◆情報処理学会第51回音楽情報科学研究会
「夏のシンポジウム」開催のご案内

日時: 2003年8月4日(月)13:00-17:00,8月5日(火)10:00-16:00
   (両日とも時刻は予定)
会場: 東京大学工学部6号館セミナー室A&D(東京都文京区)
交通: http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/campus/map/map01.html
建物: http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/campus/map/map01/e24-j.html

詳細については研究会 HP: http://www.ipsj.or.jp/sig/mus/ もご覧ください。

プログラム

8月4日(月)
[13:00〜15:00]音楽システム

(1)マルチメディアビジュアルプログラミング環境DIPS2:
    ○松田周(デジタルアートクリエーション),美山千香士(国立音楽大学)
    酒井由(国立音楽大学),安藤大地(チャルマース工科大学)

概要
バージョンアップされ大幅な機能強化がなされた「DIPS2」について発表す
る。操作性の向上、新たなオブジェクト群、音響処理との連携の強化、プログラ
ミングを簡易にするためのサポートライブラリ、サポートツールの実装などにつ
いて紹介する。

(2)オンライン手書き楽譜認識
    宮尾秀俊(信州大学部),中村隆(富士通プログラム技研)

概要
タブレット上にペン入力で記述された楽譜の基本記号を
対象とし、筆記跡に基づくフリーマンコード情報を用いる
手法と画像のテンプレートマッチングによる手法を組み
合わせる方法を提案し、楽譜記号の高精度認識を実現した。

(3)音楽演奏インタフェース iFP −演奏表情のリアルタイム操作とビジュ アライゼーション−
    ○奥平啓太(関西学院大学),片寄晴弘(関西学院大学/科技団さきがけ研究21)

概要
演奏表情のリアルタイム操作とビジュアライゼーションを行う音楽演奏インタ フェース iFP について述べる.
演奏の表情を含んだデータを利用し,単純な打鍵操作や手振り等で演奏に介入する.

(4)ミックスダウンデザインテンプレートの利用に関する提案
    ○谷井章夫(関西学院大学),後藤 真孝(産業技術総合研究所/科技団さ きがけ研究21),
    片寄晴弘(関西学院大学/科技団さきがけ研究21)

概要

本研究では、音素材データから楽曲構造グループ(Aメロ,Bメロ,サビなど)
を抽出し、グループごとのミックスダウンに関わる設定情報から「ミックス
ダウンデザインテンプレート」を作成し,他楽曲の音素材に対して適用可能
な手法を提案する.

[15:15〜16:45]

(5)パネルディスカッション 「音楽情報処理研究者{に,が}望むこと」

司会:
    後藤真孝(産業技術総合研究所/科技団さきがけ研究21)
  パネリスト:
    平田圭二(NTT コミュニケーション科学基礎研究所),
    片寄晴弘(関西学院大学/科技団さきがけ研究21),
    平井重行(京都産業大学),
    浜中雅俊(産業技術総合研究所/日本学術振興会特別研究員PD),
    武田晴登(東京大学),
    北原鉄朗(京都大学)
概要
本パネルディスカッションでは、音楽情報処理の今後のさらなる発
展へ向けて、「音楽情報者として、あなたは何を望みますか?」につ
いて議論します。


8月5日(火)
[9:30〜11:30]音楽音響信号認識/生成1(4件)

(6)ハーモニック・クラスタリングによる多重音信号音高抽出における音源 数とオクターブ位置推定
    亀岡弘和,西本卓也,嵯峨山茂樹(東京大学)
概要
本報告は,複数音源による多重音のモノラル音響信号からの基本周波数
抽出手法を扱う.我々はこれまでに,倍音構造としての拘束をもつ複数
のクラスタから成るクラスタ群をスペクトル成分に応じてEMアルゴリズム
により決定する手法“ハーモニック・クラスタリング"を提案し,その
原理について報告した.そこで,今回は音源数推定およびオクターブ
位置の推定が可能なハーモニック・クラスタリングの適用手段を検討し,
基本周波数抽出アルゴリズムとしての性能を検証した.

(7)自動採譜におけるパート形成処理のための特徴量の検討
    櫻庭洋平,奥乃博(京都大学)

概要
自動採譜において,単音列をパートごとに分類するパート形成処理は重要な問題
である.本稿では,このパート形成処理において有効と考えられるいくつかの特
徴量を比較検討する.

(8)自己組織化マップによる教師なしクラスタリングを利用したドラム演奏の自動採譜
    吉井和佳,北原鉄朗,櫻庭洋平,奥乃博(京都大学)
概要
 打楽器は固体差に富み、学習データの用意が困難である。
 そこで、同一曲内では同一楽器の特徴量変動が少ないことに着目し、
 自動採譜システムに教師なしクラスタリングを利用する。

(9)音響的特徴に基づく楽器の階層表現の獲得とそれに基づくカテゴリーレ ベルの楽器音認識の検討
    北原鉄朗(京都大学),後藤真孝(産業技術総合研究所/科技団さきがけ研究21),
    奥乃博(京都大学)
概要
音楽データに対する楽器タグの付与においては,学習データにない楽器音
(未知音)にも対応する必要がある.本稿では,未知音をカテゴリーレベ
ルで認識することを検討し,楽器の階層表現の獲得とそれに基づく予備実
験を報告する.


[13:00〜15:00]音楽音響信号認識/生成2(4件)

(10)リズムベクトルを用いたMIDI演奏データからのテンポの変動の推定
    武田晴登,西本卓也,嵯峨山茂樹(東京大学)

概要
音楽演奏のMIDIデータからテンポを推定する方法について述べる。演奏曲の
IOIから得られるテンポに対して不変である特徴量リズムベクトルの時系列か
ら音価の系列を推定した後、テンポ誤り、テンポ変化を含んだテンポ時系列の
推定を行う。


(11)音楽解釈研究のための演奏deviationデータベースの作成
    豊田健一(関西学院大学),片寄晴弘(関西学院大学/科技団さきがけ研究21)

概要

演奏表情について研究する際には、演奏パラメータ付きの楽譜データが必要であるが、
手作業で製作するのは大変である。そこで本研究では、演奏情報に対してガイ
ドとなる楽譜情報を与え、DPマッチングにより両者の対応を取ることで、上記
の作業の効率化を図っている。

(12)会話音声と歌唱音声の基本周波数制御の動特性について
    矢永龍一郎(和歌山大学),河原英紀(和歌山大学,ATR)
概要
変換聴覚フィードバックを用いて会話音声と歌声音声の基本周波数制御の動特
性を測定した。測定結果とシステム同定によるシミュレーション結果について
報 告し、歌声の基本周波数制御モデルに向けた考察を行う。

(13)隠れマルコフモデルに基づいた歌声合成
    酒向慎司,石川ちさと,伊藤正典,徳田恵一,北村正 (名古屋工業大学)
概要
これまでに提案してきた隠れマルコフモデルに基づいた
テキスト音声合成手法を適用した,歌い手(データベース)
の話者性を再現することができる歌声合成システムにつ
いて提案する.

[15:00〜17:15]音楽知覚・分析(4件)

(14)音楽的ビートが映像的ビートの知覚に及ぼす引き込み効果(2)
    --- 心理学 実験システムの開発とレイテンシの計測検討 ---
    長嶋洋一(静岡文化芸術大学/ASL)

概要

一定のテンポでビート感をもった映像と音響を同時に
試聴している環境下で、映像と音響のテンポのわずかな
違いからビート感がずれてきた場合にどのような振舞いを
するか、についての心理学実験を行った。その第2報として
心理学実験システムの開発、特に映像刺激と音楽刺激の素材
制作の詳細報告と、レイテンシ計測結果の検討を行う。

(15)スラーに基づく演奏表現:パラメータ推定と生成手法の考察
    橋田光代(科技団さきがけ研究21/和歌山大学),
    片寄晴弘(関西学院大学/科技団さきがけ研究21)

概要

楽譜上のスラーは,演奏者がフレージングの表現を行う際の
重要な手がかりとなっている.
ルール型演奏生成システムを利用して,重回帰分析による
演奏パラメータの学習をもとに,スラーの演奏表現について検証する.


(16)MIDIデータからのクロマプロファイルの抽出と分析
    宮下芳明,西本一志(北陸先端科学技術大学院大学)
概要
この研究では、MIDIデータをもとに各クロマの発音頻度をレーダーチャー
トとして表示し、その分析を行った。その結果、楽曲における調性やその調性
感の強さなどといった特徴を視覚化し、相互比較することが可能になった。

 

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↓以下受付は終了いたしました.

◆情報処理学会第51回音楽情報科学研究会
「夏のシンポジウム」開催のご案内と発表募集

日時: 2003年8月4日(月)13:00-17:00,8月5日(火)10:00-16:00
   (両日とも時刻は予定)
会場: 東京大学工学部6号館セミナー室A&D(東京都文京区)
交通: http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/campus/map/map01.html
建物: http://www.u-tokyo.ac.jp/jpn/campus/map/map01/e24-j.html

今回の研究会のテーマセッションは“音楽音響信号認識/生成”です.また,
音楽情報科学研究会が情報理学会の研究会として発足して10周年の行事として,
若手中心のパネルディスカッション企画の準備を進めています.一般発表,
テーマセッションでの発表を募集いたします.

発表申込締切:2003年5月30日(金)
発表申込照会先: 片寄晴弘(関西学院大学)
E-mail: katayose@ksc.kwansei.ac.jp
* 照会はできるだけemail でお願いします.

発表申込みは,上記宛で,以下の内容をお送り下さい.

- 発表タイトル
- 発表者氏名・所属(共同発表者全員のもの)
- 郵送先住所(郵送物送付先:住所は受取人氏名までお書き下さい)
- 連絡先(できれば e-mail、その他電話等、急ぎの連絡がつきやすい手段)
- 簡単な概要(100 字程度)
- 発表に必要な機材一覧
(液晶プロジェクタ,パソコンからのオーディオ出力機材を用意する
予定です.その他に必要な機材が御座いましたら,ご相談下さい.)

会場問い合わせ先:嵯峨山茂樹(東京大学)
E-mail: sagayama@hil.t.u-tokyo.ac.jp