リーダ 浦本直彦(日本IBM)、松塚貴英(富士通研)
    概要:
    サーバー基盤構築におけるサービス指向アーキテクチャ(SOA)技術、 データ指向でブラウザをベースとする Web 2.0 技術の交点を支えるパラダイムとして、 インターネットそのものを超広域分散プラットフォームとして現実的なサービスを提供するクラウドコンピューティング(Cloud Computing)が現在注目を集めている. 例えば、Google, Saleforce.com, Amazon.com などの企業が提供する Software as a Service (SaaS) に基づくサービス群は、技術的にも、そしてビジネス的にも、 従来のソフトウエア構築のあり方を大きく変革する可能性を秘めている. 本セッションでは、SOA, Web 2.0, Could Computing, SaaS といった技術を基盤に、 サービス指向技術が今後どのように進化していくかについて議論を行うとと共に、 関連する研究開発技術に関するポジションペーパーを広く応募する.

    ◆ アーキテクチャとパターン
    『ソフトウェア開発におけるアーキテクチャとパターン』
    リーダ:羽生田栄一(豆蔵)、鷲崎弘宜(国立情報学研)
    概要:
    アーキテクチャ技術とソフトウェアパターン技術の各特性や課題、 および、両者の間や周辺技術との関係を議論する. パターンは特定文脈上で頻出する問題の解決方針と手順を一般化したものであり、 構造上の決定指針を与えることが多い. 一方、アーキテクチャは機能・非機能要求に応じた決定の組み合わせで成立し、 その過程で既知のパターンを参照する、あるいは、 新パターンの候補が得られるなど両者は密接な関係にある. 共通キーワードとして「品質、デザイン、抽象化・一般化、 再利用」等が挙げられるが、これらに限定せず幅広く議論する. 過去の議論成果については次を参照いただきたい: http://patterns-wg.fuka.info.waseda.ac.jp/event.html

    ◆ ソフトウェアマネジメント
    『ソフトウェア開発のマネジメント』
    リーダ:野中 誠(東洋大)
    概要:
    工数見積りや品質予測など、 ソフトウェア開発のマネジメントに関する研究は、 国内外でこれまでに数多く行われてきている. しかし、こうした研究成果が実務の場で十分に活用されているとは言い難く、 実務ニーズと研究ソリューションのギャップは小さくない. 研究課題は、学術的な観点から技術発展に貢献することに加えて、 実務の場への有益なソリューション、知見、 含意の提供を念頭に置かねばならない. 一方で、我々はソフトウェア開発マネジメントの問題について、 あまりに多くのことを知らない. 成熟度の高い組織においてプロジェクトの成否を分ける要因は何か、 再利用主体のソフトウェア開発において潜在欠陥が与えるリスクの影響度はどの程度か、 ソフトウェアの信頼性や品質をどのように測定するかなど、 枚挙にいとまがない. マネジメントの問題は実務における重要課題の一つであるため、 こうした疑問に対して着実に取り組まねばならない. 本セッションでは、ソフトウェア開発のマネジメントについて、 国際的な研究動向を視野に入れながら、 解決が求められる今日的課題や技術的動向などについて幅広く議論する. 「マネジメント」が含む範囲は幅広いが、ここでは、SWEBOK の Software Engineering Management(見積り、プロジェクト計画、 レビュー、測定など)、Software Engineering Process (プロセス定義・評価など)、 Software Quality を主な対象とする(ただし、これに限定しない). こうした議論を通じて、 ソフトウェアマネジメント研究に関する研究者と実務者とのコミュニティ構築につなげたい.

    ◆ ディペンダブルソフトウェア
    『 ディペンダブルソフトウェア』
    リーダ:吉岡信和(国立情報学研)、田原康之(国立情報学研)
    概要:
    信頼できるソフトウェア(ディペンダブルソフトウェア)を実現するための技術を議論する. ディペンダブルソフトウェアが持つべき性質には、 セキュリティ・セーフティ(security, safety)、 信頼性(reliability)、可用性(availability)、 保守性(maintainability)、管理性(manageability)などがある. 本トラックでは、それらの性質を満たすソフトウェアを設計し、 検証する時の課題と、それを解決できる技術との関係を議論する. ディペンダブルソフトウェアを実現するには、 そのライフサイクルを通して、非常に多くの要因、 性質を考慮しなければならない. 主なトピックは、それらの要因・性質の記述・モデル化法、 性質がどれだけ成り立っているかの評価・測定法、 性質の保障・検証法などであるが、これらに限定せず幅広く議論する.