情報技術を駆使した文化資源のデジタル化,蓄積,さらにインターネットによる流通への動きは,人文
科学の分野でも加速されつつあります.事実コンテンツのデジタル化は進みつつありますが,反面,急速
に変化しつつある技術への適応が精一杯で,人文科学研究のパラダイムへの影響は限定されています.
人文科学は本質的にコンテンツの宝庫であり,その利用方法については歴史的にも膨大な知識の蓄積
があります.しかし現在の情報技術はまさにハードが中心であり,コンテンツの担い手である資料管理者や
研究者,また利用者などの視点によったソフト的な議論が欠けているところに問題があるように思われます.
こうした種々の問題点に着目し,情報技術を駆使した人文科学の新しい研究パラダイム創成を目的と
して年次開催されている最大規模の国際会議が,PNC(Pacific Neighborhood Consortium) および
ECAI(Electronic Cultural Atlas Initiative)という2つの学際プロジェクトの共催によるPNC Annual
Conference and Joint Meetings です.本国際会議は,人文科学系研究者が中心となり,人文科学
における情報の構造と方法論を展望するとともに,コンピュータによる情報資源の有効な利用,提供,流
通,蓄積の実現を目指して,情報科学系の研究者や技術者と討論および情報交換の場を提供してい
ます.具体的な成果として,膨大な東洋古典テキストの電子化,e-publishingの実現,地理-時間情報
に基づいた書誌情報によらないデータ検索法の開発などを挙げることができます.これらの成果は情報技
術分野においても注目を集めつつあり,人文科学と情報科学両分野の新しい交流を生み出しつつあります.
情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会は,本年度のシンポジウムを本国際会議と同時に開催す
ることにより,人文科学と情報科学という学際領域研究に従事している研究者の交流の場のみならず,特
に日本の研究動向を世界に広く発信する場にしたいと考えております.また,最近の我が国の動向を見ま
すと,文化資源のデジタル化は組織的かつ大規模に行われるようになり,データの蓄積・共有および有効
利用が今後の重要課題として浮上しつつあります.そこで,本シンポジウムでは,人類の財産である文化
資源の共有化と利用をメインテーマとし,インターネットによる国際的コラボレーションによるコンテンツの作
成,デジタル図書館をはじめとするデータウェアハウス間の資源共有化について特に掘り下げた議論を展
開する予定です.
皆様からの積極的な論文発表とご参加をお願いいたします.
日程: 2002年 9月20日(金)〜22日(日)
会場: 大阪市立大学 学術情報総合センター(杉本キャンパス:大阪市住吉区)
主催: 情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会
共催: PNC(Pacific Neighborhood Consortium) ,ECAI(Electronic Cultural
Atlas Initiative),
大阪市立大学学術総合センター
後援(予定): 電子情報通信学会,記録管理学会,情報知識学会,情報考古学会,
アートドキュメンテーション研究会,全国歴史資料保存利用機関連絡協議会など.
テーマ: 情報資源の共有・活用関連の諸トピック,デジタルアーカイブ,画像・映像,データベース,
立体形状計測,歴史・文化・芸術資料のデジタル保存,色彩情報処理,記録保存の技術,
メタデータ,デジタル文書標準化,情報検索技術,音楽データベース,
デジタル図書館・博物館,知的財産権・著作権課題,セキュリティ・課金技術,教育利用,
レファレンスサービス,事例報告など.
技術的・システム的な話題だけでなく,管理・運用面での課題,事例,現状批判,問題提起
などについても歓迎します.
応募方法:
(1)A4判2ページ以内(図表を含む)の概要,及び別に英文抄録(約250〜300語程度,テキスト形
式,抄録には,タイトル,著者名,所属,連絡先,キーワードを含むこと.投稿論文概要が採択
された場合には,本抄録がPNC Annual Conference and Joint Meetings 2002の抄録集に
掲載されますのでご注意ください)を申込先へE-mailで提出(宛先:sigch@oiu.ac.jp)してください.
概要は,日本語または英語とします.また,題目,著者名,所属,連絡先,キーワードを明記して
ください.概要の原稿は,Word形式の添付ファイルで送付してください.
(2)提出された概要に基づいて,プログラム委員会で審査の上,応募論文の採否を決定します.
(3)採択された場合,A4 判8ページ以内の論文集用カメラレディ論文を提出していただきます.
(4)採択論文のうち,本シンポジウムおよび本研究会の趣旨に合致し,かつ,内容の優れたものは,
シンポジウム終了後,情報処理学会論文誌への研究会推薦論文として論文誌編集委員会に
推薦します.
スケジュール:
(1) 論文概要締切 2002年 5月24日(金)
(2) 論文採否通知 2002年 7月 5日(金)
(3) カメラレディ論文提出締切 2002年 8月 9日(金)
照会先:
じんもんこん2002 シンポジウム係 (社)情報処理学会 シンポジウム係
570-8555 大阪府守口市藤田町6-21-57 108-0023 東京都港区芝浦3-16-20
大阪国際大学人間科学部 桶谷猪久夫 芝浦前川ビル7F
E-mail:oketani@oiuw.oiu.ac.jp
E-mail:sig@ipsj.or.jp
URL http://pnc-ecai.oiu.ac.jp Tel:
03-5484-3535, Fax: 03-5484-3534
申込先:
じんもんこん2002 シンポジウム係
570-8555 大阪府守口市藤田町6-21-57
大阪国際大学人間科学部 桶谷猪久夫
申し込み E-mail:sigch@oiu.ac.jp
TEL: 06-6902-0791 内2547, FAX: 06-6902-8894
参加費(予定):
登録会員 6,000円
一般会員(含む後援・協賛学会等の会員)8,000円
一般 10,000円
学生 3,000円