情報処理学会第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日 会場:神奈川大学

生成系AIによる情報教育へのインパクト

日時:3月16日 9:30-11:30

会場:第1イベント会場

【セッション概要】ChatGPTをはじめとする生成系AIは,自然言語で表現できる様々なタスクを高精度で実行できる能力を有している.一方で不正確な回答を提供することもあるなど不完全な面もある.生成系AIを上手に活用することで,プログラミングや文書作成,ビデオ作成などが効率的に行えることも知られており,情報教育にも大きな影響があると考えられる.本シンポジウムでは,生成系AIを活用した教育事例を紹介するとともに,有効に活用するためのノウハウを共有する.また,生成系AIを前提とした今後の情報教育のあり方についても議論する.議論の結果は,今後予定されている情報処理学会の次期カリキュラム標準にも反映される予定である.

9:30-9:35 オープニング

萩谷 昌己(東京大学 Beyond AI研究推進機構 機構長)

萩谷 昌己

【略歴】1982年4月 京都大学数理解析研究所助手.1988年10月 京都大学数理解析研究所助教授.1992年4月 東京大学理学部助教授.1993年4月 東京大学大学院理学系研究科助教授.1995年11月 東京大学大学院理学系研究科教授.2001年4月~2022年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科教授.2010年4月~2013年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科研究科長.2011年10月~2017年9月 日本学術会議会員.2021年4月~東京大学Beyond AI研究推進機構機構長.

9:35-9:55 基調講演 対話型AIがもたらすプログラミング教育の未来

坂村 健(東洋大学 INIAD情報連携学部 学部長)

坂村 健

【講演概要】INIAD東洋大学情報連携学部で生成系AIを研究、教育でどのように利用しているかについて述べる。

【略歴】1951年東京生まれ。
INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長、工学博士、東京大学名誉教授。
IEEEライフ・フェロー、ゴールデンコアメンバー。1984年からオープンなコンピュータアーキテクチャTRONを構築。2023年「TRONリアルタイムOS ファミリー」 がIEEE Milestone として認定された。2015年ITU150Awardを受賞。2023年 IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award受賞。他に2006年日本学士院賞、2003年紫綬褒章。

9:55-10:15 講演 教育における生成系AIの最新活用事例

吉田 塁(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

吉田 塁

【講演概要】2022年11月に登場したChatGPTを始めとした生成系AIは社会的に大きなインパクトを与えている。特に対話型生成系AIは汎用的で高い能力を示しており、幅広い分野での活用が検討・開始されている。当初はテキストのみ扱うことが可能であったが、最近のアップデートに伴い、画像認識・合成、音声認識・合成が可能となる対話型生成系AIも登場しており、活用の幅はさらに広がっている。本講演では、テキスト、画像、音声を含めた生成系AIの教育における活用について最新事例も交えながら紹介する。

【略歴】東京大学大学院工学系研究科准教授。博士(科学)。専門は教育工学(アクティブラーニング、オンライン学習、ファカルティ・ディベロップメント)。東京大学教養学部特任助教、東京大学大学総合教育研究センター特任講師を経て、2020年より現職。主な訳書・著書に『学習評価ハンドブック―アクティブラーニングを促す50の技法』(監訳)、『教師のための「なりたい教師」になれる本』(共著)などがある。

10:15-10:35 講演 生成系AIを前提とする情報教育をめぐって

稲垣 知宏(広島大学 情報メディア教育研究センター 教授)

稲垣 知宏

【講演概要】生成AIの急速な普及は、私たちの生活と社会に影響を与えるようになってきている。大学教育での生成AI利用についても実践例の蓄積が進みつつある。本講演では、生成AIを意識した大学での一般情報教育を主なターゲットとし、学習者が生成されたコンテンツを評価し結果を適切に利用するための指針、一般情報教育に取り入れるべき知識、スキルについて検討する。生成AIの利用について具体的に検討するには、そのアルゴリズムや生成するコンテンツの特性を理解しておく必要がある。結果を適切に利用するには、生成されたコンテンツに対する信頼性やバイアスを判断するスキルが必要になる。情報の創造性や革新性を引き出すために、生成AIを如何に活用できるかを考察し、そのリスクに関して、具体的な事例について掘り下げていくことも有用と考えられる。これらが、将来の情報教育においてどのような可能性を秘めているのかについて議論したい。

【略歴】1995年広島大学大学院理学研究科博士課程修了.博士(理学).広島大学総合情報処理センター助手,広島大学総合科学部講師,広島大学情報メディア教育研究センター准教授などを経て,2015年から教授.広島大学の情報教育改革,一般情報教育の知識体系改訂等に取り組んできた.主な研究分野は情報教育,情報倫理教育,計算物理学など.情報処理学会情報処理教育委員会委員長.

10:35-11:25 パネル討論 生成系AIを前提とする情報教育と教育における生成系AIの活用の未来

萩谷 昌己(東京大学 Beyond AI研究推進機構 機構長)

萩谷 昌己

【略歴】1982年4月 京都大学数理解析研究所助手.1988年10月 京都大学数理解析研究所助教授.1992年4月 東京大学理学部助教授.1993年4月 東京大学大学院理学系研究科助教授.1995年11月 東京大学大学院理学系研究科教授.2001年4月~2022年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科教授.2010年4月~2013年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科研究科長.2011年10月~2017年9月 日本学術会議会員.2021年4月~東京大学Beyond AI研究推進機構機構長.

パネリスト

坂村 健(東洋大学 INIAD情報連携学部 学部長)

坂村 健

【略歴】1951年東京生まれ。
INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長、工学博士、東京大学名誉教授。
IEEEライフ・フェロー、ゴールデンコアメンバー。1984年からオープンなコンピュータアーキテクチャTRONを構築。2023年「TRONリアルタイムOS ファミリー」 がIEEE Milestone として認定された。2015年ITU150Awardを受賞。2023年 IEEE Masaru Ibuka Consumer Technology Award受賞。他に2006年日本学士院賞、2003年紫綬褒章。

パネリスト

吉田 塁(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)

吉田 塁

【略歴】東京大学大学院工学系研究科准教授。博士(科学)。専門は教育工学(アクティブラーニング、オンライン学習、ファカルティ・ディベロップメント)。東京大学教養学部特任助教、東京大学大学総合教育研究センター特任講師を経て、2020年より現職。主な訳書・著書に『学習評価ハンドブック―アクティブラーニングを促す50の技法』(監訳)、『教師のための「なりたい教師」になれる本』(共著)などがある。

パネリスト

稲垣 知宏(広島大学 情報メディア教育研究センター 教授)

稲垣 知宏

【略歴】1995年広島大学大学院理学研究科博士課程修了.博士(理学).広島大学総合情報処理センター助手,広島大学総合科学部講師,広島大学情報メディア教育研究センター准教授などを経て,2015年から教授.広島大学の情報教育改革,一般情報教育の知識体系改訂等に取り組んできた.主な研究分野は情報教育,情報倫理教育,計算物理学など.情報処理学会情報処理教育委員会委員長.

パネリスト

美馬 のゆり(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授)

美馬 のゆり

【略歴】専門は情報工学、教育工学、認知心理学。博士(学術)。2023 年4月AIリテラシー向上のための教材開発プロジェクトaiEDU JAPANを開始し、10月に学生中心のNPO法人学び足しデザイン工房を設立。日本科学未来館副館長 (2003-2006) 、NHK経営委員 (2013-2016) 。UC Berkeley人間互換人工知能センター客員研究員(2021-2022)。近著『AIの時代を生きる』(岩波ジュニア新書)。2023年10月から日本学術会議会員。

11:25-11:30 クロージング

萩谷 昌己(東京大学 Beyond AI研究推進機構 機構長)

萩谷 昌己

【略歴】1982年4月 京都大学数理解析研究所助手.1988年10月 京都大学数理解析研究所助教授.1992年4月 東京大学理学部助教授.1993年4月 東京大学大学院理学系研究科助教授.1995年11月 東京大学大学院理学系研究科教授.2001年4月~2022年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科教授.2010年4月~2013年3月 東京大学大学院情報理工学系研究科研究科長.2011年10月~2017年9月 日本学術会議会員.2021年4月~東京大学Beyond AI研究推進機構機構長.